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Master and Servant 54

2012/03/31 (土)  カテゴリー/Master and Servant 全62話完結

突然現れた矢崎の姿に、キョーコは蓮を庇いながら矢崎を睨みつけた。

「なぜこの場所が?」

キョーコの問いかけに、矢崎は簡単な事だと言いたげに笑みを浮かべる。

「お前が奪った無線機さ。こういう場合、無線機を持っていくのがセオリーだからな・・・。その無線機に発信機を付けておいたのさ。」

矢崎の言葉に、キョーコはとっさに自分の持っていた無線機を調べる。
電池カバーの内側に小型の発信機を見つけた。
こんな小細工を見抜けなかった自分はガードとして未熟なのだと思い知らされる。

「がっかりする事はない。俺の方がキャリアが上だってだけの事さ。」

矢崎の言葉が口惜しい。
だが、言い争った所で無駄な事はわかっている。

「蓮様、邪魔ですからその木の陰にでも隠れててください。」
「邪魔って・・・・。」

確かに、此処に立っていても狙ってくれと言っている様なものだろう。

「私の事を信用してくれてるんですよね。」
「もちろんしてるさ。でもこの場合1人より2人だろ?」

蓮の言葉にキョーコは首を横に振った。

「あなたが表立って居られると集中できないんです。私はあなたを守ります・・・今度こそ必ず・・・・だから大人しく守られてください。」

キャリアが上だろうがなんだろうが、ガードとしてこの戦い負ける訳にはいかないのだろう。
本気でやらなければやられてしまう。
それに、これはキョーコの取ってもリベンジなのだろう。
幼さゆえに、守りきれなかったあの日の屈辱を、今晴らそうとしているのかもしれない。

「主にそんな口を聞いてもいいのか?」

矢崎の嫌味な言葉に、キョーコは反論する。

「蓮様は私の主じゃないわ。」
「ならば何故主でもない男を守る必要がある?」
「それは・・・・。」

言いよどむキョーコだったが、一呼吸すると覚悟を決めたように矢崎を見据えた。

「好きな人を守りたい、ただそれだけよ。」

そう言いながら指輪から剣を取り出し身構えた。

「あの時は子供だったから守れなかった・・・・・でも、今は違う。私は今度こそ守ってみせる!!」

そう叫び、キョーコは矢崎に向かって一振り下ろす。
寸での所でよけた矢崎も、銃ではなく潜ませていた刀で応戦する。
そんな2人の戦いに、蓮は介入する隙すらない。
プロ同士の戦い。
暗闇の中でこれだけ動ける2人の姿に、蓮は自分の無力さを感じる。

『いいですか、蓮様の仕事は私達に守られる事なんです。それなのに一緒に戦おうとするなんて、私達からすれば“仕事を取るな、ふざけんな!!”ですよ。』

いつだったか、キョーコにそう言って怒られた事があった。
主を無事に守り通す事こそ、仕事なのだと言っていたキョーコの言葉を何故か今思い出した。

「キョーコ・・・・。」

今キョーコは“仕事”では無く、好きな人を守る為に戦うと言ってくれた。 
ならば自分に出来る事はキョーコの足手まといにならないようにする事。
そう考えた蓮は、今の自分に何が出来るのか考えていた。

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Master and Servant 53

2012/03/17 (土)  カテゴリー/Master and Servant 全62話完結

そっと開けた扉の外には、見張りが2人・・・。
すばやくひとりを倒すと銃を構えたもうひとりを蓮が倒す。
その手際のよさにキョーコは恨めしげに蓮を見た。   

「私の仕事とらないでくださいよ。」

そう愚痴りながら犯人をロープで括り、口にテープを貼ると部屋に押し込む。
こんな事で怒られると思わなかった蓮は苦笑しながら謝った。

「それにしても、こんなに弱いんなら屋敷で片付けられましたね。銃もろくに扱えないなんて・・・。」

見張りの割には攻撃の動きも遅く打撃に弱い。
銃を持っているだけで、安全装置も外さず撃とうとする所はまさに素人。
矢崎は何も教えてないのかと、ずさんな誘拐計画に小首を傾げる。

「まぁ、うちに恨みのある人間ばかりらしいから・・・元社長とか、社員とか・・・。」

言いながら蓮は先ほど矢崎と話した事を思い出していた。
未遂に終わった事件の再燃を企てている事を、キョーコに話しておくべきなのだろうか。

「だとしても、銃の扱い方くらいは教えるでしょう・・・。まったく、訳がわかりません。」

不可解だと言いながら、キョーコは部屋を出るとゆっくりと階段に向かう。
蓮もその後を追い、音が出ないようにそっと階段を下りた。
もうそろそろ定期連絡の時間。
明かりの付いた部屋の前を慎重に通り過ぎると、キョーコは台所の扉を開けた。

「此処から外に出ましょう。」

冷蔵庫から水のペットボトルを失敬したキョーコは勝手口からそっと外に出ると外壁越しに様子を伺いう。

「!?」

屋敷の角を曲がった所で、見張りと鉢合わせしてしまった。

「誰か!?人質が逃げた・・ぐっ・・・。」

叫ぶ見張りを気絶させると急いで倒した見張りのポケットをあちこち探る。

「キョーコ、さっきから一体何をしてるの?」

見張りを倒すたびに、懐を探る不可解な行動に、蓮は小声で問いかける。

「鍵です。車の鍵・・・もし持っていたら徒歩で山下りしなくて良いと思って・・・今の車ってセキュリティ掛かってるから、むやみにこじ開けられないんですよね・・・・・やっぱり持ってないか・・・・。」

此処に連れてこられた時、車は2台あった。
1台はきっと矢崎が持っていると見て間違いないだろう。
もう1台の鍵さえ手に入ればと思ったのだが、今まで倒した見張り達は持ってはいなかった。

「蓮様、こっちに・・・・。」

声を聞きつけて駆けつけた見張りに見つからないよう、先ほど倒した見張りと共に茂みへと蓮を引っ張り込む。
無線でも2人が逃げた事を告げていた。

「居たか?」

何人かの足音と共に、話し声が聞こえていたが、しばらくして無線の呼びかけに全員戻っていった。

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