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Another ★World 43

2010/09/28 (火)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

現場で合流し、なんと切り出そうかと社は迷う。
キョーコに会った事を話すべきなのだろうか・・・・・。
それとも、このまま黙ってキョーコから聞いた話を第三者から聞いたように話すべきなのか。
電話相手にも、うまく誤魔化され結局クーのスケジュールを聞く事が出来ずにいた。
そんな葛藤をしている社に、蓮は不思議そうに声をかけた。

「社さん、事務所で何かあったんですか?」

何か言いたそうに・・・・でも、何も言ってこないマネージャー。
そんな態度を取られると、気になってしょうがない。

「あ、いや・・・・あったと言うか・・・・・なかったと言うか・・・・・・・。」

煮え切らない言葉・・・・。
社がクーのスケジュールを確認する為に、事務所から戻ってきてから様子が明らかにおかしい。
これでは何かあったと言っているようなものだ。

「実は・・・・・社長にクーのスケジュールをダメ元で聞いてみたんだけど・・・・・・・ダメだったんだ。」

その言葉に、蓮はやはりかと苦笑する。
社が悪い訳ではない。

「仕方ないですよ。彼は特別待遇ですからそう簡単には教えてもらえないでしょう。」
「その事なんだけど・・・・。」

クーのスケジュールを通り越して、キョーコと直接話をした事をやはり伝えた方がいいだろう。
後でバレれば、裏切り者の烙印を押されかねない。

「蓮、実はさっき事務所で・・・「そろそろ移動お願いします。」」

スタッフの声に、ヤシロの言葉はかき消された。
そのまま、社は話す切欠をなくしたまま話を切り出せないでいた。

「お疲れ様で~す!?」

ようやく最後のシーンを撮り終わった頃には日もとっくに沈んでいた。
次の現場に向かう為、一人着替えに楽屋へと向かう。
その後ろを、慌しい足音で社が駆け寄ってきた。

「蓮!?後の仕事はもういいから・・・・早く車に!?話は後だ。」

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Another ★World 42

2010/09/22 (水)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

休憩室ではなんだからと、誰も使っていない会議室にキョーコを連れて行く。
横を歩くキョーコはすっかり肩を落としていた。

「とりあえず、これでも飲んで。」
「・・・ありがとうございます・・・・・。」

先ほど買った缶をキョーコの前に置き、社は向かいの席に座った。
只、黙って俯くキョーコ。
まるで何か悪い事をして見つかり、怒られるのを待っているかのように小さな背中を余計に小さく丸めている。
その様子が、社には不思議とおかしかった。

「ぷっ・・・・キョーコちゃん、別に今から取って食う訳じゃないんだから、顔を上げて。」
「で、でも・・・・・・。」

社には、帰国したら連絡すると約束したのに、約束を破った事が心苦しい。

「別に怒ってないよ。急な帰国だったんだろ?少しだけ事情は聞いたから・・・・・。」
「すみません・・・・・。連絡もしないで・・・・昨日もろくに挨拶もしないで行ってしまって・・・・。」

確かに、昨日の態度はキョーコらしからぬ動きだった。
でも、彼女には彼女なりの何かがあるのだろう。
だからこそ、今日のように警戒しているのかもしれない。

「元気だった?」

なるべく怯えさせないように、社はいたって普通に話す。
久しぶりに会うのは、社だって嬉しい。

「はい・・・・・。社さんもお元気そうですね。でも・・・・敦賀さんのマネージャーだと大変ですよね。」
「まぁね・・・。この1年、アイツは良くがんばってるよ。もちろんずっとがんばってたけど、何か目標でも見つけたのかな・・・・・。」

本当に、キョーコと別れてからの1年、いろんな仕事に意欲を出して只でさえ忙しいのに、それに輪をかけて温厚なイメージとは程遠い凶悪な役までこなしていた。

「そうですか・・・・敦賀さんもがんばってるんですね・・・・・。」

嬉しそうに、そう言って微笑む。

――――― あれ?

思った反応とは違う。
蓮を避けているのは、嫌いな訳ではなくやはり何か理由があるのだろうか?

「キョーコちゃん・・・・・思い切って聞くけど・・・・・蓮の事、どう思ってるの?」

急に切り出した社の言葉に、キョーコの表情から笑顔が消えた。

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Another ★World 41

2010/09/09 (木)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

翌日、蓮は心配している社に掻い摘んで事情を説明した。
さすがに、自分の実家でキョーコが世話になっているとは言えない。

「そんな偶然あるのか?クーがキョーコちゃんのお母さんの幼馴染だなんて・・・・。」
「社長の話では、実家が近くらしいですし・・・・あながち嘘ではないでしょう。」

クーの実家がキョーコの実家の近くだったからこそ、昔キョーコに会えたのだ。
それは間違いのない事実。

「でもなぁ・・・・・・あの社長の事だから・・・・・確かキョーコちゃんは社長と会ったんだよな。」

もう1年も前の話。
記憶はうる覚えの部分もあるが、確か社の電話に社長がわざわざキョーコに会いに来ていた事は憶えている。

「でも・・・・キョーコちゃんあの時、何も言ってなかったよな・・・・。嘘つくような娘じゃないだろうし・・・・・。」

黙り込む蓮に、ヤシロは独り言のように話す。
ここであれこれ考えたって仕方がない。

「それで・・・・キョーコちゃんには会えたのか?」

社が気になっていたのはそこだ。
わざわざ、蓮が社長に事の詳細を聞きに行ったのだ。
社長がキョーコに引き合わせていたとしてもおかしくはない。
何せ、蓮の気持ちを知っているのだから。
だが、蓮は首を横に振った。

「会いたくないそうです。」
「え゛!?キョーコちゃんがそう言ったのか?」

一瞬、耳を疑いたくなる言葉。
その事を思い出したのか、蓮は見る見る凹んでいく。
こんなに凹んでいる蓮を久しぶりに見る。
そんな蓮に、かける言葉が見つからない。
下手に対応を誤れば、ヤシロにも被害が及ぶ。

「れ、蓮・・・・それはキョーコちゃんが直接言った訳じゃないだろ?」

壊れ物注意のごとく、社は探るように蓮に聞く。

「直接ではないですけど・・・・俺と会ってから暗い顔をしてたらしいです。」
「そ、それは突然再開したから・・・・ちょっと気まずかっただけじゃないのか?あんな別れ方だったし・・・・・キョーコちゃんが蓮に会いたくないなんて・・・・・。」

言うとは思えない・・・。
義理堅いキョーコの事だ・・・よほど何か事情でもあるのではないだろうか。
では、その事情とは?
いろんなパターンを考えてみる。
だがそんな憶測で、目の前の男が浮上するとは思えない。

「それなら、直接聞けばいいんじゃないのか?」

その声に、はじかれるように蓮は顔を上げた。

「クーのスケジュール聞き出して来るから、先に行っててくれ。」
「社さん・・・・・・・。」
「そんな調子で仕事に行ってヘマでもされたら大変だからな。」
「すみません・・・・。」

安堵する表情。
それだけで、キョーコの事を本当に想っている事が分かる。
そんな顔されれば、是が非でもスケジュールを聞き出さなくては。
社は次の現場に向かう蓮と別れ、一人LMEに戻って来た。

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Another ★World 40

2010/09/05 (日)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

蓮を待ちながら、何を聞かれるのかとクーは内心ヒヤヒヤしていた。
まさか偶然とは言え、キョーコと一緒の所を見られてしまったのだ。
その事で、急遽会いたいと言って来たのは明白。

「会ってしまったものは仕方ないだろう。」

落ち着きの無いクーに、柿ピーを進めながら、宝田は予想外の展開に対処すべく打つ手を考える。
7年ぶりの再会に、役者としてうまく立ち回ったものの、改めて会いたいといわれ動揺せずにはいられない。
しかも、レンはキョーコがクーの家に世話になっている事を知らないのだ。

「そう言えば、最上君はどうしてるんだ?」

先に車に戻した後、クーが車に戻ると、どこか心ここにあらずといった感じだった。
だからといって、やるべき仕事はちゃんとこなす。
今日はもういいからと、キョーコをホテルに帰し、クーはひとローリィの屋敷へとやってきたのだ。

「それが・・・・さりげなく、彼とは知り合いだったのかと聞いてみたんだが・・・・・・・・・・困ったような顔してな・・・・・まだ日本に来るのは早かったって・・・・。そんなに彼に会いたくなかったのだろうか?」

まだ、その時ではないと来日を渋っていた事を思い出す。
キョーコにはキョーコなりの、考えがあったのだろう。
それを強引に連れてきてしまったクーは責任を感じる。
まさか、あんなに切ない表情をするとは思いもしなかった。
彼女の中にある、何か決意のようなものを壊してしまったようで申し訳ない。

「あの娘にはあの娘なりのプライドみたいなものがあるんだろう。目標に到達してないからアイツにはまだ会いたくないってとこだろ。」
「そんな暢気な・・・・呼び寄せたのはボスだろ?」

ローリィの言葉に、クーはあきれ果てる。
まるで他人事のようなコメント。
これで、2人の仲がこじれたらどうするつもりなのだ・・・・。
だが、クーの心情を察したのか、にやりと笑う。

「俺は只、途中経過を知りたかっただけだ。蓮と会う事は俺の範疇外だからな。それに・・・・あの2人はまだ何も始まっちゃいない・・・・・。心配するだけ無駄だ。」

そんな話をしている頃、キョーコはホテルでひとりぼんやりしていた。

「まさか・・・・・あんな所で会うなんて・・・・・。」

偶然の再会。
1年経った今でも、キョーコのことを覚えていてくれた事に、キョーコは酷く安堵していた。
忘れられていても、当たり前だと思っていたのに・・・・・・。
なのに、蓮はあの時とは容姿の違うキョーコの正体をいともたやすく言い当てた。
それだけで、胸の奥が熱くなる。

「2人共、元気そうで良かった・・・・・・。」

逃げるように、あの場を去ったキョーコ。
この1年の話をしたいような・・・・でも、まだその時ではないとキョーコはクーの言うとおり先に車に戻ったのだ。
今思えば、かなり失礼な去り方だったかもしれない。
でも、まだ蓮たちに胸を張って会う事は出来ない・・・・まだ、キョーコの中ではその時ではないのだ。

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