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嘘つきな関係(42)

2009/06/24 (水)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

「おい、ちょっと待てよ!?」

玄関を出た先で後ろから松太郎に呼び止められた。
周平に先に行くように促しながら、松太郎に対峙する。

「何かな、不破君?」
「いい加減にしろよな!?」
「何の事かな?」
「何の・・・・・・だと!?」

冷静に話す蓮の態度い松太郎は苛立つ。
その態度に神経を逆なでされて松太郎は心穏やかではない。

「オレの物にちょっかい掛けるのはやめてもらおうか!?」
「オレの物?彼女は誰の物でもない。君こそ、彼女の事を傷つけておいて・・・・・・よくそんな事が言えるね。」
「なんだと!?」

蓮の声が少し低くなる。
松太郎が蓮を睨みつけるが、意に介する様子もない。

「大体、手放したのは君だろう。今更なぜ彼女なんだ?君なら他にいくらでもいるだろう?」
「手放しても、もともとオレのもだ!?後から出てきて、勝手にオレのものに手えだしてんじゃねえよ!?」

蓮には、松太郎がだだをこねる子供のように見えた。
捨てたおもちゃを今更欲しがる子供のように。

「それが、君の本心なのか?」

その言葉にグッと唇を噛み締める。

「・・・・・・・・・気づいたんだよ。あいつの存在の大きさに・・・・・・。」

松太郎は拳を握り締め、搾り出すように蓮に言い放つ。
その言葉に蓮の口調は更に厳しくなる。

「気づくのが遅いんじゃないのか?なぜ、離れていく前に、優しい言葉を掛けてやらなかった?離れていかない自信があったからか?」
「確かに遅いのかも知れない・・・・・・だがな、だからってそう簡単に諦めれる訳ねぇだろ!?」
「簡単に捨てたくせにか?」

痛い所をつかれてぐうの音もでない。
しかし、ここで負ける訳にはいかない。
相手が蓮ならなおさら。

「償う訳じゃないけど・・・・・キョーコの事を、今度は守っていく為に俺は夢を捨てて戻ってきたんだ。」
「だから、不破の家を継ぐと?それこそ笑わせる。彼女を幸せにするのと、家を継ぐのと何の関係があるんだ?結婚したら借金がチャラになるからか?まぁ、その話は立ち消えのようだけどね。・・・・・結局君は、自分の力では何もしていないんじゃないのか?夢を諦めたのを彼女のせいにして恩に着せて引き止めておくつもりか?」

蓮に図星を指され悔しさで身体が震えている。
知らず、声も少し震えている。

「おまえさえいなければ・・・・・・・キョーコは素直に戻ってこれたんだ。」
「今度は俺のせいにするのか?これだから世間知らずのお坊ちゃんは・・・・・・。」

蓮はワザとオーバーに頭を振ってみせる。
その行動は益々松太郎の怒りを増していく。

「それにキョーコはおまえとは終わったって言ってたぞ!?」
「・・・・・・・・・確かに終わったと言えば終わった・・・・・・・・かな?」

その口調はどこか意味ありげだった。
松太郎は自分が蓮を追い詰めているつもりが、追い詰められている事に気づく。

「終わったんなら、もうシャシャリでてくんな!?いいな!?」
「君こそ、いつまでも彼女に甘えるのはやめたらどうだ?」
「なんだと!?誰が甘えてるだと!?」

カッと目を見開き、松太郎の声が高くなる。

「だってそうだろ?彼女がずっと側にいるのが当たり前で、おまえのわがままを全部聞いてくれる便利な女としか思ってなかっただろう。何をしても許されると思って・・・・・・彼女はおまえの母親じゃない。いい加減キョーコ離れをしたらどうだ?」

その言葉に松太郎はキレて蓮に殴りかかろうとした・・・・・・が、あっさりかわされ腕を捩じり上げられ突き飛ばされた。

「口で負けたら今度は暴力か?底が知れてるな・・・・・・・。とにかく決めるのは彼女だ。君がどんなに彼女を脅したとしても、ホントに彼女の事を思うなら、彼女の我がままを聞いてやってもいいんじゃないのか?それが本気で惚れた相手ならね。」
「おまえはそれを聞いてやったっていうのか?」

捩じられた腕をさすりながら松太郎は蓮に問う。
しかし、それには答えず、不適に笑うと蓮は再び歩き始めた。

「我がままを言ってくれないから困ってるんだよ・・・・・・・。」

独り事を呟きながら周平が待つ車へと戻っていった。

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近況&拍手お礼

2009/06/23 (火)  カテゴリー/感謝

こんばんは・・・・・・・。
いつも遊びに来てくださる皆様、ありがとうございます。
始めて来られた方・・・・・・よくぞこんな辺境の地へ・・・・・・・。

最近、仕事でパソを使うようになってからか、どうも家でパソと向き合うのがつらい・・・・・・。
お話を書くのは好きなんですが・・・・・・・打つのがちょっと・・・・・・・・。
別にサボってる訳ではないんだけど・・・・・・・。

もうちょっとで嘘関(略すとなんか変?)は終わりそうなんですが・・・・・なかなか終わらない。
長々付き合っていただいてありがとうございます。
ちゃんと最後まで書きますので、今しばらくお付き合い下さいませ。

近所の本屋さんに単行本を買いに行ったのですが(遅い?)・・・・・・どれも本の端が折れてたり、縛った跡があったりで買わずに帰ってきました。
ちょっと後悔・・・・・・・・。
でも、汚い本を買って後悔するのも・・・・・・・・。
別に几帳面でもなんでもないんだけど。
やっぱりお気に入りの本は綺麗なのを買いたいじゃないですか!?

以下、拍手お礼です。

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嘘つきな関係(41)

2009/06/19 (金)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

その日、不破家は朝から慌しかった。
キョーコはいつものように身なりを整え、部屋を出るとメイド達がなにやら慌てふためいている。

「なにかあったの?」

近くのメイドに訪ねると、今から来客があるとの事だった。
その様子から、随分急な、しかもそれ相当の人物が来るのであろう事が分かる。

「キョーコ、ここに居たのか。」
「ショーちゃん・・・・・誰か来るみたいだけど・・・・・・・。」

浮かない顔の松太郎に話しかけると、浮かない顔が更に沈んでいくのが分かる。

「どうかしたの?」

明らかに様子がおかしい。

「キョーコ・・・・・おふくろに聞いたんだけど・・・・・おまえの母親、誓約書書いたんだってな。俺とその・・・・・結婚させるってやつ。」
「・・・・・・・・・・・そうみたいね。それがどうかしたの?」

動揺を精一杯隠しながら惚けてみせる。
どうやら、松太郎は“アレ”の存在を知らなかったらしい。

「だから・・・・・・・・・帰ってきたのか?」

図星を指されて黙り込む。
ここでそうだと言ったら一体どうなるのだろう。
プライドの高い松太郎の事だ、馬鹿にするなと怒るだろうか?

「どうなんだよ?それがあるから戻ってきたのか?」
「私は・・・・・・・・私の意思で戻ってきたの。そう、私の意思で・・・・・・・・。」

自分に言い聞かせるように、言葉を繰り返す。

「じゃぁ、関係ないのか?」
「関係ないわよ。」

今まで一体、何回自分に嘘をついて来たのだろう。
そして何回、嘘をつけばいいのだろう。
キョーコの言葉に松太郎は少しホッとしている様だった。

「アイツが今から来るって。大事な話があるんだとよ。」
「・・・・・・・・・そう。」

蓮が来る。
その言葉だけで、胸の奥が締め付けられる。
しかし、それを松太郎に悟られる訳にはいかない。

「今更だけど・・・・・・・オレの事、許してくれるか?」
「許すも何も・・・・・・・もう忘れた。」
「それじゃぁ・・・・・オレはおまえに遠慮しなくてもいいんだよな。アイツとは・・・・・・その・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・私と蓮さんは・・・・・もう終わったのよ。」

自分で口にした瞬間、涙が溢れそうになる。
それをなんとか押しとどめ、キョーコは足早に松太郎の元を後にした。

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嘘つきな関係(40)

2009/06/14 (日)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

空港で久しぶりに会う父はやはり暑苦しかった。
恥ずかしいまでの抱擁。
今までも、重苦しいまでの愛情表現の数々にいささかうんざりしてきたが・・・・・・・。

「いつまで、抱きしめてるんですか?早く離れてくださいよ。」

無理やり引っぺがすと周平は面白くなさそうに非難する。

「俺はこんなにおまえに会いたかったのに・・・・・・お前の事をどれだけ愛していると・・・・・・。」
「ストップ。会話だけ聞いてると、あなた変態ですよ?男に向かって愛だとか言って・・・・・。」
「何を言うか。久しぶりに息子と再会したのに・・・・・相変わらず冷たい・・・・・・・。」

しょんぼり拗ねながら肩を落として歩く父を見ながら、本当に大丈夫なのかと頭が痛くなる。
車に乗り込んでも、どちらも無言。
しかし、黙っていても仕方が無い。
喧嘩をする為にわざわざ息子に会いに来た訳ではないのだから。

「で、どうするんだ?いきなり乗り込むのか?それともジワジワ締め上げていくのか?」
「物騒な事を言わないで下さい。それよりアレは持ってきてくれたんでしょうね。」
「ああ、アレか?持って来たぞ。持って来たが・・・・・・これを使うのか?それじゃぁまるで不破家と同じじゃ・・・・・・・・。」
「同じ事はしませんよ。ただ、彼女を自由にしたいだけなんです。」

そう言いながら、周平から渡された物を見て、蓮は複雑な気持ちになった。

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嘘つきな関係(39)

2009/06/11 (木)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

不破の家をでた奏江はいそいで、停車している一台の車に近づいた。

「で、どうだった?」

車に戻った奏江に早速聞いたのは社だった。
社もキョーコの身を案じている1人。
心配だったのだろう。

「元気でしたよ。少しやつれてましたけど。」
「そう。」
「そうって、それだけですか?社長!?」

その冷たい返事にもっと文句を言ってやろうと顔を見て言葉を失った。

――――― そうよね、私は今日会えたんだもの・・・・・・・・。

今、一番つらいのは蓮自身なのだから。
キョーコから聞いた話をし、貰ってきた封筒を蓮に渡しながら奏江は少し反省した。

「あと、『社長の事はもう好きじゃないから、これ以上関わらないで欲しい』だそうです。」
「キョーコちゃん、そんなこと言ったの?」

キョーコの口からそんなせりふが出るなんて信じられない様子の社。
蓮は奏江から渡された封筒の中身を確認している。

「はい。それと、あのバカ男・・・・・・・この誓約書の事知らなかったみたいです。」
「それじゃ、なぜ突然キョーコちゃんが戻ってきたと思ってるの?」
「それは・・・・・・・・。」

思い出しただけで、ムカついてくる。

――――― どれだけ自信あるの?

あの自意識過剰発言。

「そうそう、琴南さん。さっき会社に出勤してる椹さんから電話があって、蓮宛てに封書が来てたらしいんだ。」
「封書ですか?」

突然何の関係もない話を始める社を不思議に思いながらも話を聞いてみる。

「その中身が、なんとキョーコちゃんの退職願いだったんだよ。」
「退職願いですか!?」

なんと手際のいい事だろう。
退職願いは間違いなくキョーコの字だったらしい。
しかし、封書の表書きは達筆な字だった事から不破家の誰かによって出された物だと分かる。

「で、どうするんですか?」
「もちろん、受理はしないよ。保留するように椹さんには言っておいたから。」 
「そうですか・・・・・・良かった。」

蓮の言葉にホッと胸を撫ぜ降ろす。
そして改めてキョーコの身を案ずる。

「で、貰ってきてくれた?」
「“石”ですか?これだけは返せないって伝えて欲しいって・・・・・・なんなんですか?」
「なんだろうね?」
「話をはぐらかさないで下さい。私だって協力してるんですよ!?教えてくれてもいいじゃないですか!?」

こんなに心配しているのに、自分の手の内を明かさない蓮に奏江は怒りを爆発させた。
少し驚いた蓮はクスッと笑って社と奏江に“石”の話をし始めた。
大事な二人だけの秘密。
しかし、今秘密より大事な物を取り戻すためなら、どんな事でも話しておいた方がいいだろう。
蓮は昔、キョーコに会った話からどうしてキョーコに近付いたか話し始めた。
そもそも、キョーコに近付いたのはある人に頼まれたから。

“彼女の借金の肩代わりをしてやって欲しい。やり方はおまえに任せる”

そして、普通に借金を肩代わりするのも、面白くないと思った蓮は、代わりの条件として偽婚約者を仕立て上げたのだった。

「社長・・・・・・それって酷くないですか?」

軽蔑の眼差しで奏江に睨まれ、苦笑しながらも本当の事だったのだからと言って誤魔化す。

「でもね、琴南さん。最初はどうであれ、彼女と暮らすうちに俺は本気で好きになったんだよ。」

そう言ってキョーコを思い切なく笑う蓮を奏江は攻める事ができなかった。
話し終わった後、社も奏江も黙り込んでしまった。

「でも、そんな昔から知ってたなんて・・・・・・・・。」
「俺も知らなかったよ。蓮とキョーコちゃんの父親が親友だったなんて。」
「とにかく、後はこっちでなんとかしてみるよ。ちょっと“つて”があるからね。」

コピーを封筒にしまいながら蓮は次の手を考えていた。

――――― “あんな紙切れ一枚で人生が決められるなんて”ってこれの事だったのか。

それならすべて辻褄が合う。

「何とかって、何をどうするんですか?そんな物まであるのに。」
「そうだよ蓮。キョーコちゃんの意思が動かない限り無理だよ。」

口々にそう言われても蓮には、確かな確証が1つだけあった。

「キョーコは“石”は返せないっていったんだよね。」
「はい、確かにそう言われました。」
「てことは、俺の事が嫌いになった訳じゃないって事だろ?」

その言葉に奏江はまたもや頭を抱えた。

――――― どうして、キョーコの事好きになる人って・・・・・・こんなに自信満々な人ばかりなの。

「嫌われたんなら、諦めようと思ってたんですけどね。」

その言葉に社も奏江も顔を見合わせため息をつく。

――――― 何処が諦めるって・・・・・・・・やる気満々だったじゃない。
――――― 蓮・・・・・・・心にもないことを・・・・・・・。

「とにかく、何かあったら頼りにしてますよ。社さん、琴南さん。」
「蓮、俺にできる事なら何でも言ってくれ。」
「分かりました。でも、言っておきますけど私はあくまでキョーコの為に動きますから。そのつもりで。」

奏江は蓮に毒づきながらも、結局キョーコを助けられるのはこの人なのだろうと、そんな事を思っていた。

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嘘つきな関係(38)

2009/06/08 (月)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

キョーコが姿を消してからすぐ、心当たりある所、“だるまや”にも居なかった。
不破の家に問い合わせても知らぬ存ぜぬと繰り返すばかり。
そして無駄に時間だけが過ぎていった。

「ホントに、キョーコちゃん何処いったんだ?」
「すみません、社さん。連休中に呼び出してしまって。」
「本当ですよ!?キョーコったら・・・・・・・会ったらとっちめてやるんだから。」

蓮からの連絡を受け、社も奏江も蓮のマンションに来ていた。
実家に帰省していた奏江はキョーコが居なくなったと連絡を受け慌てて帰ってきたのだ。

「つい昨日までメールは帰ってきてたのに何処にいるか聞いたとたんに・・・・・・返事も帰ってこなくなっちゃって・・・・・でも、絶対不破の家にいますって。」
「どうしてそう思うの、琴南さん。」
「悔しいですけど・・・・・あの子が最後に行くところは・・・・不破の所なんですよ。それに変な事いってたじゃないですか、居なくなる前に。」

確かに、“自分の力ではどうにも出来ない事が起きたとしたら”“諦める”と言っていた。

「だとしたら、諦めて不破の家に帰ったって事か?」
「そうなりますね。でも・・・・・解らないわ、何に対して諦めたの?借金だって払ってたんですよね?」
「ああ、ちゃんと月々言われた額を払ってた・・・・・・なのになぜだ?」

蓮も奏江も首を捻る。
何か見落としている事があるのだろうか。

「手紙には何て書いてあったんですか?」
「・・・・・・・“ありがとう”と“ごめんなさい”“どうしても逆らえない事がある”って。」
「逆らえない事ってなんなんですか?」
「俺にもわからない。」

でも、キョーコが逆らえない相手・・・・・・それは只一人母親の存在だろう。
ただ、時間だけが過ぎていく。
こうしていても何も解決しないと思って奏江は携帯を取り出した。

「こうなったら、しつこく電話してみます。家じゃなくてバカ男に。」
「バカ男って・・・・・まさか・・・・・・。」
「そうですよ、社さん。あのバカに電話してみます。ついでに会わせてもらうわ。」

それだけ言うと奏江はリビングを出て行った。
待つ事一時間弱・・・・・・奏江の執拗までの電話でなんとか会う約束を取り付けたのだ。

「それにしても、一体どんな手を使ってキョーコを言いくるめたのかしら?」
「君は、一体どうやって彼女と会う約束をあの不破から取り付けたんだ?」

蓮は不思議そうに奏江に問いかける。
不破の当主はともかく、息子と母親はどうあってもキョーコを誰にも合わせたくないはずだ。

「私にだって親友として譲れない物があるんですよ。ネタも色々持ってますしね。」

不適に笑う奏江に、改めて侮れないと思う蓮だった。

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嘘つきな関係(37)

2009/06/06 (土)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

蓮のマンションを出て、キョーコは不破家に来ていた。

「キョーコちゃん、よう来たなぁ。」
「・・・・・・・おばさま・・・・・お手紙読みました。」
「そうか、それで・・・・・今日はどうしたん?」

キョーコの荷物におおよそ検討はついているがあえて問いかける。

「母の書いた誓約書を見せてください。」

渡された誓約書を震える手で読んでいく。
確かに母の字だった。
期限の書かれていない誓約書。
それが何を意味しているか誰でも容易に想像できる。

「キョーコちゃん・・・・・・この荷物・・・・・戻ってきてくれたんやろ?」

松太郎の母親は嬉しそうにそう言いながら、メイドに頼み部屋の用意をさせている。

「キョーコちゃんはやっぱり松太郎がお似合いや。もうすぐあの子も帰ってくるさかい。喜ぶやろな、キョーコちゃんが戻ってきてくれて。」

母親とは反対に沈んでいくキョーコ。
またしても自分のとった軽率な行動に今更ながら後悔し始めていた。
でも、こうするしか道はない。
そう自分に言い聞かせる。

「キョーコちゃん、戻ってきたって事はあの子と一緒になってくれるんやろ?」
「・・・・・・・・・そうですね。母がそう望んでいるのなら・・・・・私はそれに従うだけです。」
「そんな暗い顔して言わんといて。うちかて無理じいするつもりやないで?でも、これがキョーコちゃんのためなんやで。」
「はい。分かってます。」

用意された部屋に案内されキョーコは1人ため息をついた。
今頃、探しているだろうか?
きっと怒っているかもしれない。

――――― ごめんなさい、蓮さん。

心の中でそっと謝り、荷を解いていく。
メイド達に止められたが、久しぶりに不破家のキッチンに立った。
じっと部屋にいるよりは幾分気がまぎれるから。
動いていれば、少しは忘れられると思ったから。
でも、料理を作りながら思い出されるのはやはり蓮の事ばかりだった。
ちゃんとご飯を食べているだろうか・・・・・お酒ばかり飲んでないだろうか・・・・・・・。

「キョーコさま!?お肉が焦げてます!?」
「えっ?あっ!?ご、ごめんなさい・・・・・・・。」

ボンヤリして料理を焦がしてしまった。

――――― ダメよ・・・・・・・・忘れないと・・・・・・。

キョーコは自分に言い聞かせ、料理を作った。

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近況&拍手お礼

2009/06/04 (木)  カテゴリー/感謝

気がつけば・・・・・・・いつの間にやら600HIT超えておりました( ̄▽ ̄)b
こんな辺境の地に足をお運びいただき、ありがとうございます。
6月に入ったのでテンプレートを変えてみました。
最近、忙しくて停滞気味・・・・・・。
ゲームもやってる暇がない・・・・・・先月まで暇だったのに!?
新しいのもちょっとだけ書いてますが・・・・・・いつUPできるやら。
気長にお待ちください。
以下、拍手お礼です。

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嘘つきな関係(36)

2009/06/04 (木)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

「今日はホントにすみませんでした。」

風呂上りにミネラルウォーターを飲んでいた蓮に、キョーコは意を決して話かけた。

「もういいよ。でも、どうして中に入らなかったの?」
「・・・・・・・それは・・・・・・。」
「それは?」

リビングに戻りキョーコの隣に座ると顔を除きこむ。

「それは・・・・・・・・あの・・・・・飲みませんか?私おつまみ作ってきます。」
「えっ!?」

言うが早いかキョーコはキッチンに消えていった。
残された蓮は、仕方なく酒の準備を始める。
暫くしてつまみを作ったキョーコが戻ってきた。
あまり酒に強くないキョーコに飲ませるのもどうかと思ったが、飲んだ勢いで話したいのだろう。
お酒を渡すと一気に飲み干し、ポツリポツリと話し始めた。

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