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もうはなさない 39

2014/08/31 (日)  カテゴリー/もうはなさない

突然現れた千織に、蓮もキョーコも驚きを隠せない。

「何が言いたいのかな?」

蓮はキョーコを解放すると、庇うようにしながら千織に向き合う。

「敦賀さん・・・昨日私の告白を聞き入れてキスしてくれたじゃない。それなのに・・・酷いわ。」

急に涙声になりながら、千織は顔を手で覆う。
その様子に、キョーコは戸惑いながら蓮を見た。

「誤解を招く言い方はやめてもらいたいね。」

蓮の声が少し低くなる。
その声に、キョーコは蓮が怒っているのを感じた。

「最上さん・・・あなた騙されてるのよ・・・敦賀さんは平気で二股かけられるような人なのよ。」

蓮の言葉を無視して、千織は涙ながらにキョーコに訴えかける。
その言葉に、キョーコは戸惑いながら蓮と千織を交互に見返す。

「彼女の言う事は気にしなくていいから。」

不安そうなキョーコの視線に、蓮は小さなため息を付く。
困惑と言っていいのかもしれない。
言葉の通じない相手に、一体なんと投げかければ答えが返ってくるのか・・・。
その言葉を蓮は探しているようだった。

「わ・・・私は・・・・・。」

千織に何か言わなければ・・・そう思ったキョーコは蓮の横に歩み出た。

「・・・・私は敦賀さんの事信じてるから・・・・・。」

キョーコの言葉に、千織はかっと目を見開いた。
 
「いい子ぶらないでよ!?本当は許せないって思ってるんでしょ?他の女とどんな形であれキスしたのよ?それを信じてるからって、そんなに簡単に許せるの?あなた、どこまでお人好しなのよ!」

涙の跡さえ見せず、千織はキョーコの言葉にたまりかねるように叫ぶ。
言われたキョーコは表情を曇らせた。
それは蓮がキスした事ではなく、千織に自分の中で許せないと思う感情を見透かされたような気がしたから。

――――― それでも・・・私は・・・・・敦賀さんを・・・・。

付き合う時に、何でも話そうと約束した。
その約束どおり、誤解されるかもしれない話を、わざわざキョーコに打ち明けてくれた。
それを思うと、自分の嫉妬心など小さく思える。
自分の中の迷う心をキョーコは振り払うように首を振った。

「天宮さんは敦賀さんの事が好きなんでしょ?自分の好きな人がそんな事するなんて本当に思ってるの?」
「あんたに敦賀さんの何がわかるっていうのよ!!」

千織は一段と声を荒げて、忌々しそうにキョーコを睨み付けた。
その口ぶりからして、千織は蓮の何かを知っていると言う事になる。
だが、蓮には心当たりがなかった。

「その様子だと・・・やっぱり憶えてないんですね。」

少し憂いをお帯びた表情で、千織は蓮を見据える。

「文化祭以前から、俺の事を知ってるっていうのか?」

探るように蓮は千織の様子を伺う。

「前にも言いましたよね?敦賀さんにしてみれば、大したことじゃなかったんでしょうけど・・・・私にとっては結構印象的だったんですよ。」

千織は懐かしそうに話し始めた。

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