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もうはなさない 34

2014/04/27 (日)  カテゴリー/もうはなさない

家に帰ってきたキョーコは、電気も付けずにベットに伏せていた。
心配してくれているからなのか、それとも他に意図があるのか分からないが、先ほどから鳴り続ける携帯の着信表示は尚からだった。

「もう!?うるさい!!」

煩わしくて、キョーコは携帯の電源を切り、再び顔を伏せる。
どのくらいそうしていただろう。
ベランダを叩く音で、自分がいつの間にか眠っていたのだと気づいた。

「悲しくても・・・・・眠れるなんて・・・・私って結構神経図太いんだ。」

乾いた笑いを浮かべ、カーテンを開けるとやはりそこには尚がいた。

『キョーコ・・・ここ開けろよ。』


一体何をしに着たのかわからないが、今尚に余計な事を言われたくない。
聞けば、今日の光景が本当だと実感してしまう。
キョーコは無言のまま、カーテンを閉めた。
どうして良いのか分からない。
一体何があったのか、ちゃんと話を聞いたほうが良いのだろうか?
でも、どんな顔して話をすればいいのか分からない。
電話をすれば、声を聞けば泣きそうで・・・・泣けば蓮に理由を聞かれるだろう。
今のキョーコにはうまく説明する自信がない。
どうしてあの体勢になったのか考えてみても、思い浮かぶのはすべて良くない事ばかりで頭の仲がパニックになる。

「そうだ・・・テスト勉強しなくちゃ・・・・・・・。」

思い出したかのように、キョーコは机に向かう。
そして、今日の光景を忘れるように勉強に集中した。

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もうはなさない 33

2014/04/19 (土)  カテゴリー/もうはなさない

放課後のチャイムが鳴り、キョーコは机に入れていた教科書を取り出しのそのそと鞄にしまう。
そんなキョーコに奏江は帰り支度を終えると声を掛けた。

「今日はどうしても抜けられないんだけど、1人で本当に大丈夫?」
「今の所真面目に勉強してるし、大丈夫だと思う・・・・私が警戒しすぎなのかな。」

だが、言葉とは裏腹にキョーコは硬い笑みを浮かべる。

「敦賀さんはあれから何か言ってた?」
「心配してくれてるけど、私信頼されてるから。」

今度は嬉しそうに笑顔を見せるキョーコに奏江はもう一度謝った。
先週、尚の母親が回覧板を持ってきたついでに、キョーコに頼みごとをして来たのだ。
その内容が、“尚に勉強を教えてやって欲しい”だった。

『キョーコちゃんの邪魔にならない程度で良いのよ。尚もキョーコちゃんとなら一緒に勉強するって言ってるから、お願いキョーコちゃん。』

2学期の成績が悪かっただけに、今回頑張っておかないと来年の受験に響くと心配して、塾に行きたがらない尚に何とか勉強させてやって欲しいと、成績のいいキョーコに頼みにきたのだ。
それだけなら、キョーコもまだ変に警戒しなかったと思う。
だが、これを言い出したのが尚だと言うから返答に困ってしまった。
とは言え、尚の母親には幼い頃からお世話になっているだけに、無碍に断る訳には行かない。
そう思い、条件をいろいろと付け承諾したのだ。
その一つが、自宅ではなく図書館で勉強するという事だった。
外なら人の目もあるし、2人きりにはならない。
尚のファンに見つかると煩いが、勉強を教えていると言えば文句は言えないはず。
むしろ、それに乗じて、みんなで勉強する方がいい。
だが、なにせあの尚の考える事だ。
何か姑息な事を考えているとしか思えないと、キョーコは警戒していた。

「バイトどうしても抜けられなくて。本当にごめん。」
「ううん。私の方こそごめんね。モー子さん巻き込んじゃって。」

自分の事情で、奏江を巻き込んだ事をキョーコは謝る。
だが、奏江にしてみればこちらが感謝したいくらいだ。

「何言ってるのよ。キョーコと勉強した方が効率いいのよ。今回の試験もいい点取れそうだわ。」
「そう言ってもらえると助かる。ありがと。」

図書館で2人で勉強するのは悪目立ちと思い、奏江も一緒ならいいと言う条件で尚の勉強を見ることになったのだ。

「おい、キョーコ?聞いてるのか?この公式はこれでいいのかよ。」

尚と勉強を始めて今日で3日目。
キョーコが思っていたよりも、尚は真面目に勉強していた。

「それは、この公式・・・・。こっちはこれの時でしょ?」
「あっ、そっか・・・・それじゃ・・・これをあてはめて・・・・・。」

気持ち悪いくらい真面目に勉強する尚にキョーコは調子が狂う。
でも、折角やる気になっているのに、余計な事は聞けない。
そう思い、キョーコはあえて何も聞かなかった。

――――― そう言えば・・・・敦賀さんも図書館で勉強教える事になったって言ってたっけ・・・・・。

キョーコが尚に勉強を教える事になった事情を説明する為に電話しると、蓮も図書館で勉強すると言っていた事を思い出す。
場所までは聞かなかったが、まさか尚と千織が繋がっているとも思えない。

「ちょっと本探してくるから、このページやってて。」
「ああ、わかった。」

自分の考えに首を振り、キョーコは尚にそう声を掛けると本を探すために席を立った。
机に向かい勉強したり本を読んでいる人達を何気なく見ながら歩いている時だった。
キョーコは隅の席で勉強をしているカップルを見て心臓が大きく跳ねた。

――――― な・・・・どうして敦賀さんが・・・図書館ってこの図書館だったの?

てっきり千織の家の近くの図書館かと思っていた。
なのに、こんな中途半端な場所の図書館だったなんてと内心動揺する。
キョーコがこの図書館を選んだのは、学校と奏江の家とキョーコ達の家の場所を考えて、どの場所からも同じ位の時間にある場所だから。
それなのに、どうして千織がここで勉強しているのか。
仲良さそうに、勉強を教える蓮と千織の姿にキョーコは居た堪れない気持ちになった。
近い距離で、小声で何かを千織に話し、それに頷く嬉しそうな千織。
知らない人が見れば、カップルに見えるかもしれない。
その姿が見ていられなくて、キョーコは本棚に身を隠した。
その様子を盗み見て、尚はこっそりとほくそ笑んだ。

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