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もうはなさない 12

2013/02/27 (水)  カテゴリー/もうはなさない

バイトから帰ってきたキョーコは疲れた体を癒すべく湯船に浸かる。
ちょっと贅沢に入浴剤を入れてみると、浴室にバラの香りが広がった。

「はぁ~今日も忙しかったぁ~。」

暫く浸かっていると脱衣所のほうからメールを知らせるメロディーが流れ始めた。
慌てて風呂から上がると携帯をチェックする。

「なんだ・・・・・お母さんからか・・・・。」

期待はずれの表示にがっくりしながら、内容を確認すると、相変わらず今日も仕事で遅くなるとの事だった。
そのまま着替えを済ませると、冷蔵庫から良く冷えた麦茶をコップに注ぎ込み部屋に戻ると一気の飲み干した。

「ふぅっ~、お風呂上りの麦茶は最高ね。」

空になったグラスを机の上に置き、ふと側にあったコルクボードに視線を移す。
コルクボードに張ってある奏江と写る写真を見ながら、キョーコはあの日の事を思い返す。 
奏江が尚にうっかり?キョーコに彼氏が出来た事を話してしまった後、尚は何も言わずにサッカーの輪の中に戻っていった。
だが、その動きはぎこちなくていつもしないようなミスを連発。
よほどの衝撃だったのだろうか。
奏江にもあの後、散々謝られた。

『ホントにごめん。あいつ、いぃぃぃぃぃぃっつも人の事見下してるじゃない。だから、ギャフンと言わせてやりたかったの。』

うな垂れるキョーコに奏江はもう一度謝った。

『言っちゃったものは仕方ないけど・・・もう言わないでよね。』
『判ってるって・・・・・でもさぁ、どうして彼氏が出来た事、不破には・・・ううん、みんなには内緒なの?』

普通彼氏が出来たのなら誰かに言いたくって仕方ないと思う。
奏江だって彼氏が出来たら嬉しくて速攻みんなに話すだろう。
なのに、キョーコは奏江以外には誰にも話していなかった。

『それは・・・・・・・ショーちゃんに言ったら絶対にバカにされそうだし、面白がって会わせろとかいいそうでしょ?そんな事になったら敦賀さんに迷惑がかかると思ったの・・・。』

そこまで言ってキョーコは言葉に詰まる。

『それは確かにそうかもしれないけど・・・・・・。』

尚ならそんな事言いそうだと納得するものの、他に疑問が浮かぶ。

『それじゃぁ、他の人にはどうして知られたくないの?』
『そ、それは・・・・』

言いにくそうに口を閉ざすキョーコに奏江が詰め寄った。

『何よ?はっきり言いなさいよ。』

奏江の剣幕にタジタジになりながら、キョーコは仕方なく白状した。

『その・・・・・付き合い始めたばっかりだから・・・・・・すぐに別れちゃったら恥ずかしいじゃない。』

その言葉に奏江は目を丸くする。
今から楽しい時期なのに別れることを考えているなんて・・・・・・・・。

『呆れた・・・・・・。そんな事考えてたの?敦賀さんの事好きじゃないの?』
『好きよ!?好きだけど・・・・・・・・・。』

その慌てようから本当に好きなのだろうという事は伝わってくる。

『だったら、何をそんなに悲観的なのよ?』
『だって・・・・・敦賀さんは私には勿体無いくらい素敵な人なんだもん・・・・・・。』

結局のろけなのかと冷やかそうかと思ったが、キョーコの表情は何処か悲しげで、奏江は茶化す事をやめた。

『ねぇ、写真とかないの?』

話だけではキョーコの彼氏がどんな人物なのかわからない。
もっと具体的に知りたいと、奏江はそう訊ねた。

『写真・・・・・そうだ、この前のデートの時に写メ撮ったんだった。』

キョーコは観覧車で撮った蓮の写真を奏江に見せる。
携帯を受け取った奏江は、どんな男かと興味津々で携帯に写る写真を見た。

『キョーコ・・・・・超かっこいいじゃない!?』
『でしょ。そんな人が私を好きだなんて夢みたいで・・・・・。』

確かに、キョーコが自信を持てないのも分かるような気がする。
これだけカッコイイ彼氏が出来たのなら自慢したい反面、別れた時のダメージも大きいだろう。
自信の無さがどこから来ているのかも大体想像出来るが・・・・・・。

『ねぇ、私は話しか聞いてないから、敦賀さんがどういう人なのか具体的には分からないけど、もう少し自分に自信持ったら?』

一番身近にいた異性に、散々色気がないだの地味だのと言われれば誰だって自信をなくすだろう。
それが、好きだった相手から言われ続けてきたのならなお更だ。
だが、奏江からみれば贔屓目なしにキョーコは可愛いと思う。
それを証拠に、キョーコにモーションを掛けてくる男子もちょいちょい居る。
ただ残念な事に、キョーコ本人が天然な為、その事にまったく気が付いていないのだ。

『大体さぁ、告白してきたのは向こうなんでしょ?どうしてそんなに不安なのよ?』
『だって、4つも年が離れてて、向こうの方が考え方も大人なんだもの。私なんてまだまだ子供だし・・・・私と敦賀さんとじゃ釣り合わないんじゃないかって思ったの。』

何度と無く、出掛けた時に店員さんに兄妹ですかと良く聞かれたり、カップルには見えないと言う周りの声が気になる事を奏江に話した。

『そんなの言わせておけばいいのよ。大事なのはキョーコが敦賀さんの事どう思ってるかだと思うけど?他人の目なんて気にする必要ないわよ。』

話を聞く限り、相手はキョーコの事を大事に思っている事は分かる。
キスを頬にしたのだって、誰かと付き合う事が初めてなキョーコに合わせての事なのだろう。
そこまで大事にしてくれる相手の事をもっと信じれば良いのにと奏江はキョーコを諭す。

『うん・・・・。敦賀さんにも付き合う前に似たような事言われた。周りの目なんでどうでもいいって。大事なのは自分がどう想ってるかだって・・・・・。』
『だったら、もっと自信持ちなさい。あんたは可愛いんだから大丈夫よ。この私が言うんだから、間違いないって。』

親友の励ましの言葉が嬉しくて、キョーコはただ頷いた。

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もうはなさない 11

2013/02/17 (日)  カテゴリー/もうはなさない

それは去年のクリスマス・・・・・。
誕生日だと言うのに、キョーコは特に予定もなかった為、その日もバイトを入れていた。
出かけようと外に出ると隣の家の門が開き、尚が出てきた。
ビシッとキメた尚はやっぱりカッコいいと思ってしまう。

『ショーちゃん、今からデート?』
『当たり前だろ。この俺がクリスマスに一人なんてありえないねぇ。』

ふんぞり返って偉そうに話す尚の姿をキョーコは複雑な思いで見ていた。

『そうだよね・・・・・・・・。』

こんな光景をもう何年見てきただろう。
幼い頃は一緒にパーティーをしていたのに、いつの間にかそんな事もなくなっていた。

『そう言うおまえは?』
『私はバイト。』
『おまえ・・・・・・寂しいやつだなぁ。』

同情するようなため息をつきながらキョーコを哀れむ。
その言葉を複雑な思い出受け止めながら、今なら胸のうちに秘めていた想いを冗談で言える気がした。

『そんな事言うんなら、ショーちゃんが私の彼氏になってくれればいいじゃない。』

一瞬の沈黙・・・・・・・その後尚は大爆笑した。
暫くお腹を押さえて笑いまくる。
その様子にキョーコはやはり自分が尚にとってどういう存在なのか嫌でも認識させられた。

――――― 私はショーちゃんからすればただの幼馴染・・・それだけの存在なのよね・・・・。

判っていたはずなのに、なんてバカな事を口走ったのだろうと後悔していると、涙を拭いながら尚は漸く笑いを収めた。

『キョーコ・・・・・・・おまえなぁ、俺を笑い死にさせたいのか?冗談はやめろよ・・・。俺がキョーコと付き合うなんてありえないだろ?おまえ俺の好み知ってるだろ?おまえみたいな地味で色気のない女・・・・・・俺とつりあわねぇだろうが。』

笑いながらデコピンされ、キョーコも笑いで返す。

『冗談に決まってるでしょ!?誰が尚ちゃんみたいな二重人格なんかと・・・・・・・。どうせ彼女の前ではカッコつけてるんでしょ?本当はお笑い好きでプリン好きのくせ・・ふがっ!?』

キョーコの言葉に慌てて、尚はキョーコの口を塞ぎ周りを見渡した。

『キ、キョーコ!?そんな事こんな公衆の面前で言うなよ。誰が聞いてるかわかんねぇだろうが!?』

周りに誰もいなかった事を確認すると漸く尚はキョーコから離れた。

『だって本当の事じゃない。』
『俺はいつもクールなイメージなんだよ。その俺がプリン好きなんて・・・・・・・・。言えるわけねぇだろうが。』

そんな話をしながら、気がつけば最寄の駅まで来ていた。

『それじゃ、俺はこっちだから。バイトがんばれよ。』
『うん。ショーちゃんもバレないようにしっかりね。』
『う、うるさい!?おまえも来年は高2なんだから、彼氏くらいつくれよな。』

キョーコの言葉に反論するように、尚はキョーコには痛い言葉を返す。
その言葉は受け止め、泣きそうになるのを笑顔で誤魔化した。

『それこそ大きなお世話よ!?』
『ま、おまえと付き合うなんて奇特な男・・・・・いたら見てみたいもんだな。それじゃあな。』

尚は軽く片手を挙げてキョーコとは反対のホームへと階段を上って行く。

――――― ショーちゃん・・・・わたし今日・・・誕生日なのよ・・・・・。

その後姿を見送りながらキョーコは心の中でそう呟いた。

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お知らせ

2013/02/14 (木)  カテゴリー/独り言

いつも訪問ありがとうございます(。◡‿◡。)
お話の他に、お礼や近況などをブログにUPしていましたが
話の途中にUPすると話の腰を折るようで邪魔かな?
とか、まとめて読む時に邪魔かな?←実際に読んでて自分で思いました^^; 
などと前々から思ってまして、今回思い切ってPIYOミニブログに
近況やお礼、UP情報などを書く事にしました。
サイドバーに『掲示板』として設置しましたので
時折そちらもチェックして頂けると幸いです。
このお知らせも数ヵ月後に削除する予定ですのであしからず・・・
それでは数日中に新しいお話をUPする予定にしていますので
もう暫くお待ちくださいませ(◡‿◡✿)ペコリ❤
 

もうはなさない 10

2013/02/07 (木)  カテゴリー/もうはなさない

天気がいいので、外でお昼ごはんを食べようと、キョーコは奏江と共に中庭にやって来た。
キョーコたちの他にも中庭には何グループか思い思いの場所でお弁当を広げている。

「あそこにしましょ。」

日当たりの良さそうな場所を見つけ、奏江はキョーコと共にその場所に座った。
キョーコがお弁当を広げると、すかさず奏江はいつものようにキョーコのお弁当をつまむ。

「あんたの作るお弁当って相変わらず美味しいわよね。将来いいお嫁さんになれるわよ。」
「あっ、モー子さん、また勝手におかず食べてるし!!」

奏江の冷やかしにキョーコは真っ赤になってポカポカと奏江をたたく。
それが照れ隠しと分かるだけに、微笑ましい。

「それにしても・・・・今回のテスト、キョーコのヤマが当たって良かったわ。」
「それは、モー子さんがちゃんと勉強してたからだよ。記憶力いいし。」

返ってきたテストは予想していたよりそこそこ良かった。
キョーコとテスト勉強をして、ポイントを教えてもらっていたからだと奏江はキョーコに感謝する。

「そういうあんたは今回も良かったんでしょ?」
「そんな事ないよ・・・・。数学と英語がイマイチだったんだ。」
「イマイチって、何点だったの?」
「数学が90点で英語が92点・・・・。もっとちゃんとやっとけば良かった。」

キョーコの言葉に、奏江は呆れて大げさに肩をすくめる。

「今のはれっきとした嫌味よ。特にあんたの幼馴染には言わないほうがいいわね。」
「どうして?」

自分では嫌味なんて言ったつもりはない。
でも、奏江にそういわれて小首を傾げた。

「あのねぇ・・・・90点台の時点で十分だと思うわよ。私なんて70点台取れれば物凄く良いほうだと思うけど?」
「そうなの?」
「そうなの。だから、あんたの幼馴染はきっと半分以下の点数だと思うから言わないほうがいいわよ。怒るとややこしいから。」

納得させるようにそう言いながら、奏江はもう一口キョーコの卵焼きをほお張った。
確かに、尚はいつもテストの点数は余りよくないようで、隣同士のキョーコの家にまで怒られる声が良く聞こえてくる。
尚曰く、『俺の人生、こんなテストなんかで量られたくないね。勉強なんて出来なくたって俺には輝ける未来がまってるんだよ!?』なんだそうだ。

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