スポンサーサイト

--/--/-- (--)  カテゴリー/スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Another ★World 28

2010/05/26 (水)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

社に頼んだ事・・・・・・・。
そのひとつは蓮とキョーコが噂にならない様、必要以上一緒にいないよう計らってもらう事。
もちろん蓮に悟られないように。
そして、もうひとつはLMEの社長にショータローが企てようとしている事を話して欲しいという事だった。
昼過ぎに社から社長に話をしたと連絡があった。
それから数時間後、キョーコの携帯に思いもよらない人物から連絡があった。
緊張の面持ちで相手が来るのを待つ。
―――――こんな高級そうな店で待ち合わせなんて・・・・・・私、絶対場違いよね。
絶対に一見さんお断りそうな店を指定され、キョーコもそれなりの格好はしてきたものの実際入れるものなのか心配だった。
だが、名前を告げるとあっけなく入店できた。
それだけで、今から会う相手が物凄い人なのだろうと言う事はわかる。
なにせ、今日の今日でこんな高級そうな店の予約を取ってしまったのだから。
そういう意味では、蓮もそうだったとふと思い出す。

「やっぱり芸能関係の人って凄いんだ・・・・・・・。」

やはり自分のような何も無い素人には遠い存在な事を改めて思い知らされる。
そんな事を考えていると、扉が開き只者ではないオーラをまとった人物が現れた。
思わず立ち上がり、出迎える。
着流し姿のダンディーな紳士がキョーコに握手を求めた。

「少し遅れてしまったかな?待たせてすまなかったね。私がLME社長の宝田だ、よろしく。」
「は、初めまして、最上です。」

緊張しながらも深々と頭を下げる。
顔を上げると、優しい眼差しでキョーコに微笑む宝田の姿があった。

「立ち話もなんだし座って話そう。食事もまだだろ?」

座るや否や、手をたたくと食事が運ばれてきた。
結局断る事もできず、仕方なく食事をする事に・・・・・。
でも、食事をする為に来た訳ではない。

「あの・・・・社さんからお聞きになったと思いますけど・・・・。」
「ああ、蓮のスキャンダルの話かな?」
「はい・・・・。私の婚約者が・・・すみません。」

もう婚約者ではないが、今はそんな事どうでもいい。

「確かに、誰かのものを奪ったとなれば問題だがな・・・・・・。でも、まだ奪ってもいないし、君は誰のものでもない。そうだろ?」
「・・・・・はい。でも、ショーちゃん・・・・・いえ、彼は私が敦賀さんと一緒に行くと思ってるんです。たとえ一緒じゃなくても、私がここを離れれば誤解して何を言い出すか・・・・・。」

困惑しながら宝田に話す。
LMEの社長なら、きっと何とかする力は持っているはず。

「だから、お願いします。彼の目論見を阻止して欲しいんです。」

必死で頼むキョーコを見ながら宝田はどうしても確かめておきたい事があった。

「最上君・・・・・・・君は、蓮の事をどう思ってるのかね?」

その率直な言葉に、なんと応えていいのかわからない。
戸惑いを見抜いた宝田は小さくため息をつくとワインを口へと運ぶ。

「そんなに一生懸命頼むんだ。蓮の事を嫌いな訳ではないんだろ?」
「・・・・・すみません・・・・・。自分でも良く分からないんです。」

暗い顔をして見る見る落ち込んでいく。
嫌いではない・・・・・・どちらかと言うと好きなんだと思う。
でも、それが恋愛なのかそれともただ優しく接してくれたからなのか・・・・・・。

「敦賀さんとは、幼い頃に数日だけ一緒に遊んだくらいで・・・・。でも、私の中では幼い頃の唯一の楽しかった思い出なんです。」

キョーコは宝田に幼い頃の話を聞かせた。
宝田も、蓮からキョーコとの関係を聞いていただけにキョーコに興味を持っていた。
何一つ逃さないように、キョーコの事を見極めるかのように観察する。
そんな宝田の目にはキョーコはどのように映ったのだろう・・・・・・。

「蓮と一緒に行くつもりはないのかね?」
「はい。」

その答えは自分でも驚くほどハッキリと言えた。
自分の立場を十分理解しているつもりだし、それともうひとつキョーコにはある思いがあった。

「やけにあっさりだなぁ・・・・・少しも脈はなしか・・・・・。あれでもこの業界ではナンバーワン俳優なんだがなぁ・・・・。」

苦笑しながら、宝田社長はもう一口ワインを飲む。
その言葉が申し訳なく、キョーコは俯きながら謝った。

「謝る必要はない。人それぞれだからな。」
「すみません・・・・・・。私には・・・・・敦賀さんについていく資格はないんです。」
「と言うと?」

興味深そうに、宝田はキョーコの話しに聞き入る。

「私・・・・カラッポなんです。今までがんばってきた事は全部自分の為じゃなくて、誰かが喜んでくれるならって・・・・・・。それじゃダメなんだって気がついたんです。そんなカラッポの私が、夢に向かってがんばってきた敦賀さんの側になんていられません・・・・・。私はまだスタートラインにすら立っていないんですから。」

テーブルの下でグッとこぶしを握り締める。
ここで、蓮に着いて行けば、本当に自分はダメな人間になってしまいそうな気がする。
誰かに執着するのではなく、対等な場所に立たなければ・・・・・自分なりに納得できる成果を果たさなければ蓮に合わす顔が無い。
自分の事を好きだといってくれた蓮に申し訳ない思いで一杯だった。

続きを読む

スポンサーサイト

Another ★World 27

2010/05/15 (土)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

それは、遡ること1時間程前・・・・・。
いつもより早いモーニングコールで起こされた。
眼鏡を掛け、時計を見ると起きる時間には数分早い。
間違ってるんじゃないかと思いながらも、電話に手を伸ばした。

『もしもし・・・・・・・。』
『社さん・・・・・すみません、こんな朝早くから。最上です。』
『キョーコちゃん!?どうしたの?』
『実は・・・・社さんに頼みたい事があって・・・・・。』

詳しくは朝食を運びに行った時に話すからと言われ、話をする為にいつもより早く朝食を運びたいと頼まれたのだ。
もちろん、蓮には内緒にして欲しいと。

「それで、何があったの?」

いつものように、手際よく布団を片付けるとキョーコは座卓に朝食を並べ始める。
その様子はここに泊まってから、社は毎日見ている光景だった。

「実は・・・・・・・。」

言いにくいのか、なかなか切り出せないキョーコ。
社は苦笑しながら、話を促した。

「キョーコちゃん、話は大体聞いてるから。俺に出来る事があったら言って。俺だって、心配してるんだよ。」
「ありがとうございます。それじゃ、何から話せばいいか・・・・・・。」

そう言いながら、キョーコは社に昨日女将さんとショータローとの茶室での話と、今朝ショータローに言われた話を正直に話した。

「彼がそんな事を・・・・・・・・。」
「はい・・・・・。だからこれ以上迷惑はかけられないと思って。」
「確かに、そんな事が知れれば、たとえ嘘でも大きく報道される世界だからね。蓮の芸能活動にも多かれ少なかれ影響はあると思うけど・・・・・でもそんな事で蓮は迷惑だなんて思わないと思うよ。事務所の力もあるし。」

社は優しくそう言ってキョーコを安心させるように微笑む。
だが、キョーコの表情は硬かった。

「敦賀さんが思わなくても、私自信が許せないんです。こんな事に巻き込んでしまって・・・・。」
「キョーコちゃん・・・・・。でも・・・それじゃこれからどうするの?このままここに居続けるの?」

社の言葉にキョーコは慌てて首を横に振る。

「それも出来ません。でも、ショーちゃんは私が敦賀さんについて行くんじゃないかって思ってます。なので、敦賀さん達が帰った後、暫くたってからここを出ようかと・・・・。」

その言葉に社は返す言葉を失った。
てっきり、蓮と一緒に行くとばかり思ってたから。
三度の飯より愛が好きな社長に話せば、きっとうまく事が運ぶと思っていただけにキョーコの発言に戸惑いを隠せない。

「それって・・・・蓮とは一緒に行かないって事?」
「はい。私なりに色々考えたんですけど、それが一番いいと思って・・・・。」
「そんな・・・・・。」

言葉に詰まる社を見ながらキョーコは本当に申し訳なく思ってしまう。
改まってキョーコは居住まいを整えると社に向き直った。
その瞳には決意の色が垣間見える。

「ここに滞在するのも明後日までですよね。その間、私はなるべく敦賀さんに会わないようにしようと思ってるんです。。なので・・・・社さんからうまく言っていただけませんか?」
「でも・・・・・。」
「いろいろ考えたんですけど、それが一番いいと思って・・・・・。私が敦賀さんに必要以上に接しなければショーちゃんの言ってるような噂も防げると思うんです。もちろん敦賀さんには内緒で・・・・・・。これ以上私たちの事に巻き込みたくないんです。迷惑はかけられませんから・・・・・・・社さんにも申し訳なく思ってます。でも、こんな話マネージャーの社さんにしか出来なくて・・・・・もし何かあったとき対応しやすいかと思って・・・・・。」

キョーコの言う事には一理ある。
これ以上蓮と接しなければ、そんな噂もたたないかもしれない。
だが、その事を蓮が知れば絶対に怒るだろう。

「キョーコちゃん・・・・・蓮なら大丈夫だから、もう少しあいつのこと頼ってやってよ。」
「そんな・・・・・これ以上甘えられません。」
「甘えて欲しいんだよ。好きな子に・・・・・あいつの気持ちは知ってるんだろ?」

その言葉にキョーコは目を伏せた。
確かに蓮の気持ちは知っている・・・・・知っているからこそ、今の自分では一緒に行く事はできない。

「社さんはご存知なんですね・・・・・・。もし・・・・・私が敦賀さんと一緒に行ったとしたら・・・・きっと自分がダメになると思うんです。」
「ダメになるってどういう事?」

手をギュと握り締め、キョーコは決意したように社を見た。
社には自分の考えを話してみよう・・・・・・そうすれば、心のどこかで迷っている自分に踏ん切りがつけられるような気がして、キョーコは社に思い切って話してみた。

続きを読む

Another ★World 26

2010/05/08 (土)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

時計を見て一つため息をつきある番号に電話をかける。
早朝ではあるが、この時間ならきっと起床しているだろう。
数回のコールの後、不機嫌そうな声が聞こえた。

『こんな時間に、一体何の用?』
「お、お母さん・・・・朝早くにごめんなさい・・・・・・。」

久しぶりの会話にも拘らず、母はキョーコに『元気にしてるの?』なんて優しい言葉はなかった。
キョーコは緊張でうまく言葉が出てこない。
昔から母親の前ではうまく立ち振る舞うことができなかった。
いつも母の笑顔が見たくて、褒められたくてキョーコは何でも一生懸命もがんばってきた。
でも、どんなにがんばっても母がキョーコの為に微笑む事はなかった。

『用件は?』

不機嫌さが声から伝わってくる。
キョーコは緊張でカラカラになった喉に息を吸い込む。

「・・・・・・・・・・婚約を解消する話に同意したんだってね。」

言葉を選ぶように、キョーコは躊躇いがちに母に聞く。
どんな言葉が返ってくるのか、目の前に居る訳ではないのに体が緊張で硬直する。
緊張するキョーコの耳に届いたのは、深いため息だった。
きっと呆れているに違いない・・・・・・。
またしても、自分が母親を幻滅させてしまったのだろう。
でも、気づいてしまった事に今更知らないふりなんてもう出来ない。

『同意したわ。不破さんに任せようと思ったんだけど・・・・話が話しだけに不破さんがキョーコがかわいそうだから一旦白紙に戻した方がいいんじゃないかってね。こちらとしても、先方がそう言ってるのに嫌とはいえないでしょ?』

その言葉に、母親らしさが微塵も感じられない。
どうしてそこまで、嫌われているのかキョーコにも分からない。

「お母さん・・・・・・会ってちゃんと話したいんだけど?今後の事とか・・・・・・。」

ぎゅっと携帯を持つ手に力が入る。
ここで断られたらキョーコ自身本当に八方ふさがりになってしまう。
結局、頼れるのは母親だけなのだ。
しばしの沈黙・・・・・・。

「わかったわ。あなたも仕事があるでしょうから、そうね・・・・・夜でもいいかしら?」

冴菜はキョーコに時間を伝えると、あっさりと電話を切った。

続きを読む

Another ★World 25

2010/05/01 (土)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

結局あれこれ考えている間にいつの間にか眠っていたらしい。
そんな自分に呆れながら、眠い目を擦りながら起きあがり時計を見る。

「習慣って・・・・・・恐ろしい。」

いつもなら朝食を作る為に起床する時間。
だが、もうショータローの為に朝食を用意する事はない。
キョーコが望めば以前と同じ日々が戻ってくる選択肢はあったが、キョーコはそれを選ばなかった。
少し前だったら、きっと何もかも許してショータローの所に戻っていたのかもしれない。
でも、蓮に・・・いや、コーンと再開して感じた事があった。
それは、自分があの頃から何も進歩していないという事。
誰かの目を気にして、自分を出さずただ静かに過ごす日々。
コーンは苦しみながらも、ちゃんと自分の足で着実に夢へと歩いているのに自分はどうだ。
キョーコの夢はショータローのお嫁さんになる事だった。
だが、それはあくまでも幼い頃の夢。
夢と語れるほど、立派な目標ではないのかもしれない・・・・・。

「これからは、ちゃんとした目標を持って生きなくちゃ。」

女将さんからは、今日は出なくてもいいと言われていたがそういう訳には行かない。
それは女将さんが教えてくれた事。
どんなにつらくても、お客さんの前では平気な振りをしていなければならないと・・・・・。
だから、どんなにつらくてもキョーコを待ってくれている人達の為に休む事など出来ない。
キョーコはシャワーを浴びると、気合を入れるために顔をたたいて自分を奮い立たせた。
絶対に、ショータローはキョーコに会いに来るだろう。
その時、感情的にならないようにしなくては、流されないようにしなければと自分に言い聞かせた。
その予想は、思いのほか早くやって来た。

続きを読む

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。