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もうはなさない 46

2015/02/14 (土)  カテゴリー/もうはなさない

眠っているキョーコの手を握り締め、蓮はこの温もりにもう一度触れられる事に感謝する。
捜索隊が出発して、山小屋の中で2人を発見したという一報が入ったのは、正午過ぎだった。
発見された時、キョーコは尚を抱きかかえ、涙を流しながら尚を早く助けてほしいと懇願していたらしい。
そのまま、2人は病院へと運ばれ軽い凍傷だったキョーコは点滴をしてもらい鎮静剤が効いているのか眠っている。
尚は熱が高い為、大事を取って別室で治療を受けていた。

「キョーコちゃんの様子はどうかしら?」

不安そうに病室に入って来た不破の母親は、遠慮気味にそう蓮に話しかけた。
これだけ心配そうにキョーコの手を握る蓮を、誰もただの知り合いとは思わないだろう。
入院の手続きも、不破の母親が預かって来ていた保険証があった為蓮が手際よく行っていた。

「薬がまだ効いてるみたいです。」
「そう・・・・・。さっき、冴菜ちゃんにも連絡して来たわ。ああ、もちろんあなたの事は話してないから・・・・・間違ってたらごめんなさいね、あなた、もしかしてキョーコちゃんの彼氏かしら?」

その問いかけに、蓮は気を使わせてしまったと思いながらも頷いた。

「キョーコちゃんは尚の事が好きなんだとばかり思ってたわ・・・・・。でも、こんなカッコいい彼氏がいたなんて・・・。」

尚の家族の事もキョーコから聞いている。
お隣同士、キョーコの母親のせいもあり、尚の両親が自分の両親のように接してくれるから嬉しいと。

「すみません・・・・・・。」

キョーコの事を本当の娘のように可愛がってもらっているといっていたことを思い出し、蓮は思わず謝った。
そんな蓮に、尚の母親は苦笑する。

「別に謝らなくてもいいのよ。キョーコちゃんの事、どれほど大切にしてるか、あなたを見てれば分かるわ・・・・・・。本当に、無事で良かったわ。」
「不破君はどうなんですか?」
「尚は、凍傷は軽いものだったけど風邪を引いたみたいね。いつも使わないような頭と体力を使ったから・・・・・。何とかは風邪ひかないなんていうのに・・・・・・。」

両親は、無事に帰って来たことを本当に喜んでいた。
冴菜にも電話で報告すると、行けなかった事を謝罪されたらしい。

「本当は、心配だったと思うの・・・・。でも、冴菜ちゃんの中にある何かが邪魔をして、素直にキョーコちゃんと接する事が出来ないのよ。敦賀さん、キョーコちゃんの事お願いね。この子は母親の愛情を受けずに育って来たから、甘える事を知らないの。物凄く我慢強いけど物凄く寂しがりやだから・・・・。」
「分かってます。目が覚めるまで側にいますから。」
「ありがとう・・・・・そろそろ戻るわ。」

扉が閉り、蓮は再びキョーコの手を握り締めた。

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