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もうはなさない 29

2013/08/23 (金)  カテゴリー/もうはなさない

参加者が一喜一憂しながら全員舞台から降りてくる。
ようやく終わったと、尚も隣で自分の事をわかってないと、文句を言う三森と共にステージを降りる。
尚は自分の企んでいたこと以上の成果で終わった事に満足していた。
これで、キョーコも目を覚ますだろう。
自分の彼氏は親友とキスできるほど、酷いやつなのだと言って慰めてやれば、自分の所に戻ってくる。
そんな事を妄想して、口元をほころばせていた。

「はぁ・・・敦賀さん・・・やっと終わりましたね。」
「そうだね。琴南さんのお陰で、これも手に入ったし・・・ありがとう。」
「お礼を言う前に・・・キョーコにどう説明するんですか?」

優勝商品が欲しいからと協力したが、最後の最後であんなことをするとは思わなかった。
あんな大きな画面いっぱいに2人のラブシーンを映されて、今度こそキョーコは落ち込んでいるに違いないだろう。
早く探して、事情を説明しなければと、奏江は辺りを見回す。

「どうって、ありのままを説明するしかないだろ?とりあえず、最上さんの所に行こうか。」

客席に居るのはステージ上から確認済み。
その場所へ急ごうと、舞台裏へ降りた所に、このゲームに無理やり参加させた尚が仁王立ちして2人の前に立ちはだかった。

「とうとう本性を現したな。」

勝ち誇ったような笑みを浮かべて、蓮達の前に立つ。

「あんたね・・・・・誰のせいでこれに出たと思ってるの?」
「嫌なら棄権すればよかったんじゃないのか?」
「あんな状況で、今更違いますなんて言えないわよ!?」

鬼の首を取ったかのように、勝ち誇っている尚に奏江は怒りを露にする。
隣に立つ蓮はただ黙って尚のでかたを見ているようだ。
そんな尚の腕を三森が引っ張った。
結局、ゲームで尚はほとんど三森の事に関して答えてはもらえなかった。
そのことがショックだったのだろう。

「ショーちゃん酷い・・・。私の事何にもわかってないんだから!?」

そう言って、この空気をぶち壊し乱入してきた。
その様子に奏江は今しかないと蓮を促す。
蓮も揉める三森と尚の横を通り過ぎようとして、再び尚に引き止められた。

「ちょっと待てよ。話はまだ終わってないんだよ!!」

尚の声にみんな振り返る。
先ほどの優勝者が何かもめてるとみんな一気に注目する。

「こ、ここじゃなんだからちょっと場所を変えようぜ。三森は後で後夜祭出てやるから向こう行ってろ。」
「でも・・・・・・。」
「三森・・・俺を困らせないでくれ。」

優しく抱きしめると髪をやさしくなぜそう囁く。
その言葉に、三森は蕩けそうになり近くにいた友達に支えられ、保健室へと連れて行かれた。

――――― とりあえず、キョーコを探して連れてこないと・・・・・・。

キョーコの目の前で、奏江と蓮の先ほどのキスシーンを問い詰めなければ意味が無い。
もう一度放送で呼んでもらおうと考えていた時、奏江がその名を呼んだ。

「キョーコ!!」

振り返れば、社に手を引かれたキョーコの姿があった。
その瞬間、奏江の横に居たはずの蓮の姿はもうそこにはなかった。

「社さん・・・・・何やってるんですか。」

顔を引き攣らせながら、いまだ手を放さない社とキョーコの手を放そうと蓮は手を伸ばす。
だが、蓮の伸ばした手を避けたのは以外にもキョーコだった。

「も、最上さん?」

あからさまなキョーコの態度に蓮は困惑する。
絶対に誤解している事だけはわかる。
社もさすがに、キョーコの気持ちに同情する。

「蓮・・・キョーコちゃんがどこかに行きそうだったから俺が捕まえておいたんだよ。」

社はため息混じりにそう言って、そっとキョーコの手を放した。
だが、キョーコは社から離れる事無く、蓮の顔すら見ようとしない。
さすがの社もここまでされては蓮を庇いきれない。
画面に映し出された奏江と蓮のキスを見た瞬間、固まったキョーコは我に返ってその場を逃げ出そうとした。
それを社が慌てて追いかけ、引き止めたのだ。

「とりあえず、場所を変えましょ、場所を・・・・・・。」

奏江もこれ以上、注目を集めるのはまずいと思い、演劇部の部室へとみんなを連れて行った。

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もうはなさない 28

2013/08/09 (金)  カテゴリー/もうはなさない

ステージ上で奏江と蓮は困惑していた。
クイズに始まり、お互いの思っている事を当て合うゲームも終わり、最終ゲームに突入したのはいいが・・・・・・。
ここまで、パーフェクトではないものの、気づけば蓮と奏江はトップになっていた。
最後のゲームをクリアーして、観客がゲームの様子を見ながらよりラブラブだったカップルに投票してきまるのだが・・・・・。

「敦賀さん・・・・・・無理です。」

奏江の情けない声が響く。
最終ゲームはどれだけラブラブかチェック。
ルーレットを回してダーツで当たった項目を遂行する。
だが、書かれている事に奏江は愕然とした。
スティック状のお菓子を両端から食べあうに始まり、お弁当を食べさせてあげて、口元についた米粒お手ではなく口で取るとか・・・・・・どれもふざけた内容ばかり。
カップルなら、普通に出来るかもしれないが、付き合ってもいない・・・・・しかも、奏江には彼氏だってまだいないのに、友達の彼氏とそんな事出来ない・・・・・出来る訳がない。

「でもほら・・・・・、アレにあたれば大丈夫そうじゃない?」

ルーレットに書かれている項目で、まだ出来る可能性があるのは、紙越しのキスするくらいだ。
これなら、相手に触れる事はない。
でも、そんなにうまく当たるとは思えない。

「他のに当たったらどうするんですか?」

心配そうに、奏江はダーツを持った蓮の見る。
そんな2人に話しかけてきたのは、三森に無理やり出場させられ、1位になるには到底無理な尚だった。

「琴南・・・おまえに彼氏がいたとはな。」

蓮が誰の彼氏か知っているくせに、尚はわざとそんな事を言う。
確信犯の言葉に、奏江は怒りが込み上げる。

「あんたね・・・誰のせいでここに出てると思ってるのよ。」
「誰のせいだよ。」

惚ける尚に奏江は今にもつかみかかりそうな勢いだ。
それを蓮が何とか引き止めた。

「その割りには、ベストカップル目指してるみたいじゃないか?」

得点表を指しながら、尚は2人を茶化す。
尚の目論見以上に、2人は順調に得点を重ねていた。

「あんたさぁ・・・キョーコの彼氏のくせに、良くその親友とこんなのに出れるよな。もしかして二股かけてるんじゃねぇの?」

話の矛先は奏江から蓮に向かう。
にんまり笑って、勝ち誇ったかのように蓮を見る。
しかし、蓮は何も言わないでただ尚を見下ろすと、鼻で笑った。

「なっ!?否定しないって事は、やっぱり二股かけてるんだろ?最低だな。そんな奴にキョーコはやれねぇよ。」

これで優勝でもしてくれれば、キョーコも落ち込み、きっと自分が蓮とはつり合わないと別れるに決まっている。
別れて落ち込んでいる所に、尚が慰めてやればきっとキョーコは自分の所に戻ってくる。
そんな浅はかな考えに、奏江は痛いところをつく。

「あんたさぁ・・・・・自分だって七倉さんとここに出てる時点で、その資格はないと思うけど?」

呆れたようにそういいながら、少し離れた場所で奏江たちの様子を伺っている三森を見やる。
何を話しているかわからない三森は自分を見ている奏江を不思議顔で見返した。

「うっ・・・お、俺は無理やり・・・。」
「無理やりの割には楽しそうだけど・・・それに、今更よね。あんたの女癖が悪いのは・・・。」

奏江はそう言いながら、客席を見渡す。
観客の大部分は尚のファン達だろう。
そんなファン達に、毎日囲まれている尚の事を、キョーコが今更気に病む事はないと思う。

「とにかく、キョーコはあんたのものじゃないでしょ。やれねぇとかそう言う事行ってる時点で、あんたイタイわよ。」
「イタイって・・・・・それじゃ、俺にどうしろって言うんだよ。」
「どうもこうもないわよ。あんたの出る幕はないってことよ。」

奏江の言葉に、尚は苦虫を噛み潰したような表情をする。
言った後に、奏江は少し心配になって蓮を見た。
もしかしたら、また余計な事を尚に言ったかもしれない。
だが、相変わらず蓮は澄ました顔で事の成り行きを見ていた。
そんな3人は大事な事を忘れていた。

「ショーちゃん、何話してるのよ!?次は私達の番でしょ。」

三森の声に、3人は引き戻された。

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