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Another ★World 16

2010/02/27 (土)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

何処を探せばいいのか、さっぱり見当がつかない。
でも、探し出さなくてはという気持ちで携帯を鳴らしながら当てもなく走る。
あたりは暗くて、誰も蓮だとは気がついてはいないようだ。
暫くして、携帯がつながった。

「もしもし、最上さん?」
「敦賀さん・・・・・・どうしたんですか?」

声だけ聞いていれば元気そうにも聞こえる。
だが彼女の落ち込みようは元気であれば元気なほどそのショックは深いはずだ。

「どうしたって・・・・・・・今何処にいるの?」
「今ですか?今は・・・・・・・土手に座って夜空を眺めてます。」
「土手だね。すぐ行くからそのままそこにいて。」
「えっ、すぐ行くって・・・・・敦賀さん!?」

言いたい事だけ言って電話を切る。
義理堅いキョーコの性格から行けば、きっと待っているだろう。
走って、前にキョーコと来た土手に向かう。
カップルの間に一人着物姿の女性が佇んでいた。

「最上さん?」

声を掛けると、振り返りふんわりと微笑む。
何事も無かったかのように・・・・・・・・・。
キョーコの横に腰掛けるが、なんと切り出して良いのかいい言葉が見つからない。
それに気づいたのか、キョーコの方から話だした。

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Another ★World 15

2010/02/23 (火)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

いつものように店に顔をだしに来たが、今日はいつもと違って慌しそうだった。

「何だよ!?今日は貸切かよ?」
「松乃園とこのボン・・・・・今日も来とるんか?」
「春に婚約したばっかりや、言うのに。」

聞こえてくる話し声を気にする事無くショータローは店主に問いかける。

「すんません。今日はドラマのロケで貸切なんですわ。胡蝶も出る事になったんで今日はお座敷の方はちょっと・・・・・・・。」
「撮影?ああ、あれか?うちに泊まってる奴らの?」
「たぶん、そうやと思います。関係者以外立ち入り禁止ですから、お引取り願いますか?」
「分かったよ・・・・・・・。今日の所は帰るか。胡蝶によろしく言っといてくれ。」

それだけ言って、ショータローは渋々帰っていった。
―――――仕方ないか・・・・・久しぶりにキョーコでもかまってやるか。
家に帰ると、キョーコの姿が見当たらない。
今日に限って夕食のしたくも出来ていない。
首をひねりながら、ショータローは女将を探しに旅館の棟に足を踏み入れた。
そんなショータローの耳に仲居達の噂話が聞こえてくる。

「ねぇ、・・・・・・・・ちゃん今日も・・・・・・・さんと出かけたんでしょ?」
「そうらしいのよ。なんでも、・・・・・・・見せてもらうとかって、その後・・・・・・してくるって言ってた。」

遠くて、はっきりとは分からないがキョーコがいなさそうなのは分かる。
会話もはっきりと聞き取れないがキョーコとだけ聞こえたような気がした。
―――――キョーコ・・・・・・またどこかに出かけたのか?
そう易々と、女将が暇を出す訳がない。
噂の真相を確かめる為、女将を探して旅館内をさまよう。

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Another ★World 14

2010/02/19 (金)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

蓮が言っていた通り、お昼過ぎになってキョーコの携帯に社からOKが出たと連絡が入った。
蓮は渋っていたようだが、キョーコはとっくに覚悟を決めたいた。
自分の仕事を猛スピードでこなしていく。
撮影には間に合わないかもしれないが、それが今日のメインではない。
女将さんには、機会がなければ行く事もないだろうからと、本心を隠して頼み込んだ。
本当は無理やりキョーコが頼んでの事だったが、そこはうまく誤魔化した。

「お座敷遊び・・・・・まぁ、お客様の話の種になるから行って来てもええけど・・・・・最近敦賀さんと仲がよろしいなぁ。」
「そ、そうですか?マネージャーさんとも仲良しですよ。お兄さんみたいで話してて楽しいですし。」

勘ぐる女将さんを何とか誤魔化し、キョーコは出かける支度を整える。
相手に負けないように、着物に袖を通しいつもと違う化粧をする。
キョーコがたどり着いた時には、もう宴は始まっていた。
本当は社に連絡しようと思っていたのだが、その前に蓮からメールで着いたら必ず電話するようにと念を押されてしまったのだ。
主役の蓮を呼び出すのはしのびないが、本人がそう言うなら仕方ない。
携帯で蓮に連絡すると、すぐに下まで降りてきてくれた。

「最上さん・・・・・・なんか気合入ってるね。」
「はい。これから売れっ子芸妓と対決ですから。」

冗談にならない言葉を言いながら明るく笑う。
その笑顔は無理をしているのが分かるだけに、なんとも痛々しい。

「最上さん、本当にいいんだね。」
「敦賀さんはじめ、撮影陣の方達にも迷惑はかけませんから。」
「そんな事はいいんだけど・・・・それじゃ、暫くしたら連れて来るから上の部屋にあがって待ってて。部屋は空けてもらってあるから。」
「はい。」

緊張しながらも、キョーコは蓮がこの場所にいてくれた事を感謝していた。
一人きりでは、きっとこんな所まで乗り込んでこれなかっただろうから。
蓮は様子を見計らい、胡蝶に声を掛ける。
なんと切り出そうか迷ったが、ストレートに話すしかない。

「胡蝶さん、実はあなたと差しで話したいって方が来てるんですけど?」
「うちと差しで?どなたさんやろか?」
「婚約者が来たと言えば分かると・・・・・・。」

その言葉に、一瞬胡蝶の瞳が揺らいだ。

「分かりました。案内してください。」

蓮が疲れたから別室で休むと理由をつっけ、蓮ともども胡蝶は宴の場を後にした。

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Another ★World 13

2010/02/16 (火)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

「失礼します。」

いつものように夕食を運び込む。
撮影も大詰めを迎えていた。
夜のシーンは大体取り終えたので、今は主に昼間の撮影。
そのおかげで、夕食はゆっくり食べる事が出来ていた。
ここに滞在するのも後、一週間。
キョーコはテキパキと料理を並べていく。

「敦賀さん呼んできますね。」

そう言って社の部屋を出たキョーコは隣の部屋のインターホンを鳴らす。
顔を出した蓮は、そのままキョーコを部屋に招きいれた。

「どうかしたんですか?」
「実は・・・・・社さんが勝手になにか勘ぐっててね。最上さんと昨日出かけた話を聞きたがってるんだけど・・・・・・その・・・・・・。」
「分かってます。コーンの事は内緒なんですよね。」

その答えに、蓮が頷く。

「それじゃ、食事の用意が出来てますから行きましょうか。」

そう言って、何事もなかったかのように部屋を出た。

「あれ?キョーコちゃんは?」

一人で現れた蓮を不思議に思いながら、ドアの方を見る。
キョーコが入ってくる気配が無い。

「最上さんなら、他の食事持ってくるからって。」
「そうなんだぁ。」

ニヤニヤしながら社は楽しそうに蓮を見る社。
遊ぶ気満々といった感じだろうか・・・・・・・・。

「すみません。お待たせしました。」

追加で持ってきた料理をテーブルに並べ、慣れた手つきで、ご飯をよそおうと二人に渡す。

「「いただきます。」」

夕食を食べ進めながら、社が口を開いた。

「で、蓮・・・・・・・・。昼間の話だけど?」
「昼間って?」

惚けながら、味噌汁を飲む。
分かってはいるが、進んで話そうとは思わない。

「昨日どうだったのかなぁ~と思ってさ。キョーコちゃん、昨日何処に行ったの?蓮がさぁ、聞いても教えてくれないんだよ。」
「昨日・・・・・ですか?」

そう言いながら蓮に目配せする。
蓮は呆れたように、社を見た後仕方ないといった風に話し始めた。

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Another ★World 12

2010/02/10 (水)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

「蓮、昨日何かあったのか?」

撮影の合間に社がミネラルウォーターを渡しながら問いかける。
自分では、顔に出しているつもりはなかったが、付き合いが長いマネージャーにはどうやら分かるらしい。

「いえ、何も。どうしてですか?」

心当たりがないと言ったふうに、社に聞き返す。
そのそぶりに社は深いため息を付いた。

「蓮、俺がどれだけお前と一緒に居ると思ってるんだ?」
「どれくらいって・・・・・・そんな熟年夫婦じゃあるまいし・・・・・・。」

惚けながら、話をはぐらかしミネラルウォーターを飲む。
それに対し、社は蓮にだけ聞こえるくらいの小声周りを気にしながら耳打ちする。

「昨日、キョーコちゃんと何かあったのか?帰って来た時、二人とも様子が変だったけど?」

昨晩、他のスタッフより先に帰ってきた社が旅館に戻って来た時、丁度キョーコと蓮も帰ってきたのだ。
ロビーに入ってきた二人に声を掛けようとしたが、ただならぬ雰囲気に話しかけそこね、キョーコは蓮に頭を下げると置くへ引っ込んでいってしまったのだった。
蓮に話しかけれる雰囲気でもなく、社は昨晩から気になってしょうがなかった。

「どうしてそう思うんですか?」
「どうしてって・・・・・蓮、撮影意外は暗い顔してるから・・・・・・・。さては告白してフラれたのか?」

冗談めかしに言った言葉に、何も突っ込まない担当俳優に社は頭を抱える。
――――― 本当に、告白してフラれたのか!?
そんな社を見て、蓮は笑みをこぼした。

「社さん・・・・・・そんな訳ないでしょ?そもそも彼女は婚約してるんですよ。ひとのものに手を出す趣味はありませんよ。」
「だよな・・・・・・。じゃあ、何なんだ?お前がそんな暗い顔している原因は?マネージャーとしては聞いておかないと、仕事に支障をきたされたら大変だからな。」

―――――そんな事言いながら、俺をからかいだけじゃないのか・・・・・・。
蓮はそんな事を思いながら、社を見る。
心配してくれている事はありがたいと思う。
話すべきかどうか迷った蓮は、一人あれこれ考える社が気の毒に思えてくる。
自分の事のように心配してくれていることが申し訳ない。

「社さん、昨日の話なら夕食の時にでも・・・・・。」
「本当だな、その言葉忘れるなよ。」

社の言葉に苦笑しながら、蓮は撮影に戻っていった。

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Another ★World 11

2010/02/07 (日)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

旅館に戻ってきて、キョーコは玄関先で蓮にお礼を言った。
こんな気まずいままで分かれるのも申し訳ないと笑顔で話す。

「今日はありがとうございました。久しぶりに楽しかったです。」

それは本当のこと。
こんなに誰かと出かけて楽しかったのは久しぶりだった。
もう随分と遠い昔にショータローと出かけて以来かもしれない。

「いや、俺の方こそ付き合ってもらって悪かったね。」
「そんな事ないですよ。私こそ貴重な体験させてもらいました。こんな事がなかったら、座禅なんて絶対に行かないですから。それじゃ、私はここで。」

もう一度、頭を下げると蓮が何か言う前にキョーコは奥へと入っていった。
その後姿を黙って見送りながら、蓮は先ほどの事を思い出しながら部屋へと向かう。
部屋に戻り、風呂に入っても台本をチェックしていてもキョーコのあの泣きそうな顔が頭から離れない。
蓮は服を着替えると鍵と懐中電灯を手に、部屋を出た。
向かった先は思い出の場所。
まさか、居る訳がないと思いながらも胸騒ぎがして、思わず部屋を飛び出していた。
月明かりを頼りに、どんどん奥へと進んでいく。
小川のせせらぎが聞こえ始めれば目的地はすぐそこだ。
草木を掻き分け、開けた川原に出た時・・・・・・やはりその人物はそこにひっそりといた。

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Another ★World 10

2010/02/01 (月)  カテゴリー/Another★World 全48話完結

連れて行かれたのは個室で料理が頂けるおしゃれなイタリアンのお店だった。
キョーコは密かに、一体いつ予約したのかと小首を傾げる。

「どうかした?」
「いえ・・・・・・先斗町にこんな素敵なお店があるなんて知りませんでした。」

雑誌にも載っていなさそうな隠れ家的なお店。
路地の奥まった所にある為、地元の人間でも知っているかどうか。

「ここは、役者仲間から聞いたんだ。食事もおいしいし、雰囲気もいいからのんびり出来るって聞いてね。」

確かに、食事もおいしいし接客も申し分ない。
仕事柄、接客が気になったしまうキョーコにも感心する所があった。

「今日はありがとうございました。とっても楽しかったです。」
「俺も楽しかったよ。何もかも初めてづくしで。」

お互いに久しぶりにのんびり出来たと今日の出来事を振り返っては笑いあった。
ショータローの事も、旅館の事も忘れ久しぶりに自分の時間を満喫できた。

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