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もうはなさない 45

2015/01/21 (水)  カテゴリー/もうはなさない

眠れないまま、夜が明けた。
社はコーヒーを入れると蓮の前に置きカーテンを明ける。
窓の外は昨日とは打って変わって快晴だった。

『それじゃ、今から捜索隊が出るんだね。』

早朝にも拘らず、奏江は社に状況を教える為に電話をかけてきた。
彼女も眠れない夜を過ごしていただろう・・・・。
電話を代わった蓮は、奏江に頼み事をされ、電話を切った。

「琴南さん、声が疲れてましたね。」
「ああ・・・・眠れなかったんだろう。」

本当なら、楽しい旅行になるはずだっだ。
なのにこんな事になった彼女の心情を察するとかける言葉に困った。

「で、彼女なんて言ってたんだ?」
「今日でこのホテルを離れる事になったんで、琴南さん、先生に頼んでここに残りたいって言ったけどダメだと言われたと・・・・・・。」

他の生徒の手前、ひとりだけ生徒を残す事は出来ないと言われてしまったらしい。
その為、先生数人を残し、奏江もみんなと一緒に市内観光の為、今日ここを離れる。

「それで、俺に最上さんが助け出されるまで自分の代わりにここに残ってくれないかと頼まれました。」

奏江に頼まれなくても、蓮はそうするつもりだった。

「蓮、今日の仕事は俺一人で行って来るから、お前は学校関係者と合流して話を聞いてこい。琴南さんのお陰で難なく入れるはずだろ。」
「・・・すみません。」
「俺も仕事が終わったらすぐにそっちに行くから。」

社にその事を頼もうとしたが、先を越され蓮は社に頭を下げた。
昨晩奏江に呼び出され、緊急対策室となっている部屋に連れて行かれ、先生に社と蓮はキョーコの知り合いである事を話し、学校側も母親がこれない事もありすんなりと中に入れてもらえた。
社の部屋を出て、一旦自分の部屋に戻ると蓮は熱いシャワーを浴びすぐに着替えてホテルの一角にある対策室へと向かった。
入ってすぐ、目に飛び込んで来たのは泣きじゃくる女性と慰めるように寄り添う男性。
すぐに、それが誰であるか予想できる。

「2人に何かあったら・・・・・・どうしたらいいの・・・・・。」

泣きじゃくっているのは尚の母親だろう。
そして、背中をさすっているのが父親だろうか。
やはりキョーコの母親は姿を現してはいない。
まだ、付き合っている挨拶をしていない蓮は、こんな形で会う事は好まないが、緊急時体だしそれでもいいと思っていた。
だが、肝心のキョーコの母は現れない。
蓮は、思い切って尚の両親に声を掛けた。

「あの・・・・もしかして不破君のご両親ですか?」

行き成り現れた長身の男に、父親は不審そうに蓮を見上げる。

「すみません・・・・・俺は最上さんの知り合いで、たまたまこのホテルに仕事で滞在してたんです。」
「あ、ああ・・・・さっきキョーコちゃんの友達がそんな事言ってた・・・・・あなたがそうですか・・・・。」

お互いに、ぎこちない挨拶を交わす。
慌しい室内で、捜索隊が出動したと無線連絡が入っていた。

「あの・・・・・最上さんのお母さんは・・・・・・。」

その問いかけに、2人は顔を見合わせため息をついた。

「冴菜ちゃんは・・・・仕事でこれないから私達に頼むと・・・・・・。」
「そんな・・・・・・。」

自分の娘が命の危険にさらされているのに、来ようともしないなんてと蓮は絶句する。

「自分がここに来ても何も出来ないからって・・・・・。本当は心配でたまらないはずなのに・・・。」

こんな時だからこそ、愛情を表現するべく駆けつけるのではないだろうか?
キョーコから、少し母親の話を聞いたことがある。
幼い頃から、完璧を求められ母に愛されようと努力して来た。
でも、どんなにがんばっても母がキョーコを受け入れる事はなかったと。

『幼い頃は、本当に憎まれてると思ってました・・・・。でも、大きくなるに連れて、段々分かって来た事があって・・・・・・。お母さん、私が片親だからってバカにされないように、厳しくしてたんだって思ったんです。』
『どうしてそう思ったの?』

デートの途中で立ち寄った公園で、仲良く過ごす家族連れを眺めながらキョーコは蓮に母親の話をしていた。

『女手一つで私を育てるなんて、本当に大変だと思います。私に構っていたら仕事がおろそかになって食べるのにも困るでしょ?お母さんは1人で2人の役割を果たさなくちゃいけない・・・・でも、そんなの無理だって。だから、母の負担にならないように、なるべく自分で出来る事は自分で解決しようって思ったんです。』
『それって、寂しくないの?』

毎日、明かりのついていない家に帰る気分は蓮にも分かる。
だが、蓮は一人暮らしだから当たり前で、実家に帰れば温かい家族が迎えてくれる。
キョーコは、幼い頃からずっとその寂しさの中で生きて来たのだ。

『寂しいですけど・・・・・もう慣れました。それに、そう考えたらお母さんの見方も変わったんです。お互いに出来る事は負担しあう。料理も洗濯も、家の事は私がする事で、お母さんの負担も少し解消されたと思います。そのお陰かもしれないですけど、お母さんも少し優しくなって気がして・・・・・・。昔よりは話をするようになったんですよ。ほら、一緒に映画に行ったりもするようになって・・・・これって大きな進歩です。それに・・・・・・今は敦賀さんがいてくれるから・・・・・・。』

最後の言葉を真っ赤になりながら話し、キョーコは恥ずかしくて蓮の顔をまともに見ることが出来なかった。
でも、耳も手も真っ赤で、蓮は嬉しくてつい抱きしめた事を思い出す。
あの温もりにもう一度会いたい・・・・・・。
早く無事な姿を見たい。
待たされている時間が、恐ろしく長く永遠のような気がしていた。

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あけましておめでとうございます(。◡‿◡。)

2015/01/01 (木)  カテゴリー/独り言

新年、明けましておめでとうございます!?

いつも訪問、閲覧、拍手、感想などありがとうございます。
このサイトを始めて今年で6年目。
当初はこんなに長く続くとは思ってませんでした。
なにせ、類似サイト様との交流もなく細々とやっている小心者ゆえ・・・
こんなに訪問者があるとは思ってもいませんでした。
当時に比べ生活環境も変わり、最初の頃よりも書くペースはどんどん遅くなってますが
それでも、楽しみにしてくださる方がいるのはとても嬉しい事です。
去年は少し放置状態の時もあり、これだけ放置したら誰も来なくなるのでは?
などと思っていたのですが
「楽しみにしてるのでどんなに遅くなっても良いので続きを楽しみにしています。」
と、温かいコメントを頂き大変励みになりました。
好きな話があるので、サイトは閉めないで欲しいとのコメントも頂き、大変嬉しく思います。
もちろん閉めるつもりは“まだ”ありませんのであしからず(;◔ิ з◔ิ)アセアセ
他にもね・・・途中まで書いてる話が2,3個あるんですけどね^^;
それが出せるかどうか・・・完結まで出来ればさっさとUPするつもりですが・・・
今は現状の話をやっつけないとね (ノд-。)クスン
今年中には終わるつもりで頑張ります( ・Θ・)ゞ
UP状況は“おしらせ”に書いていきますので、訪問の際はそちらもチェックしてくださいませ。
感想など頂けると嬉しく思います(*´﹃`*)
ではでは
このサイトを訪れる皆様が、楽しく穏やかな一年でありますように(〃∇〃人)
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