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Master and Servant 44

2011/10/26 (水)  カテゴリー/Master and Servant 全62話完結

長い一日がようやく終わろうとしていた。
いつもなら、屋敷の見回りをすれば1日の仕事は終了する。
だが今日はもうひとつ仕事をする為、キョーコは重い足取りで蓮の元へと向かった。

「蓮様、包帯取り替えますからシャツを脱いでください。」

救急箱と処方された薬を手に、蓮の部屋をノックしたキョーコは、部屋に入るなりそう言った。

「キョーコ・・・・顔が怖い・・・・。」

服を脱げといえば、きっと蓮にからかわれると思ったキョーコは、これでもかと言うくらい無表情だった。

「顔が怖いって失礼ですね。これが真顔なんです。」

怒りながら部屋に入ると蓮に座るように促す。
冗談を言える雰囲気でもなさそうなので、蓮は何も言い返さず椅子に座った。
腰掛けた蓮の包帯を解くと宛がわれているガーゼを外す。
あらわになった火傷の後が痛々しい。
キョーコは病院で教わった通りに傷口を消毒し、火傷の薬を塗りこむ。
手当てをしながら、今日宝田と話した事を思い返していた。

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Master and Servant 43

2011/10/08 (土)  カテゴリー/Master and Servant 全62話完結

父と共に訪れた屋敷の庭園で、その少女は泣いていた。
母親によってこの屋敷に預けられ、厳しく辛い護衛の訓練を受け、きつい日や寂しい時は誰にも見られ無い様にこの庭園の隅で泣いているのだと、涙をぬぐって笑っいながらそう話してくれた。
まだ母親に甘えたい年頃だろうに、自分は立派な護衛になりたいと夢を話す彼女の言葉に、自分より年下なのに、しっかりと自分を見失わずに生きているその姿が、とても眩しく思えた。
屋敷に滞在する短い間ではあったが、時間の許すかぎり彼女といろんな事を話した。
そんなある日、いつものように庭園で2人で話をしている時だった。
突然現れた男は何かを言いながらこちらに近づいてくる。
その手にはナイフが握られていた。
そのまま自分に向かって振り下ろされるナイフ。
切られると思った瞬間、少女に突き飛ばされうように庇われ、そのまま彼女は自分の代わりに背中を切りつけられていた。
叫び声ひとつ出さない少女は、早く逃げるようにと言いながら、自分よりはるかに大きい男に立ち向かう。
その背中から鮮血が流れ落ちていた。
とにかく誰か呼んでこなくては・・・・だが、このまま少女を置き去りには出来ない。
そんな一瞬の思いの間に、駆けつけた大人たちにより、その男は捕らえられた。
安堵からか、そのまま意識を失った。

「蓮、蓮!?」

呼ばれる声に意識を浮上する。
目を覚ますと、そこは庭園ではなくどこかの病室だった。

「彼女は?彼女は無事なんですか?」

突然起き上がりそう叫んだものの、肩の痛みに顔をゆがめる。
そして、先ほどの出来事が夢であった事を悟った。

「蓮、大丈夫か?ずいぶん魘されていたようだけど。」

心配そうな社の表情に苦笑して、蓮は一呼吸した。

「大丈夫です。ちょっと・・・・懐かしい夢を見てました・・・・とても懐かしくて・・・・。」

――――― 絶対に忘れてはいけない・・・・・・。

何か考え込むように黙り込む蓮に、社は逸美を黒崎に送らせ、後の事は宝田の力により終息した事を話した。

「そうですか・・・・・それで、キョーコは?」

先ほどから姿が見当たらない。
夢のせいでもあるが、キョーコの無事を確認しないと落ち着かない。

「キョーコちゃんなら、お前の薬をもらいに行ってるよ・・・・・。でも・・・ちょっと遅いな・・・薬局混んでるの・・・・。」

コンコン
扉をノックする音に、社の言葉は遮られた。

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