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Master and Servant 46

2011/11/22 (火)  カテゴリー/Master and Servant 全62話完結

部屋に戻ったキョーコは勤務日誌を書き終え、早々に休もうとバスルームに足を向けた。
体を洗いながら、ふと自分の背中を鏡に写す。
湯気で曇り始めた鏡に映る背中には斜めに一筋の傷跡が映し出されていた。

「会長に頼んで傷を綺麗にしてもらわなくちゃ・・・・・。」

傷跡を残さないように出来ると何度か言われたが、キョーコはそれを断ってきた。
それは弱かった自分への戒めと、もう一度“彼”に出会う為の願掛けのような物だった。
ある意味では願いは叶ったといって良いだろう。
どんな形にしろ、“彼”に出会うことは出来たのだ。

「あれ・・・・・どうして視界が・・・・ぼやけて見えるんだろ・・・・・・。」

シャワーのお湯を顔にかけてもかけても、そのぼやけはなくならない。

「・・・・無事だっただけで良かったじゃない・・・・・。良かったじゃ・・・・な・・・・い・・。」

こみ上げてくる感情を抑えられず、キョーコはそのまましゃがみ込むと暫く泣き続けた。
今までの出来事が走馬灯のように頭の中で駆け巡る。

「私・・・・蓮様の事ぶっちゃったし・・・・・失礼な事もいっぱい言ったし・・・・・・怒鳴ったりもしたし・・・・だめだなぁ・・・。」

“彼”に対してだったら絶対にそんな事はしないだろう。
それを蓮に対して、普通に行っていた事にキョーコは激しく落ち込む。

「知らないって・・・・恐ろしい・・・・・・・・・・。」

涙をぬぐって、そのまま曇った鏡を手でこすると、キョーコは鏡の向こうに映った自分の顔を見た。

「神様は意地悪よね・・・・・・。」

“彼”が見つかりその“彼”の所に行けば、密かに想い続けても許されると思っていた。
それなのに・・・・自分が生涯の主と決めた“彼”こそがその想い人だったなんてが・・・・。

「私・・・ガード失格ね・・・。」

主と決めた相手に想いを寄せる事などあってはならない。
そのあってはならない想いを寄せてしまったのだ。
タオルで髪を乾かしながらキョーコは風呂から上がると小さな冷蔵庫を開けた。
水に手を伸ばしかけたキョーコは、極まれにしか飲まないアルコールの缶に手を伸ばす。
いつ緊急事態になるかもわからない為、アルコールは控えてきた。

「今日くらい飲まないとやってられないわよ。」

プルトップをあげると、プシュっと気持ち炭酸の抜ける音がする。
キョーコは一気にアルコールを喉に流し込んだ。

「はぁ・・・・・・本当にこれからどうしよう・・・・・・。」

蓮に想いを抱いたままで、いつまでも側に入られない。
この想いが誰かに気づかれる前に離れなくては・・・・・。
そんな事を考えていると酔えそうもない。

「とにかく・・・・契約期限いっぱいはここに居るとして・・・・次の更新は断らなくちゃ・・・・。」

何か正当な理由でなければ蓮は納得しないかもしれない。
だが、何も良い案は浮かばない・・・・・。

「まだ時間はあるし・・・・・・・。」

キョーコはベットに入ると考えると事をやめ目を閉じた。

「こんな時間に誰よ・・・・・。」

うとうとして来た頃・・・キョーコは携帯の着信音で目を覚ました。
まさか蓮からの嫌がらせ?などと考えながら着信画面を見たキョーコは顔色を変えた。

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Master and Servant 45

2011/11/10 (木)  カテゴリー/Master and Servant 全62話完結

風貌は違えど、今キョーコの前に居るのがずっと探していた相手だった事に、キョーコは熱いものがこみ上げそうになるのをグッと堪えていた。

「キョーコ?」

蓮の声に、キョーコはハッと我に返った。
心配そうに自分を伺う蓮の姿を視界に捕らえ、キョーコは慌てて聞き返す。

「な、何ですか?」
「何って・・・キョーコの動きが止まってるからどうしたのかと思って。」

その言葉で、キョーコは自分が考え事をしていた為、薬を塗る手を止めていた事に気づいた。

「す、すいません。」

慌てて手当てを再開したキョーコは、ぼんやりしていた事を聞かれる前にと、誤魔化すように話し始めた。

「蓮様・・・・今日は・・・その・・・・・庇っていただいてありがとうございました。」

いつものキョーコなら、開口一番蓮が自分を庇った事を怒るはずだ。
怒られるのを覚悟していたのに、お礼を言われ拍子抜けする。

「怒らないの?」
「怒るって・・・・どうして私が蓮様に怒るんですか?私のせいで怪我をさせたのに・・・・感謝こそすれ怒るなんてありえませんよ。」

傷口にガーゼを宛がいその上から透明なフィルムを貼る。
LMEで開発された医療用のフィルムは、伸縮自在で固定した傷口を水からも守る優れもの。

「この素材も飛鷹君が開発したんですよ。若いのに凄いですよね。」

あれで生意気じゃなきゃいいんですけどね、などと言う言葉は蓮の耳には届いていない。

「飛鷹は幼い頃から天才と呼ばれて・・・そのせいで散々な目に合わされてきた事もあっただろうに・・・逃げる事なく自分の道を見つけて・・・・・・・彼は凄いよ・・・。」

まるで独り言のように呟く蓮の言葉をキョーコは黙って聞いていた。
それはきっと昔の自分と照らし合わせているのだろう。
キョーコは思い切って聞いてみようかと悩む。
だが、宝田と約束した事もありやはり何も聞けなかった。

――――― もう・・・考えるのはやめよう・・・・。既に社さんがガードになってるんだもん。今更私がそんな事聞いても誰も特なんてしないわ。私が諦めればいいだけの話なんだから・・・・。

取り替えたガーゼや薬を片付け、飲み薬を取り出すと備え付けの冷蔵庫からペットボトルとグラスを取り出し薬と一緒にテーブルの上に置いく。

「痛み止め貰ってますから、飲んでくださいね。数日は傷のせいで熱も出るかもしれないので解熱剤ももらってますから。」
「ああ・・・ありがとう。」

シャツに腕を通し、蓮は薬を飲みながら話すべきか否か考えていた。
もし、今自分がキョーコの探し人だと名乗ったら、一体キョーコはどうするだろう。
どうして黙っていたのかと怒るかもしれない。
もしかしたら呆れてガードをやめると言い出だすかもしれない。
どう話を切り出していいものかと悩むばかりで話すきっかけも掴めない。
そんな事を考えているうちに、キョーコは部屋の片隅にある小さな簡易キッチンでグラスを洗い終えると蓮に挨拶を済ませ扉を開けた。
そして、思い出したかのように振り返った。

「蓮さま・・・・私、もう“彼”を探すのやめる事にしました。今まで探してもらってありがとうございました。」

キョーコは深々と頭を下げる。
その言葉に蓮は驚きを隠しきれない。

「どうして突然やめるなんて!?」

少し声を荒げた蓮を不思議そうに見返す。

「どうしてって・・・・私はもう・・・夢を追うのはやめたんです。」

きっぱりと言い切ったキョーコの瞳に嘘は見受けられない。
蓮はそれ以上何も言えなかった。
キョーコが出て行った扉を見つめ、蓮は深いため息を付く。

『本当は早くそうするべきだったんです。あれから十数年、もし仮に見つかったとしても、もしかしたら既にもう決まったガードが居るかも知れません。だとしたら、見つけても意味ないですからね。』

笑いながらそう言ったキョーコの言葉が胸の中で渦巻く。

「キョーコは・・・本当に“彼”について何も聞かされてないのか?」

まるで何もかも知っているような口ぶりが引っかかる。
今まで何年もかけて探していたのに、急にやめた理由が釈然としない。

「どうして今なんだ・・・・どうして今更・・・・・・。」

病室で宝田と話した時、宝田はその事について何も言わなかった。
もし、キョーコが宝田に尋ね、その相手が誰であるか解ったなら真っ先に責めに来てもおかしくはない。

「だからって・・・面と向かって言われても困るけど・・・・・。」

自分が名乗り出ていない以上、キョーコに何も意見する権限などない。
それでもこのタイミングでの“探す事をやめる”宣言に蓮は困惑していた。
キョーコがまるで自分から離れていくようで堪らない。
自分だけど自分ではない“彼”の事を諦めるといったキョーコの言葉に蓮は深く落ち込んだ。

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近況?お詫び?

2011/11/07 (月)  カテゴリー/独り言

皆様、随分ご無沙汰しております(;´д`)

いつも続きを楽しみに、来てくださっている皆様には、本当に申し訳なく思ってます(Ծ﹏Ծ )
11月に入ったので、久しぶりに近況などを・・・・
私の近況はいから、早く続きをUPしろ~って声が聞こえてきそうですが・・・・。

先月は2作しかUPできませんでした。
それと言うのも・・・・
友達が入院しまして、どうも悪性の腫瘍かもしれないとの事で、心配で何も手に付かない状態が続いていました。
悪性なら余命数年とか、そういった類のものだったので手術をしてみて細胞を検査するまで、結果が分からないと言われたそうです。
本人もでしょうが、私も心配で心配でたまりませんでした。
手術の結果は良性でした。
それを聞いた時、本当に嬉しかったです。
それと同時に、もし自分がなったら?
そう思うと、今のうちにやりたい事はやっておかなくちゃと改めて思いました。

病気はいつ発病するか誰にも分かりません。
皆さんも健康診断など受けて、お身体ご自愛くださいね。


そんな訳で、今月からがんばって書きます。
一応、先は見えてきたのですが・・・私の悪い癖でどんどん複雑な話にしたがる傾向があるかと思います。
なんだか捻りすぎ?懲りすぎ?な性分なんだと思います。
それにくわえて、PCの調子の悪さが否めず、書いたものが突然消えたりと私のやる気が激減したりしています。
本当は今年いっぱいで終わる予定だったのに・・・・。
もっとペースを上げて書かなくちゃ無理ですよねぇ(;´д`)

いつも拍手をくれる皆様。
そして、コメントや感想をくれる皆様。
とても励みになりますので、これからも宜しくお願いします(◡‿◡✿)ペコリ❤
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