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今年もありがとうございました

2010/12/31 (金)  カテゴリー/独り言

漸く、大掃除?のような物も終わりましたε= (++ )
rikoは今から、実家に帰ってきたいと思います。
今年は引越したので、以前よりも実家に近くなったので、のんびり帰省できます(^□^)

今年1年“Kurokuma Cafe”に遊びに来ていただきありがとうございました。
来年も、がんばって創作できたら良いなぁ~なんて思ってます。
なので引き続き、ご贔屓の程よろしくお願いしますヾ(≧▽≦)〃

それでは皆様、良いお年を・・・・・・・m(_ _)m 
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Master and Servant 10

2010/12/30 (木)  カテゴリー/Master and Servant 全62話完結

パーティー会場に入るや否や、大勢の婦人方にあっという間に囲まれてしまった。
さすがは敦賀財閥の総帥。
キョーコはどうする事もできず、只蓮のとなりで終始笑顔を作っていた。
しかし、仕事はかっちりしなければ。
群がる人に紛れ、何かを企むやからもいるかもしれない。
社も距離を保ちながら、様子を伺っている。
そうこうしている間に、会場内の電気がすべて消えた。
キョーコは蓮に何かあっては大変と、蓮の腕を取る。

「キョーコ、暗闇で積極的だね。」

小声で息がかかる距離で耳元で蓮にそう囁かれる。
キョーコだって、好きで蓮の腕を取っている訳ではない。

「仕事なんです。明るくなったら放しますから。」
「別に明るくなっても、このままでいいのに・・・・・。」

蓮の言葉を無視して、キョーコは黙り込んだ。
ステージにスポットライトが当たり、司会者に紹介され今回の主催者が舞台に上がると拍手が起こった。
パーティーが始まり、蓮の周りには財界、政界、芸能界などさまざまな著名人が挨拶に訪れる。
それを優雅に、キョーコに言わせれば嘘つき紳士スマイルで交わしていく。

「ところで、こちらのお嬢さんは?」

誰かの一言で、みんな気になっていたのか一斉にキョーコに注目した。
興味本位と嫉妬に満ちた好機の目で見られ、キョーコは針のむしろに座っている気分になる。
しかし、蓮はなんとは無いと云った風でキョーコを紹介し始めた。

「彼女は、敦賀の遠縁にあたる方のお嬢さんなんです。今回初めてこういった場所に来たので俺にベッタリなんですよ。ね、美緒。」
「は、はい。初めまして・・・・・・・美緒です。」

そう云って、恥ずかしそうに蓮の後ろに隠れる。
その行動が初々しく可愛かったのか、その場にいた誰もが和んでいた。
蓮の遠縁のお嬢さんというだけで、男性陣も敦賀の家にあやかりたいとキョーコに話しかようとするが、蓮がことごとく睨みを利かせる。
女性陣も、キョーコが蓮の特定の女性でなかった事に胸を撫ぜおろしていた。
ステージでは、お祝いのスピーチが続いている。

「美緒、何か食べる?」

言われてみれば、ここに来る準備に時間が掛かり何も食べていなかった。
でも、こんな所で任務も忘れて食べる訳にもいかない。

「・・・・・・いえ、いいです。」
「どうして?おなか空いてないの?」
「空きましたけど・・・・・・・・。」

その言葉に、蓮はお皿をとり適当にオードブルを盛り付けていく。
そして、キョーコの前に差し出した。

「お嬢様、どうぞ召し上がれ。」
「でも、蓮が食べてないのに、私が食べるなんて・・・・・・。」
「それじゃ、毒味でもしてもらおうかな?」

冗談めかしにそう言いながら、フォークにローストビーフを刺し、キョーコの口元に持ってくる。
蓮にここまでさせて、食べない訳には行かない。
キョーコは思い切って口を開け、ローストビーフをほお張った。

「お、おいしぃ~~~。」
「それは良かった。」

美味しそうに食べるキョーコを楽しそうに見ながら、蓮はキョーコにもう一口食べさせようとした。
が、キョーコはそれを拒んだ。
周りの視線が突き刺さる事に気づいたから・・・・・・。
天下の敦賀財閥の総帥に食べさせてもらうなんて事をしてもらっている遠縁の少女。
みんな好奇の目で見ている。
しかし、蓮は気にする様子もなく、なおもキョーコに食べさせようとする。
その時、司会者が蓮の名を呼び、仕方なくキョーコにお皿わ渡すと、近くにいた社にキョーコを任せステージに上がっていった。

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Master and Servant 9

2010/12/24 (金)  カテゴリー/Master and Servant 全62話完結

いつも蓮が仕事をしている時間、キョーコはメイドの仕事をしている。
屋敷の掃除からクリーニングの手配まで、何かと仕事はある。
だが、今日は珍しく昼から仕事部屋に呼ばれていた。

「お呼びでしょうか、蓮様。」

扉を閉め、主に向き直り丁寧に頭を下げる。
人との関わりを嫌う蓮は、会長職なだけに会社には行かず屋敷から仕事の指示をだす。
その為、なにかトラブルがない限り会社に顔を出すことはない。
例外といえば、大事な交渉事かどうしても断れない接待など。

「夕方から出かけるから準備しといてくれるかな。」
「準備?ですか。」

ただのボディーガードなのに、一体なんの準備をしろと言うのか。
キョーコは怪訝な顔で、聞き返す。

「今日は取引先のパーティーがあるんだ。着替えは用意してあるから。」

そう言って、不気味なくらいにっこり笑う。
その微笑に何か嫌な予感が過ぎる。

「でも・・・・私はガードですから、スーツでいいんじゃ・・・・・。」

キョーコはやんわりと断りを入れる。
だが、蓮は譲るつもりはないらしく、いろんな理由をつけ断るキョーコの言葉を無視して部屋を追い出された。
主の言う事は絶対・・・・・・。
仕方なく、キョーコは夕方までにやるべき仕事をやり終え、指定された部屋に向かった。

「この部屋・・・よね?」

煌びやかな衣装の数々と、いくつもの装飾品や小物、靴などが部屋一杯に所狭しと置かれていた。

「あなたがキョーコちゃん?」

出迎えてくれたのは、小柄な女性だった。

「はい・・・・。あの・・こちらで今日のパーティーの衣装に着替えるように言われたんですけど・・・・。」

まさか、誰かいるとは思わなかった。
ただ単に、着替えて終わりだとばかり思っていたのに。

「そうよ。私があなたに魔法を掛ける為に呼ばれたの。」
「魔法・・・ですか?」

戸惑うキョーコに彼女はにっこりと笑った。

「私の名前はジェリー・ウッズあなたの人生を5分で変えてあげる。」

そう言いながら、彼女はキョーコにケープを被せた。

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Master and Servant 8

2010/12/19 (日)  カテゴリー/Master and Servant 全62話完結

刺客と対峙していると、不意に部屋の扉が開いた。

「キョーコちゃん!?」

社の声にキョーコは刺客の肩越しに蓮の姿を確認する。
その刹那、キョーコの頬に刺客のナイフが触れた。
頬に紅い雫が滲み出るが、キョーコは拭う事無く刺客を睨みつける。
それを見た蓮は刺客の方に向かってゆっくりと歩きだした。
驚いた社は蓮を止めるが、聞いてはくれない。

「何やってるんですか!!社さん、蓮様を早く!?」

社に向かってそう叫ぶが、狙われている本人が、ノコノコこちらにやって来る。
その声に、男はキョーコに背を向け、蓮に向き直りナイフを振り上げ蓮に向かっていく。
蓮は自分に向かって振り上げらたナイフを持つ手を捻り上げ、ナイフを落とすと男をその場にねじ伏せた。

「キョーコ、大丈夫だった?」

社に倒した刺客を預け、心配そうに近付いてくる蓮にキョーコは拳を握り締めた。

「私の心配なんてどうだっていいんです。あなたに何かあったらどうするんですか!!」

怒りに満ちた声で、キョーコは蓮を見る。
だが、蓮は大した事はないとばかりに方をすくめて見せる。

「これでも少しは護衛の訓練受けたし、それなりに武術も習ってるから大丈・・・・・。」

蓮が言葉を言い終わらないうちに、気持ち良いくらい頬を打つ音が廊下に響く。

「大将が戦場をウロウロと・・・・・・・あなたは守られるべき人なんです!?どうして自ら危険に身をさらすんですか!!」

キョーコは憤慨する。
守るはずの相手に守られた事への憤りと、己の力の無さを痛感する。

「キョーコちゃん・・・・・・・とりあえず手当てするから行こうか。」

刺客を縛り上げ、どこかに連絡していた社がキョーコをその場から連れ出してくれた。

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Master and Servant 7

2010/12/14 (火)  カテゴリー/Master and Servant 全62話完結

キョーコがワゴンを押しながらキッチンに向かう途中、警報機がけたたましく鳴り響く。
これは蓮の悪戯でもなんでもなく、本物の警報。
ワゴンを押したままキョーコは主の元へと急ぐ。
その時、ガラスが割れる音と共に刺客が4人転がり込んできた。
キョーコは、慌てて臨戦態勢に入る。
こんなメイド姿で果たして戦えるのだろうか?
刺客は銃を取り出し、一斉にキョーコに向けて発射してきた。
しかし、余りに下手なのか、キョーコが機敏なのか弾は当たらない。

――――― こんなので刺客だなんて・・・・・・・まずは腕を上げてから来て欲しいわ。

トレイを片手にナイフを投げ、まず一人目の銃を落とすと気絶させる。
息つく暇もなく、2人目がキョーコに向かって銃を撃ってきた。
その弾丸を、キョーコはトレイで防ぐとそのまま刺客に向かってトレイをブーメランのように投げる。
だが、トレイは空を切りながら刺客の後ろに飛んでいった。

「あ~あ・・・・・失敗しちゃった。」

そう言いつつ、余裕の表情でワゴンを刺客に向かって押し放つ。
勢いをつけたワゴンは2人目の刺客とぶつかり、刺客共々横転した。
すかさず、馬乗りになり急所を突いて気絶させる。

――――― 後、2人・・・・・・・蓮様達は大丈夫かしら・・・・・・でも、社さんがいるから大丈夫か。

そう思いつつ、先ほど投げたトレイを拾い上げると、向かってきた刺客にもう一度トレイを投げつけた。
今度は近い距離だった事もあり、見事みぞおちに当たり刺客は苦しくてその場に蹲る。

「さすがに、戦闘用に作ったトレイは効くでしょ?薄いけど結構重いのよこれ・・・・。投げるのも大変なんだから。」

冗談めかしにそう言いつつ、とどめを刺す。

「これで、残ってるのはあなただけよ。」

刺客に向かってキョーコはにっこり笑ってそう言い放った。

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Master and Servant 6

2010/12/10 (金)  カテゴリー/Master and Servant 全62話完結

この屋敷に来て2ヶ月が過ぎようとしていた。
キョーコは蓮のボディーガードだが、屋敷ではメイドとして働いていた。
この屋敷は、本当に限られた人しか雇っていない為、ガードをしながらメイドの仕事もこなす。
今日も蓮の昼食を作る為、台所に立っていた。

「ボディーガードなのに、悪いわね。キョーコちゃん。」

キョーコの横に立ち、夕食の下ごしらえをしていたおかみさんが声を掛けてくれた。
おかみさんは夫婦で昔から敦賀家の台所を任されている。
先代が別宅に隠居した為、旦那さんはそちらに、おかみさんは夕食だけ作りに来ている。

「本当は私が作らなくちゃいけないんだけど・・・・・・。」
「いいんですよ。私が言い出した事ですから。」

そもそも、おかみさんが朝食と昼食を作らなくなったのには理由があった。
最初は朝食も昼食もちゃんと作っていた。
だが、仕事の都合で忙しくて食べられない事があった為、申し訳ないという理由で蓮が断ったのだ。
社はと言えば、黒崎が買ってくるコンビニ弁当やおにぎりなどを一緒に食べていたらしい。
それを聞いたキョーコが蓮を一喝したのだ。

「ご飯を抜くなんて、不健康です!?健康管理もできないなんて会社のトップに立つ人間として失格ですよ!?」
「いや・・・・・・でも、お腹すいてないし・・・・・食べてる時間が・・・・・・。」

蓮が叱られているのを、社は他人事のように遠くで微笑ましく眺めていた。
今まで、蓮をああやって叱る人物はいなかったから、物凄く新鮮だ。

「社さん、いつもこうなんですか?」

そんな暢気な社にもキョーコの怒りの矛先は向けられた。

「ま、まあ・・・・・・・大抵は食ってないと言うか・・・・・・・・・・。」
「そんな事じゃ、いざと言う時どうするんですか!?襲われた時、守りきれないじゃないですか!?」

キョーコの剣幕に蓮はタジタジになりながらも、なんとか応戦する。
それはまるで、悪い事を見つけて怒る親と、ヘリクツで逃れる子供のような会話。

「別に、いつも座ってるだけで体力も使ってないし・・・・・・・。」
「脳に糖分を摂らないと、頭回らないんですよ。そんなんじゃ、いい判断だって出来ないじゃないですか!?」
「糖分なら、コーヒーで・・・・・・・。」
「コーヒーはいつもブラックじゃないですか!?」
「・・・・・・・・・・社さん。」

堪り兼ねた蓮が社に助けを求める。
が、こうなってしまってキョーコを誰も止めることは出来ない。

「だったら、キョーコちゃんがお昼ご飯作ればいいんじゃないの?さすがの蓮も、キョーコちゃんが作った物を無下に出来ないだろうし。」
「や、社さん!?そうじゃなくって・・・・・・・。」
「そうですね。それじゃ、私今日から朝食と昼食を作る事にします。」

そう言いながら、意気揚々と部屋から出て行った。

「社さん・・・・・・・・・余計な事を。」
「蓮、確かにキョーコちゃんの言ってる事も一理あるぞ!!襲われた時に、体調悪かったらそのデカイずう体誰が支えると思ってんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「それに、キョーコちゃんの料理は美味いから大丈夫だよ。」
「そう言う問題じゃないんですけど。」

暢気に笑う社に蓮は返す言葉もない。
結局、この日キョーコは蓮の昼食を作って出した。
食が細いと聞いていたので、量は少なめにして。
不味ければ、断れたものの・・・・・・これがまた美味しくてつい完食してしまった蓮。
その日から、キョーコは蓮の朝食と昼食を作る事になった。

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Master and Servant 5

2010/12/05 (日)  カテゴリー/Master and Servant 全62話完結

机に向かう蓮の姿に、社は思い切って声を掛けた。

「蓮、キョーコちゃんで遊ぶの、そろそろやめたら?」

書類に目を通しながら、ちらりとこちらを一瞥する蓮。
普段なら惚けて終わらされそうなのに、今日は勝手が違うらしい。
眉を顰めながら、反論し始める。

「遊ぶ?アレは彼女の腕を試しただけですよ。彼女がそう言ったんですか?」

聞き捨てならないとばかりに、蓮は立ち上がるとソファーに深く座り込んだ。

「いや、まぁ・・・・・。キョーコちゃんと話したいなんら、普通にお茶にでも誘えばいいだろ?」
「別にそんなつもりじゃ。」
「じゃぁ、どんなつもりだったんだ?彼女が風呂に入ってる時でも平気で呼び出すくせに。」
「それはたまたまですよ。」
「どうだか・・・・・・。」

最初の頃はキョーコが風呂に入っていても、お構いなく警報機が作動されていた。
その音に駆けつけたキョーコは、上着は羽織っていたものの、ほぼ下着姿に近い格好だった。
さすがの蓮も焦ったのだろう。
それ以来、キョーコが風呂に入っているであろう時間帯には警報機がならなくなった。
呆れる社をよそに、蓮は暫く何かを考え込む仕草をした後、深々とため息をつく。

「社さんはいいですよね。」
「何が?」

声のトーンが少し低く聞こえるのは気のせいだろうか?
明らかに不機嫌オーラを出し始めている。

「彼女・・・・・・・・・社さんとは楽しそうに話してますよね。」
「そりゃ、小さい頃から知ってるからな。」
「俺には、事務的な話しかしてくれないんですよ。しかも俺から話しかけないとしゃべらないし・・・・。」

その声は、あきらかに拗ねている。
ガードの人数や雇い主にもよるが、本来ガードが主と言葉を交わす事など殆どないに等しい。
蓮にしても、社以外にガードは居なかったし、人嫌いの為殆ど他人と接する事をしてこなかった。

「珍しいな、蓮が特定の人と関わろうとするの。」
「そうですか?」
「そうだよ、そんなに彼女の事気に入ったのか?」
「そんなんじゃ・・・・・・・・ただ・・・・・・・信頼関係を築きたいだけですよ、社さんみたいに。」

そう言いながら遠い目をする。
蓮は面接の日の事を思い出していた。

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Master and Servant 4

2010/12/02 (木)  カテゴリー/Master and Servant 全62話完結

そもそも、最初からそんなに長く仕えるつもりはなかった。
中学生だったキョーコは、ガードする対象が同い年だった事もあり、学校内に大人のガードがいるのは不自然だという事と、年の割には優秀だった事もあいまって選ばれた。
それから数年・・・・・キョーコはさる財閥のひとり息子の護衛として、長い時間を片時も離れることなくずっと過ごしてきた。
時には家族のように、そして恋心を抱いた事もあった。
だが、ずっと側に居れば見なくてもいいものまで見えてしまう。
小学生の時は素直そうだったのに、年を重ねるごとに我侭放題やりたい放題。
だが、金持ちの息子だけに何をしても許されてきた。
そんな主は、外面がよく見た目もカッコ良かった為、学校中の女生徒から人気があった。
その為、とっかえひっかえ別の娘とのデートに、護衛のキョーコはつき合わされていた。
そんな姿を見ていれば、千年の恋も冷めるというもの・・・・・。
淡い恋心もすっかり消え去り、気が付けばキョーコ達は大学生4年になっていた。

「キョーコは現役の大学生なの?」

話の腰を折るようで悪いが、蓮はそこが気になった。
この屋敷にきてから、一度も大学になど行ってはいないし、渡された資料にも書かれてはいなかった。

「そうでしてけど・・・彼との契約が終了した時点で行く必要はありませんから。」
「でも・・・・折角3年も通ってたんなら・・・・・・・。」

卒業まで行かないと勿体無い。
大学に入るにはそれなりに勉強もがんばっていただろう。

「それなら大丈夫です。ボスの計らいで、通わなくても指定されたレポートを提出すれば単位がもらえるように話をつけて頂きました。後は卒論書いて出したらおしまいです。」

むしろ、こっちの方が勉強がはかどった。
尚と一緒だと、一日中講義を受けるなどという事はまずなかった為、単位を取るのも大変だった。
最終的には不破家を継ぐ為に、経済学や会社経営のノウハウを学ぶ為の大学なのだが、学業よりもメインはサークルという名の合コン・・・・・。

「本職しながら、大学に通えるなんてラッキーでした・・・・・・あんな事さえなければ・・・・・。」

再びキョーコは暗い顔をする。
思い出しただけでも、恐怖ではなく怒りで体が震える・・・・・。

「あの日も・・・・・・いつもみたいに他愛無い話をしてたんです。それで・・・・・将来の夢みたいな話になって・・・・・。」
「キョーコの将来の夢って?」

蓮の言葉に、キョーコは戸惑う。
今、自分が仕えている相手に別の相手に仕えたいと話すのはあまりにも失礼ではないだろうか・・・。

「俺には言えないような事?」
「そんな事は・・・・・・・・・・。」

ここで言わなければ、信用されないかもしれない。
ガードは信用されてなんぼの世界。

「私の夢は・・・・ある人に仕える事なんです。その話は昔からずっと彼にしていました。だから・・・・まさかあの話でそんな事になるなんて思いもしなかった・・・・・。」

再び思い出し、こみ上げてくる怒り。

『俺の側にいろ、これからも俺の事を守れ。』
そんな勝手な事を言いながら、押し倒された。
最初は悪い冗談かと思っていた。
でも、彼の表情は真剣で・・・・・・キョーコは身の危険を感じとっさに手を出した。

「自分の身を守る為・・・・・・とっさに殴ったんです。」

その言葉には重みがあった。
キョーコなりに、長い年月仕えてきた相手からの思わぬ行動は少なからずショックだったのだろう。
そして、危機的状況だったとは言え、手を上げてしまった事を後悔しているようだった。
悪い事を聞いてしまったと、蓮は気まずそうにキョーコの髪をクシャリとなぜて優しく笑う。

「悪かったね。そんな嫌な事を思い出させてしまって。」

月明かりの下、微笑みかけるその笑顔はまるで・・・・・・・キョーコの探し続けている主と一瞬ダブって見えた。

――――― あの人は・・・・・一体何処にいるんだろう・・・・・・。

キョーコがずっと探している相手は、未だに見つかっていない。
ぼんやりとそんな事を考えている時だった。
不意にキョーコの視界に蓮の顔が入った。
しかも、顎に手を掛け引き寄せられる。

――――― な、なぜこのタイミング?

戸惑っている場合ではない。
思いっきり蓮の顔に手を差し出し拒否する。

「何するんですか!?」
「いや・・・・・・、君が潤んだ瞳で俺を見るから・・・・・つい。」
「誰もそんな目で見てません!!って言うか、私の話ちゃんと聞いてました?」

たった今、話した事と同じような事をしでかそうとする蓮。
口調から冗談なのは分かるが、やはり腹立たしい。

「聞いてたよ・・・・・。でも、俺が本気でそんな事するように見える?」
「見えませんけど・・・・・でも、悪い冗談はやめてください!!話は済んだので、私は部屋に帰らせていただきます。」

プンプン怒りながら、いつまでも笑っている主を残しテラスを後にした。
本当は、少しでもキョーコの記憶からその嫌な出来事を消したいと思っての行動。
唇を奪っても良かったが、本当にそんな事をすれば嫌われるどころか拒絶されるかもしれない。
それだけは避けたいと、蓮はあえてそこまですることなく冗談でごまかした。

「ああやって思い出しては腹立たしいと思ってくれるならまだ良い・・・・・拒絶されれば思い出すどころか消去されるだろうな・・・・・・って、最初から最悪の事をしたからもう遅いか・・・・。」

今更ながら、蓮は自分がキョーコに最初にした事を後悔していた。

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