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もうはなさない 15

2013/03/31 (日)  カテゴリー/もうはなさない

尚をベランダに突き飛ばすと、急いで鍵を掛けカーテンを閉める。
外では尚が窓を叩きながら、何か言っているがそんな事かまっていられない。
慌てて電話に出るといつもと変わらない声が聞こえた。

『もしもし?最上さん?』
「は、はい。敦賀さん・・・・・あの・・・。」

キョーコは蓮の声を聞いただけで泣きそうになる。

『何度も電話してもらったのに悪かったね。車の運転してたから出れなかったんだ。』
「そうだったんですか・・・・・・良かった。」

電話に出なかった理由が怒っていたからでなかった事に、キョーコはホッとしてその場にへたり込んだ。

「今外なんですか?」
『そうだよ。ちょっと急用ができてね、今着いた所なんだ。で、携帯みたら最上さんから着信がたくさん入ってたから・・・ごめんね、出れなくて。』

申し訳なさそうに謝られ、キョーコは電話にもかかわらず、首を左右に振った。

「敦賀さんが悪いんじゃ・・・ショーちゃんがごめんなさい・・・まさか電話に勝手に出るとは思わなくて・・・。」
「最上さんが謝る必要はないだろ。」
「でも・・・・・。」

尚のせいではあるが、そもそもキョーコが尚を部屋に入れた事が間違いだったのだ。
そんな事を思っていたキョーコはふと蓮の言葉を思い出した。

「敦賀さん、今、急用で出かけてるんですよね?」
「うん、そうだよ。」

急用なら、キョーコと電話なんてしている場合ではないだろう。

「だったら、また明日電話します。その時に言い訳させてください・・・。」

電話を切ろうとするキョーコに、蓮は慌てて引き止める。

『ちょっと待って、最上さん。今ちょっと出てこられる?』
「今ですか?」
『そう、今すぐ降りてこられる?』

蓮の言葉にキョーコは慌てて玄関側が見える窓のカーテンを開けた。
街灯に照らる見覚えのある車と、その車にもたれ掛かる蓮の姿が見えた。

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もうはなさない 14

2013/03/24 (日)  カテゴリー/もうはなさない

キョーコの声に慌てて携帯をベットの下に隠すと何食わぬ顔でドアを明けた。
トレイに麦茶を持ったキョーコは部屋に入ると机の上においていた携帯に視線を向けた。
だが、置いてあったはずの場所に携帯が見あたらない。
自分の勘違いかと思いながら、着信音で場所も分かるだろうとそれほど気にも留めなかった。

「ショーちゃん、お茶飲んだら帰ってよね。私これでも忙しいんだから。」

もうすぐ電話が掛かってくるかもしれない。
キョーコには尚をかまっている場合ではないのだ。

「キョーコ、ちゃんと髪乾かせよな。」
「急に何?気持ち悪い事言わないでよ。」

風呂に入ってからそんなに時間がたっていないせいもあるが、タオルドライしかしていない為、髪は半乾きの状態だった。

「いいからタオル貸せよ。」
「いいわよ・・・で、何の話だっけ。」

そっけなく言葉を返す。
尚が優しい時は何かしら裏があるとキョーコは警戒する。
キョーコに彼氏が出来た話と何か関係があるのなら、なおさらさっさと話を終わらせ追い返したいところだ。

「実はなキョーコ・・・・・・。」
「な、なによ。急に改まって?」

急に真剣な顔になった尚にキョーコは身構える。
だが、尚の事だ・・・どうせろくな事じゃないのだろう。

「俺、前々からおまえに言おうと思ってたんだけど・・・・・・。」
「何よ?宿題なら見せてあげないからね。自分でやってよ。」

どうせ宿題か愚痴を言いにきたのだろうとキョーコはきっぱり断った。
だが、予想外に尚はキョーコに迫ってきた。

「そんなんじゃねぇよ。」
「だったら何なのよ?」
「実は俺・・・・。」

真剣な顔でそう言って、尚はさらにキョーコに近づいてくる。

「ちょっと、一体なんだって言うのよ。」
「・・・・好きなんだお前の・・・・・・。」
「何よそれ?」

最後の言葉か聞き取りにくかったが、キョーコはかろうじて口の動きで何が言いたいのか理解した。
その時、ちらりと尚がベットの下に視線を落とした。
キョーコもその視線の先を追う。
そこには、通話中のキョーコの携帯が隠すように置かれていた。
尚を突き飛ばし、慌てて携帯を拾い上げる。
だが、一歩遅くキョーコが話そうとしたが携帯は切れた。

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もうはなさない 13

2013/03/14 (木)  カテゴリー/もうはなさない

本当なら、バイトの日は毎回迎えに行きたい。

『女の子が夜遅い時間に帰宅するなんて危いだろ?だからバイト終わったら迎えに行くよ。』

そんな提案をした蓮だったが、キョーコにあっさり断られてしまった。

『敦賀さんが迎えに来てくれるのはうれしいんですけど、それじゃ私がバイトをしたって敦賀さんのガソリン代のほうが高く付くから駄目です。』

理由を聞けばその通りなのだが、蓮にしてみればキョーコに会う為の都合のいい理由に過ぎない。
だがキョーコに駅から家までは住宅街で街灯も付いていて明るく、帰宅時間は人もまだ多いから大丈夫だと言われ、あまりしつこく言うとウザがられるかも知れないと、仕方なく引き下がった。
その代わり帰ってきたらメールするように約束をした。
今日もバイトの為、いつもの時間よりも少し遅めに電話をしようと、先にシャワーを浴びていた蓮はキッチンに向かう途中で、リビングのテーブルに置いてあった携帯が光っているのに気づいた。
やはり相手はキョーコだった事に、表情をほころばせながら時間を確認する。
バイトから帰宅しても、洗濯物をたたんだり、明日のお弁当用にご飯を仕掛けたりとそれなりにやる事があると聞いていたので、大体メールを貰ってから折り返すのは1時間程してだった。

「そろそろ掛けても大丈夫かな?」

冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、一口飲みながらリビングに戻ると髪をタオルで乾かしつつ、手馴れた手つきでキョーコに電話をかけた。
近くにいないのか、なかなか繋がらない。

「まだ何かやってるのか・・・・?」

かけ直そうと思った矢先に電話が繋がった。

『もしもし・・・・』

だが、聞こえてきたのはキョーコの声ではなく無愛想な男の声だった。

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