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もうはなさない 38

2014/07/17 (木)  カテゴリー/もうはなさない

いつもの場所に見覚えのある車は停まっていた。
待たせる訳にはいかないと急いでここまで来たものの、どんな顔をして会えばいいのかわからないず、キョーコは奏江の後ろで小さくなりながら車に近づいた。

「ほら、キョーコ・・・しゃんとしなさい。私も一緒に話聞いてあげるから。」
「でもモー子さん・・・・・。」

そんな2人の姿に気づいた蓮は車から降りた。

「やあ・・・琴南さんも一緒って事は・・・・もしかして何かあった?」

まるで千織が何かする事を知っていたかのような口ぶり・・・。
あながち千織の言った事は嘘ではなかったのだろうかと奏江は困惑する。

「何かあるような事が千織とあったんですか?」

回りくどい話をしていても時間の無駄だろうと感じた奏江は、いきなり確信をつく。
その言葉に蓮は苦笑した。

「今日急に呼び出したのはその事でちょっとね・・・最上さんに話しておきたい事があったんだけど・・・。」

いつもなら愛らしい笑顔で蓮の側に駆け寄る少女は、悲しそうな表情を浮かべたまま親友の側から離れようとしない。

「その様子だと・・・やっぱり何かあったみたいだね。」

いまだ奏江の後ろに佇むキョーコの姿に、蓮は何処から話そうか考える。
だが、蓮の言葉より早く奏江が話し始めた。

「実はさっき・・・・・・。」

奏江がそう切り出した時、側にいたキョーコが奏江の袖を引いた。

「モー子さん・・・やっぱり私が話すから・・・。」

自分の事なのに、奏江に頼ってはいけないとキョーコは蓮の前に歩みでた。

「私・・・ずっと敦賀さんに聞きたい事があったんです。」

意を決した瞳で、キョーコは蓮を真っ直ぐ見上げた。

「俺に聞きたい事?何?」

一体何を言われるのかと、蓮は内心動揺しながらも、その感情を綺麗に隠して平静を装う。

「前に図書館の駐車場で敦賀さんがその・・・天宮さんと・・・・・・・。」

実際自分が見た風景を思い出し、キョーコは言葉に詰まる。

「図書館の駐車場って・・・・もしかして最上さんもあの図書館で勉強してたの?」

その言葉に、キョーコは頷いた。

「あの図書館、私とキョーコの駅の中間にある場所なんですよ。学校の近くだと不破のファンがうるさいし、中間だったら帰る時間もそんなに掛からないからいいだろって事になって。」

奏江が補足説明するのを聞きながら、なんとなく真相が見えてきた気がする。
あの図書館を指定したのは千織。
そして同じ日にその場所に居たキョーコと不破。
不破と千織は以前結託して蓮とキョーコの邪魔をして来た。

――――― やっぱり・・・またあの2人が何か企んで・・・・。

蓮はあの日図書館の駐車場出の事を思い返していた。

――――― 確か・・・あの時・・・・。

その時の事を思い出し、蓮はハッとする。

「最上さん・・・見たってもしかして。」

あの時蓮が腑に落ちないと思った違和感。
蓮の中でその答えが見えた気がした。

「・・・・・敦賀さんと千織が抱き合ってたってこの子は言ってるんですけど、本当の所どうなんですか?」

真相を知りたい奏江は言い出しにくそうにしているキョーコの姿に、つい我慢出来ずに聞いてしまった。

「あれは抱き合ってたんじゃなくて、躓いた天宮さんを抱きとめただけだよ。」

確かに遠くから見ていたら、薄暗さも手伝って抱き合っているように見えなくもないかもしれない。
いや・・・あの2人の仕業なら、わざとキョーコに見せるように不破が連れ出し、千織がそれとなく見せたと考える方が自然だろう。

「私が思うに・・・あの二人はグルだと思うんです。」

奏江の言葉に蓮頷いた。

「俺もそう思うよ・・・・。偶然にしてはタイミングが良過ぎる。」

そんな2人の会話に、キョーコは置いてけぼりの気分だった。
ただでさえ気がめいっているのに、親友と彼氏だけが分かり合っている会話は、益々キョーコを沈ませていく。
自分の事を心配してくれているのは十分わかっているのに、親友に嫉妬してしまう。
そんな自分の考えを打ち消すように首を左右に振っていると2人がキョーコに視線を向けた。

「どうかした?」
「あんた・・・・また何かよからぬ事考えてたんじゃないでしょうね?」

心配そうな蓮の表情と、奏江に図星を指された為、キョーコは再びうな垂れた。

「まったくもー!?あんたって子は・・・・。」

額に手を当て奏江は肩をすくめる。

「つまらない妄想してる場合じゃないでしょ!?肝心な事をまだ聞いてないんだから!!」

その言葉に、キョーコの胸がざわつく。
千織が友達に話した事・・・それを聞かなくてはならないと思うと、心がざわつく。

「肝心な事?」
「そうです。さっき千織が・・・・。」

そこで一旦奏江は言葉を切ってキョーコを見る。
キョーコも自分の事なのでしっかりしなければと気を取り直して蓮を見上げた。

「さっき、天宮さんが敦賀さんと・・・・・。」

やはり言い出しにくい。
だが、これは自分自身の言葉で蓮に聞かなければならない事だと、キョーコは勇気を振り絞るように言葉にする。

「・・・・・キスした・・・・って・・・・・・。」

蓮の表情を見るのが怖くてキョーコは俯き加減でそう言った。

頭の上から蓮のため息が聞こえる。
そのため息は一体どういう意味なのか・・・・キョーコは恐る恐る顔を上げた。
そこには少し困っているような、呆れているようなそんな複雑な表情が見て取れる。

「実はその事で最上さんに話しておきたい事があったんだけど・・・先をこされたか。」

不安そうなキョーコの表情に気づき、蓮は安心させるようない笑顔を見せる。
だが、その笑顔がキョーコを益々不安にさせる。

「最上さんには包み隠さず正直に話すよ。彼女の言った事は本当なんだ・・・・・・。」

それを聞いた瞬間、キョーコは反射的に蓮に背を向け走りだした。

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