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もうはなさない 36

2014/05/27 (火)  カテゴリー/もうはなさない

蓮と話すのが怖くて、電話がかかってくると勉強を理由に早々に電話を切っていた。
あの日何があったのか、聞けばきっと答えてくれるだろう。
でも、聞く勇気がないキョーコは言い出せずにいた。

――――― 敦賀さん・・・変に思ってないかな・・・。

勘が良い蓮の事だから、キョーコの様子がおかしい事はきっと気づいているだろう。
何も聞かないでいてくれるのはキョーコへの配慮なのか、それとも聞かれたくなくてあえて黙っているのだろうか?
マイナス思考な考えに、キョーコは胸の奥がもやもやする。
先ほど届いたメールに返信したものの、未だにキョーコの携帯には返信がない。

――――― 車の運転してるから見てないのかな・・・・。

キョーコは部活があるので遅くなる事と勉強するので今日はあえないとメールを送っていた。
鳴らない携帯を握り締め、キョーコは机に突っ伏した。
パコ~ン

「モー子さん、痛い・・・・・。」

丸めたノートで奏江に頭をはたかれ、キョーコは半べそをかきながら奏江にはたかれた頭を撫ぜる。

「あんたがだらだらしてるからよ。今日の部活行くんでしょ?」
「うん・・・。」

衣装担当で、本格的な発表会が決まるまでキョーコは部室に顔を出すことなど殆ど無い幽霊部員。
試験を前に部活などしている場合ではないのだが、この時期に次の演目を決めておかないといけない為、衣装関係の話もあるからと、キョーコも顔を出すように部長に言われていた。

「すぐ用意するから。」

鞄に教科書やノートペンケースをしまいながらちらりと携帯に視線を移す。
だが、やはり蓮からの返信はなかった。

「モー子さん、ちょっと待ってて・・・すぐ終わるから。」

奏江にそういい残しキョーコは携帯片手に教室のベランダに出た。

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もうはなさない 35

2014/05/06 (火)  カテゴリー/もうはなさない

図書館で勉強したいと言う千織のわがままに付き合ったものの、それは一回で終わった。
再び千織の家で勉強を教える事になったのだが、蓮はどうも腑に落ちない。

――――― 腑に落ちないと言えば・・・・あれも腑に落ちないな・・・・。

図書館からの帰り、駐車場で千織が転んだ所を受け止めたのだが・・・そのわざとらしさが蓮には解せない。
まるで誰かに見せたかったかのような行動だった気がする。
自分の考えすぎなのかもしれない。
だが、急に図書館でと言い出した事を考えると疑わずには居られない。

――――― そう言えば、この子は不破とグルだったっけ・・・。

目の前で蓮の作ってきたプリントと格闘している千織を横目に見ながら、蓮は聞こえないような小さなため息を付いた。
文化祭で蓮に仕掛けてきた不破。
もしかしたら千織を使って、またよからぬ事を考えているのかもしれない。
あの様子をキョーコに見せ、何か勘違いするような事を吹き込まれていたら・・・。
だとしたら・・・最近キョーコの様子がおかしいのも頷ける。

――――― 帰りに電話してみるか。

今日は塾に日なので、時間が合えば迎えに行こうかと考える。

「・・・・先生、敦賀先生?」
「えっ、ああ・・・・解けた?」

千織の呼びかけに、我に返った蓮は千織からプリントを受け取ると採点していく。

「ぼんやりして何考えてたんですか?」

採点が終わるのを待ちながら、千織は面白くなさそうに聞く。

「別に・・・・。こことここ、間違えてる。」

さらりと話を流し、蓮は間違いを千織に指摘する。
苦手分野を基礎から教えていく蓮に、千織は仕方なく耳を傾け問題を解いた。

「今日はこのくらいで終わろうか。」
「はぁ~い。」

教材を片付け、蓮は帰り支度を始めながら先ほど考えていた事を再び考えていた。
このタイミングで蓮を指名してきた事事態、偶然にしては出来すぎている。
だが、そこまでして千織に何のメリットがあるというのか?
そう思い返した蓮は、教材を仕舞う手を止めた。

「天宮さん、ちょっと聞いてもいいかな?」
「なんですか?」

堅苦しい勉強も終わり、千織は蓮との雑談に嬉しそうにしている。

「どうして俺に家庭教師を?」

その質問に、千織はつまらなさそうな顔をした。

「もっと色気のある質問してくださいよ。彼氏居るの?とか。」
「聞いてどうするの?」

無駄な質問だったと、蓮は再び教材を鞄にしまっていく。

「どうするって・・・こんな可愛い女の子に彼氏がいるかどうか、気にならないんですか?」
「気にもした事ないよ。」

まったく自分に興味を示さない蓮の言葉に、千織は頬を膨らます。
どうして蓮を家庭教師に選んだのかは気になるが、答えてくれないのならそれでも構わない。

「それじゃ、帰るよ。」

椅子から立ち上がると、蓮は扉に向かう。

「どうしてか知りたいですか?」

何かを含んだような意味深な言い方に、蓮はため息を付くと千織の方に向き直った。

「ああ、知りたいね。別に俺でなくてもお父さんの会社の社員の息子でも娘でも、うちの大学に来てる奴くらい居るだろう?なのに、どうして俺を指名したの?」
「聞きたいですか?」

もったいぶる千織の言葉に、面倒な事を聞いたとため息交じりに言葉を返す。

「是非聞かせて欲しいね。」

その言葉を待っていたと言わんばかしに、千織は微笑んだ。

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