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今年もありがとうございました

2012/12/30 (日)  カテゴリー/独り言

今年も残す所わずかとなりました。
今年は“もうはなさない6”で書き収めとさせて頂きます。
書き始めた当初より忙しくて年々UPする数が減ってしまっているのが現状ですが
いつも訪問してくださる皆様、駄文ながらも一年お付き合い頂きありがとうございました(。◡‿◡。)
来年も駄文ではございますがお付き合い頂けると嬉しく思います(◡‿◡✿)ペコリ❤

みなさま、良いお年をお過ごしくださいね♪

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もうはなさない 6

2012/12/29 (土)  カテゴリー/もうはなさない

バイトを終えたキョーコは、帰り支度を整えると客が少なくなった店内にいるふたりに声をかけた。

「大将、おかみさんお疲れ様でした。お先に失礼します。」
「キョーコちゃん、暗い夜道だから気をつけて帰るんだよ。」
「大丈夫ですよ。私を襲う物好きなんて早々いませんから。」
「そんな事言って、前に痴漢にあっただろう?なんかあったらすぐに電話して来い。」

おかみさんと大将にそう言われ、改めて心配してくれていることに胸がいっぱいになる。
キョーコが痴漢にあった日も、遅れる連絡を入れたとたん仕事中にも関わらず心配した大将がキョーコを迎えに来てくれたのだ。

「あの日はたまたま、心が弱ってたからよ。もうあんなヘマはしないわ。」

カバンにはちゃんと防犯ブザーを入れたあるし携帯もいつでもかけられるようにしてある。
それに、足には自信がある。
道なら走って逃げることが出来る。
裏口から出たキョーコは表通りに出て駅へと歩き始めた。
その直後、後ろから人の気配・・・・・・。
人通りは少なく、キョーコにも緊張が走る。
キョーコが少し早足で歩くと足音も早足になる。

――――― やっぱり、ついてきてる?

気のせいではないことを悟ったキョーコは何とかしようと路地を曲がる。
その足音も路地を曲がってきた。
確信を持ったキョーコはその足音の人物と対峙せんと、もうひとつ角を曲がったとこで待ち伏せる。
手には分厚い参考書が握られていた。
足音が角を曲がった瞬間・・・・・・。
キョーコは思いっきり参考書を相手めがけて投げつけた。

「ッ痛・・・・・。最上さんひどいなぁ・・・・・・。」

そこに現れたのは間違いなく蓮だった。

「敦賀さん!?」

参考書を受け取りながらキョーコは蓮に謝る。
まさか、蓮が後をつけてたなんて夢にも思わなかった。
店を出たのはずいぶん前だ。
なのにどうしてこんな時間にここにいるのか?

「最上さんともう一度話がしたくてバイト終わるの待ってたんだ。」
「すみません・・・・・てっきり変質者かと思って・・・・・・。」
「それで参考書で戦おうとしてたの?」

あまりにも無謀な武器に蓮は呆れる。
本当に変質者だったらこんなもので勝てるわけがない。

「本の角って意外と硬くて痛いから大丈夫かなって。」

エヘヘと笑う表情がなんとも可愛い。
変質者でなくとも、思わずギュッとしたくなる。
そうしないように蓮は腕組みをする。

「最上さん、今日はもう遅いからよかったら送ってくよ。」
「そんな、いいですよ。まだ、電車の時間もありますから・・・・。」

警戒しているのか本当に遠慮しているのか、キョーコは蓮の提案を断った。

「そうだよね、こんな時間まで待ってたら怪しいよね。ごめん、今日は帰るよ。」

通算3回しか会った事のない男の車にホイホイ乗るような娘でない事に安堵しながら、蓮は警戒されたくないという思いからあっさり引き下がった。

「別に怪しいなんて思ってませんよ。敦賀さんは私を助けてくれたし、それに社さんのお友達だし。」

疑うそぶりもなく、そう言って笑う。
確かに社と仲がいいが、それではまるで社の事だけ信用していると言われているようで面白くない。
だが、社は“だるまや”の常連客で出張に行ってはキョーコに良くお土産を渡しているらしく、キョーコも兄のように慕っていると先ほど店内で話していたので仕方ないのだが・・・。

「送ってもらうなんておこがましいですから・・・・・・。」
「俺が送って行きたいんだ。ダメかな?」

優しく笑ってそう言われれば断る事ができない。
それに、キョーコも少し話しをしたいと思っていた。

「それじゃ、お願いします。」

キョーコは蓮と共に車の止まっている駐車場へと向かった。

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もうはなさない 5

2012/12/18 (火)  カテゴリー/もうはなさない

ショッピングモールだけあって、いろんな店が並んでいる。
キョーコが行きたい店に、蓮はいやな顔一つせずに付き合ってくれた。
立ち寄ったアクセサリーショップで、鏡に映る自分を見てふと、あの時の事を思い出す。

「そう言えば敦賀さん、私の事憶えてませんでしたよね?一瞬、間があったし。」
「そんな事ないよ。髪切ってたから驚いたんだ。」

痴漢騒ぎの後、キョーコは髪を切った。
ずっとロングだったのだが、フラられた事と嫌な出来事があった事を忘れる為にばっさりとショートにした。

「こんなに短くしたの初めてで・・・・・。」
「でも、似合ってるよ。」

キョーコの髪に手を伸ばし、優しく撫ぜる。
その手の温もりにキョーコは益々ドキドキして、急に話をそらせた。

「そう言えば私、映画を観た後も号泣してましたよね・・・・・・。」
「そうそう、感動の余り涙が止まらなかったんだよね。」

今思い出しても恥ずかしい。
しかも、泣いている姿ばかり見せている気がする。

「だって・・・・・愛犬の最後を看取る主人公の気持ちを考えたら・・・・・・。思い出しただけで涙が出てきます。」

少し涙ぐむキョーコに蓮はハンカチを手渡した。
それを見たキョーコはさっきまで涙ぐんでいたのも忘れ、おかしくて笑い出す。

「最上さん?どうして笑うかな?」

急に笑い出すキョーコの姿に困惑気味に問いかける。

「だって・・・・・私の家に敦賀さんのハンカチが2枚あるんですよ。一体この後何枚増えるのかと思って。」

1度目は駅で、2度目は映画館で渡されたハンカチは返す事が出来なかった為、キョーコの宝物入れの中に大事にしまってある。

「今度、ハンカチ返しますね。」
「いいよ、返さなくても。記念に持っておいてくれたほうが俺は嬉しい。」
「そういうもんですか?」
「そういうもんだよ。」

小首を傾げて聞き返すキョーコに蓮は同じ言葉を返した。
たかだかハンカチかもしれないが、蓮にとってはキョーコに出会った証のハンカチ、出来れば持っていて欲しい。

「本当はあの時、携番かメルアドを聞こうかと思ってたんですけど・・・・・なんだか言い出せなくって。」
「それは俺もだよ。聞こうと思ってたけど結局、聞けないまま別れたよね。」

映画を観た後カフェでお茶をしながら、蓮は夕食に誘うつもりだったが、キョーコの母親が電話してきて今日のお詫びに夕食を食べる事になった為、言い出せないまま別れた。

「そんな事より最上さん、何か欲しい物とかなかったの?」

ずっと話をしながらウィンドショッピングをしているキョーコに蓮は訪ねた。
先ほどから、可愛いと言っては商品を置く。
キョーコにしてみれば、欲しい物なんて沢山ある。
でも、先立つ物がないのだ。
バイトはしているものの、ほとんど貯金にまわしている為自由に出来るお金が少ない。

「欲しい物はありますけど・・・・今月のお小遣いは敦賀さんとのデート代にとってあるので・・・・・・。」
「そんなの気にしなくてもいいのに。俺の方が年上だし・・・・それにこれでも一応働いてるからね。」

蓮は大学に行くかたわら、大学時代の先輩の社に誘われ小さい会社を立ち上げた。
俗に言うIT企業で営業は社が、技術面で蓮が携わっている為、パソコンさえあれば何処でも仕事は出来る。
仕事によって出向かなければいけない事もあるが、ほとんどは社が処理してくれていた。

「それって、社さんの会社の事ですか?」
「そうだよ。あの日も仕事がうまくいったお祝いに“だるまや”に行ったんだ。」
「そういえば社さんが嬉しそうにしてましたもんね。」

3度目に出会ったのはキョーコがバイトしている“だるまや”だった。

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もうはなさない 4

2012/12/06 (木)  カテゴリー/もうはなさない

少し遅い昼食をとる為、何を食べようか考えながら飲食街を歩く。
話題のスポットだけあって、いろんなお店が並んでいた。

「敦賀さん・・・・・本当にここでよかったんですか?」

手っ取り早く済ませようと、蓮が選んだのはハンバーガーショップだった。
目の前でハンバーガーを食べている蓮を見ながら、申し訳なく思ってしまう。

――――― パスタとかでも良かったのに・・・・。

そんなキョーコの心中を察したのだろうか?

「前にも一度、最上さんと一緒に食べたよね。」

蓮の言葉に、キョーコもその時の事を思い出した。

「・・・・・・そう言えば・・・・2度目に会った時に行きましたね。このチェーン店じゃなかったですけど。」
「あの時も最上さん、そうやって俺に謝ってたっけ。」
「だって、私が言い出したのにあんな事になっちゃって・・・・・・。」

ポテトをつまむ手を止めて、キョーコは俯いた。
思い出しただけでも恥ずかしい。

「あの時は、あまり時間もなくてサッと食べれる物ってアレしかなかったしね。それに、俺だってハンバーガーぐらい食べるよ。」

蓮もその時のことを思い出し、苦笑する。
2度目に会ったのは今年の2月だった。

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