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嘘つきな関係(20)

2009/03/29 (日)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

先ほどぶつかった少女と椅子に座り談笑する。
彼女はキョーコが一人で居るのをかわいそうと思ったのか、急いでいたはずなのに今一緒に居てくれてい。

「お兄様って?」

先ほどの過激な言葉を思い出し、とりあえず聞いてみる。

「実の兄ではなくて、従兄弟なんですの。」
「従兄弟?」
「ええ、とても素敵な方で、私絶対将来結婚しますの。」
「でも、さっき婚約者がどうとかって?」
「実は私がちょっと留学してる間に、お兄様ったらどこの馬の骨とも知れない女と婚約して、しかも一緒に住んでますのよ。」

『ゆるせませんわ!!』
そう言いながら、手に持っている決してかわいいとは言えない人形を握り締めている。

――――― その人・・・・・・お気の毒に。

「で、ここへは婚約者の顔を見にきたの?」
「それもありますけど・・・・・・これですわ。」

差し出されたのは、先ほどから握り締めていた人形。

「人形?これをどうするの?」
「その女の髪の毛をこの人形に入れて呪いをかけますの。」

物凄く嬉しそうに話してくれる。
しかし、内容が内容だけに笑えない。

「そんなにお兄様の事好きなの?」
「ええ、そういうあなたは好きな人とかいないの?」

こんな出合って間もない子に、好きな人とか聞かれると思ってなかった。
でも、この子を見ていると遠い昔の私を見ているようで切なくなる。

「どうかしましたの?」

突然話さなくなったキョーコを心配そうに覗き込む。

「う、ううん。ちょっと思い出しちゃって。私もあなたぐらい、一生懸命好きな人の事を思ってた時があったなぁって。」
「その人とは・・・・・・その、どうなりましたの?」

興味心ではなく心配そうに、遠慮がちに聞いてくる姿は本当に大人顔負けだ。

「その人とは、上手くいかなかったの。私はね恋愛対象外だったみたい。」

言葉にしながらまだ少し傷ついている自分がそこに居た。
あの日、あんな事があってからガムシャラに働いて・・・・・・見ないように、気付かないようにしてきた思い。
まさか、改めて振り返る日が来るとは思わなかった。
でも、不思議と気持ちが軽いのはあの人のおかげだろう。

「私もね、お兄様にはきっと恋愛対象としては見てもらえないの。」
「どうして?マリアちゃん告白してみたの?」
「ううん。でもそんな感じの話をすると少し困った顔をして笑うの。私、困らせたい訳じゃないのに。」
「そっか。マリアちゃんは本当にその人の事大好きなのね。」

優しく笑うキョーコをみてマリアは彼女に見蕩れてしまった。
今日会ったばかりの、見ず知らずの子供を相手に、真剣に恋愛の話を聞いてくれる人。
そんな大人はマリアの周りには居なかった。
そして、子供相手に自分のつらい恋愛話をしてくれる人も・・・・・・・・。
きっと彼女の話に嘘は無いのだろう。
人に惹かれるとは多分こういうことなんだ。
マリアは自分の事で一緒に悩んでくれるキョーコの事をもっと知りたくなった。

「ねぇ、お姉様さま。その・・・・・どうやって立ち直りましたの?」
「えっ?私?」

なんて言ったらいいのだろう。
キョーコの場合、話が特殊なため何の参考にもならない。
でも、すがるような、期待するような目で見られると何か言わなくちゃいけないと思う。
今思う自分の心情を・・・・。

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嘘つきな関係(19)

2009/03/27 (金)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

ここに越して、数ヶ月・・・・・・。
越してきて早々色々あったけど、今は気持ち悪いくらい穏やかな日々。

――――― こういうのを嵐の前の静けさって言うのよね。

我ながら自分で言ってて恐ろしい。
少し遅く起きた朝、リビングでくつろいでいた敦賀さんが唐突に切り出した。

「キューコ、そろそろ婚約者らしい事をしてもらおうかな?」
「婚約者らしい事?ですか。」
「そう、とり合えず朝食食べたら出かけよっか。」
「は、はい・・・・・・。」

―――――一 体何させられるの・・・・・・考えただけで・・・・・・動悸と眩暈が・・・・・・。


連れてこられたのは、多分キョーコには一生縁のなさそうなブランドの服が並ぶ店だった。

「すみません、彼女に似合いそうなドレスを2,3着見立ててもらえる?」
「はい、かしこまりました。」
「あ、あと靴とバックも。」
「承知いたしました。敦賀様はこちらでお待ちください。」

有無を言わせず店員さんに試着室に連れて行かれ、何着も着せ替え人形のようにドレスを着ては蓮に見られるとい恥ずかしい目に合わされた。

「こちらなんて、いかがですか?今季新作のサマードレスなんです。」
「うん、いいんじゃないかな?キョーコはどう思う?」

――――― そんな蕩けそうな笑みで言われても・・・・・嬉しくない・・・・・わけないけど・・・・・こんな服・・・・・似合うわけない。

恥ずかしさも手伝ってキョーコは俯きしゃがみ込む。

「どうしたの、キョーコ?」
「私には似合いませんよ。服に着せられてる気がして・・・・・・。」
「そんな事ないよ。色もキョーコにぴったりだと思うけど?」

淡いピンクのサマードレスを着た自分の姿を鏡で見ながらキョーコの横にいる人を盗み見する。

――――― どうして、敦賀さんがそんなに嬉しそうな顔してるのよ。

結局、ドレス3着にそれに合う靴3足、バッグ3点・・・・・一体いくら使っているのかと、呆れすぎて返す言葉も無い。

「次、行こうか。」

手を引っ張られ次の店に連れて行かれる。

「ち、ちょっと、次って・・・・・これ以上何買うんですかぁ!!」
「キョーコを着飾るものなら何でも。」

軽くウインクされた。
普通の人ならドン引きだけど、この人はそんな仕草も絵になってしまう。
その後もアクセサリーを見に行き、これまた肩がこりそうなダイヤのネックレスを買われそうになったのをなんとか押しとどめた。

「わ、私シンプルなのがいいです。」
「シンプル?例えば?」

ショーケースの中にある装飾品の数々のほとんどは見たことのない桁で・・・・・値段しか見てなかった・・・・・・。
とり合えず適当にシンプルそうなのを指さしてみる。

「これ、これなんかかわいくないですか?」

指差したのは四葉のクローバーをモチーフにしたピンクの石のネックレス。
クローバーの葉の一つ一がピンクのハート型の石で構成されている。

「そうだね。今日選んだドレスに合いそうだね。」
「私も今、そう思ってたんです。」

返事をしながらケースの中の値札を見て腰を抜かしそうになる。

――――― ひ、ひやぁ~・・・・・私、まずいいもの選んじゃった!!

シンプルだからと選んだものは数え切れないぐらい“0”がついている。

「や、やっぱり止めて・・・・・こっちの・・・・・。」
「すみません、このピンクのクローバのと、あとこれとそろいのイアリングとかありますか?」
「あ、あの・・・・・私の話を・・・・・・・。」
「あと・・・・ブローチとかコサージュとかも見る?」

まんべんのキラキラスマイルで、有無を云わざる笑顔を撒き散らしている。

――――― どうせ・・・・・『俺が買うんだから文句なんか無いだろ!!』くらいにしか思ってないんでしょうけど・・・・・・庶民には贅沢すぎる値段よ。
貧乏には眩しすぎる金額。

――――― これだけあれば借金だってパ~と返せそう。

そんな良からぬ事を考えてしまう。

「キョーコ、それ質屋に持ってったって二束三文だよ。」
「うっ・・・・・どうしてそれを・・・・・・。」
「キョーコの事は何でもお見通し。」

余裕綽綽で憎たらしくなる。
毎回、毎回この人のペースに乗せられて・・・・・・・・。
最近それが嫌じゃない自分がいるのに驚く。

――――― もー、こうなったらやけくそよ!!見た目で選んでやる!!

小さな抵抗を諦めた私は、素直にショーケースの中を見てまわった。

――――― あ、これかわいい・・・・・・。

そこにはシンプルなブルーダイヤの指輪が展示してあった。

――――― きっと私には一生縁の無い代物よ・・・・・・・。

それはエンゲーギリング・・・・・・・・。

「キョーコ、それほしいの?」

急に話しかけられ、体温が近くに感じる距離に蓮が来る。
ドキドキが聞こえてしまいそう。

「えっ、てか近いから離れてください。」
「どうして?」
「どうしてって・・・・・・・恥ずかしいから・・・・。」
「恋人同士なのに?」
「嘘のじゃないですか。」
「俺は本当にしたいんだけど?」
「はぁ・・・・・・・もういいです。」

――――― ほら、またそうやってからかってくる。

なんだかんだと、蓮のペースに乗せられる。

「キョーコ、そろそろ時間だから少し急ごう。」
「えっ、これから何処に?」
「話は車の中でするから、早く乗って。」

向かった先は美容院。
髪をセットしてもらい、さっき買った服に着替え靴を履き完成。

「あの・・・・・蓮さん・・・・・変じゃないですか?」
「どこが?凄く似合ってるよ。」
「/////////ありがとう・・・・ございます。」

――――― だから、その顔やめてほしい・・・・・・こっちが恥ずかしくなる。

「キョーコ、左手だして。」
「えっ、左手ですか?」
「そう、最後の仕上げ。」

言われるがまま左手を出す。

「そうじゃなくて、手の甲を向けてくれる。」
「こうですか?」

そのまま手のひらを返す。
私の手を取り左の薬指に冷たいものが触れた。

「な、えぇ!!これってさっきの!!」
「そう、キョーコ物欲しそう見てたから。」
「な、物欲しそうになんてなんて、見てません!!」
「あれ?これじゃなかった?」

――――― さっきの・・・・・見られてたんだ。だからって・・・・・・なんでエンゲージリング?

見られてた恥ずかしさと、急に指輪をつけられてプチパニックに陥る。

「婚約者に婚約指輪もないなんておかしいだろ?」
「・・・・・・・・・・確かに、そうですよね。」

――――― なんだ、そんな事。そうよね、嘘でも形は大事よね。

妙に一人で納得してしまう。

「本当はもっとロマンティックなところで渡したかったんだけど。なにぶん時間が無くて・・・・・ゴメンね。」
「いいですよ、そんなの。どうせ形だけなんですから。」

笑って云った言葉に傷ついた顔をしたのは、キョーコではなく蓮だった。

――――― なぜ、あなたがそんな辛そうな顔をするの?

心の中で問いかける。
次の目的地に向かう間・・・・・・・車内は妙に静かだった。
まるでお互いの心を静めるように・・・・・・・・。

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本がきましたぁ(*^▽^)/★*☆♪

2009/03/24 (火)  カテゴリー/独り言

やっと届きました。
某本屋さんの存在は、他のサイト様のところで存じられた方もいらっしゃるみたいですね。
私はこの本屋さんが近所にあって、HPを見て知っていました。
でも・・・・・送料などを考えると特典をお金で買ってる感じですよね。

全然関係ありませんが、ネットが普及しているせいか以前スキビのポスターをいらなくなったらほしいとお願いしたところ・・・・・某本屋さん的には「あげたいんだけど、ネットオークションで売買する方がいるので出版社様が回収しているので無理なんです。すみません。」との回答でした。ちょっと昔なら二つ返事でもらえてたのに・・・・・・・そう思うとせちがない世の中ですね・・・・・。
感想は続きをどうぞ。

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嘘つきな関係(18)

2009/03/22 (日)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

カーテンから差し込む日差しに身じろぎする。

――――― 今、何時だろ・・・・・・っ頭痛い・・・・・・。

ボンヤリする意識の中・・・・・・・見上げた天井は見慣れない景色だった。

――――― あれ?ここ・・・・・・どこ?確か昨日は“だるまや”で皆で飲んでて・・・・・それからどうなったんだっけ?

周りを見渡そうと思い体を起こそうとしたけど・・・・・・体が動かない。
いや、動かないのではなく正確には動けない。
動けない正体を確かめるべく、ゆっくりと顔だけそちらに向けると・・・・・・
なんで!!私・・・・・・どうして敦賀さんと寝てるのよ!!
キョーコの横には蓮の寝顔。
そしてここは蓮のキングサイズのベット。
そして、そして、キョーコは蓮の腕によってただ今抱き枕状態なのであった。

心臓がバクバク音を立てる。
二日酔いも一気に覚めるようなこの状態。

――――― とにかく抜け出さなきゃ。

どんなにもがいてみても、ジタバタしてみても腕の拘束は解けることは無い。

――――― はぁー、何やってるんだろ・・・・・・・私なんて、ちっぽけな存在よね。

無駄な抵抗を諦め、本人が目覚めるのを待つことにしたキョーコは蓮の方を見た・・・・・・ら目が合った。

「そんな事、ないと思うけど?」

先ほどまで、キョーコ横で気持ち良さそうに寝ていた人物が目を覚まし、なおかつキョーコの心の声に返事を返している。

「え゛っ?」
「だから、俺には大きな存在だけど?」
「って、起きてたんですかぁ?いや、そうじゃなくて私・・・・・今、声に出してましたか?」
「うん。さっきから一人でもがいたり、顔が百面相してて面白かった。」
「起きてるなら、早く腕をどけてください!!」

爽やかな朝、静かな寝室に私の叫びがこだました。

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感想

2009/03/21 (土)  カテゴリー/独り言

やっと読みました。
相変わらず私はワンテンポ遅い・・・・・・。
続きはネタバレ?です。

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嘘つきな関係(17)

2009/03/20 (金)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

室内に静けさが漂う。
ほんの数分前・・・・・・奏江に色々話を聞いてもらっていたはず・・・・・だったのに。
今、目の前にいるのはその色々の根源の人で・・・・・・・。

「ほ、ほら琴南さんも今日は蓮が奢ってくれるらしいから飲んで。」
「えっ、敦賀さん奢ってくれるんですか?じゃぁ私、もう一杯たのもうかなぁ?」

社とキョーコは必死でこの嫌な空気をいっそうすべくがんばっていた。
しかし当の2人の顔は、にこやかなものの火花が散っている。

「や、社さん・・・・・この2人・・・・・仲悪いんですか?」
「うぅ・・・・まぁ、琴南さん仕事は出来るんだけど・・・・・なぜか蓮には手厳しいと云うか・・・・・。」

社さんとこっそり話していると、

「そこ!!2人でコソコソ何、話してるんですか?」
「そこ!!2人でコソコソ何、話してるの?」

2人同時につっ込まれた。

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嘘つきな関係(16)

2009/03/18 (水)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

一日の仕事も終わり、珍しく会食もなかった蓮は今日の夕食を楽しみに、家路に急ごうとしていた。
食に全く関心のなかった蓮が、キョーコの作るご飯を楽しみにしいるなんて、ちょっと前じゃ考えられない。

――――― こんな事、社さんに知られたら・・・・・・・絶対ネタにされて遊ばれる。

「れ~ん~。なんか良いことあったのか?顔が緩んでるけど?」

ニヤニヤしながら聞いてくる。

――――― しまった・・・・・つい彼女の事を考えてたら・・・・・・・。

慌てて顔の筋肉を引き締める。

「社さん、何言ってるのか心当たりがありませんけど?」
「・・・・・・おまえなぁ、さっきまで嬉しそうな顔してたくせに。」
「嬉しい事ならありましたよ。今日は煩わしい会食がないですから。」

いつものように済ました顔で話を誤魔化す。

「そんなの破顔するほど嬉しい事だと俺は認めない。」
「別に社さんに認めてもらわなくてもいいですよ。」
「どうせキョーコちゃん絡みだろ?あれからどうなったのか気になって気になって・・・・・・でもその様子じゃ仲直りしたんだ。」
「仲直りも何も、はじめから喧嘩なんてしてま・・・・・・・・。」

その言葉は携帯の着信音によってかき消された。

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pinku

2009/03/17 (火)  カテゴリー/短編

ラブミー部の部屋でキョーコは新しい携帯の説明書とにらめっこしていた。

「最近の携帯っていろんな機能が多すぎる・・・・・」

そう一人つぶやきながらページをめくっていく。
(海外で使えるんだ・・・・ってそんな仕事くるのかなぁ?)
そう思いながらまたページをめくる。
(テレビも観れるんだ。)
500ページ以上ある説明書はまだ半分にも達していない。

「もう、読んでてもキリがない・・・・・とりあえず、使う機能だけさらって読んでみよう。」
「何をさらって読んでいくの?」
「えっ!」

説明書から顔を上げるとドアの入り口に立っている敦賀さんがいた。

「ノックしたけど返事がなかったから・・・・・・なに、それ。携帯の説明書?」
「あ、はい・・・・これは・・・・その・・・・」
「なに、最上さん事務所から新しいの支給されたの?」
「い、いえ、これは・・・その・・・・」

いつもより歯切れの悪い彼女。

「なに、俺には言えないこと?」
「そう言うわけじゃ・・・・・」

(どうしよう・・・・・モー子さんに『むやみやたらと教えないこと』って言われてるし・・・・・でも敦賀さんだしいいよね。)

「実は、先日だるまやのご夫婦が『事務所の携帯だと気兼ねなく電話できない』って仰って・・・・思い切って私用の携帯を買ったんです。」

そういって取り出したのはラブミー部つなぎと同じ色のピンクの携帯。

「モー子さんとお揃いなんです。色は違うんですけど。」

そう言う彼女はそれが一番言いたかったのだろう。

「そうなんだ。」
「はい。お揃いにしようと思ったんですけど、モー子さんが『なんでアンタとお揃いにしないといけないのよ!!』って怒られて・・・・・・」

その時の事を思い出したのかみるみる沈んでいく。

「それで、どうしたの?」

思考の森に迷い込む前に話しを引き戻す。

「あっ、それで私ががっくりしてたら『もー、仕方ないわね。同じ機種にしてあげるわよ。その代わりその色意外よ。』って言われて・・・・・」
「で、琴南さん何色にしたの?」
「シンプルなのがいいって白にしてました。」

(まぁ、そうだろう。俺もいくらお揃いが良くてもその色は無理だ。)
彼女の手にある携帯をみながらそう思う。

「で、どうして俺に隠そうとしたの?」
「か、隠そうとした訳じゃなくって・・・・・モー子さんから言われてたんです。」
「何を?」
「私用の携帯の存在を知られるなって・・・・・・」

(琴南さんも、そう言う所は抜かりないな・・・・)

「俺にも知られたくなかった?」
「えっ?いえ・・・・敦賀さんなら大丈夫だと思ったからお話してるんです。」

そんな事を笑顔で言われると“ギュッ”ってしたくなる衝動にかられる。

「そう言えば、敦賀さんはプライベートの携帯は持ってないんですか?」
「俺?持ってないよ、どうして?」
「敦賀さん、交友関係広そうだし、共演者さんとアドレス交換とかしてたじゃないですか?」

(この子、どこで見てたんだろう・・・・・これからは気をつけないと。)

「俺が持ってるのは最上さんが知ってる番号の携帯だけだよ。事務所のだから、むやみやたらとかかってこないんだ。」
「あっ、そうですよね。私もたまに聞かれますけど、事務所の携帯だからってお断りしてるんです。」
「ふ~ん」

敦賀さんの声のトーンが少し低くなった気がする。

「じゃぁ、これからはいろんな人に聞かれたら私用の番号教えるんだ・・・・・」

(な、なんで怒ってらっしゃるんですかぁぁぁぁ!!)
さっきまで普通だったのに今はキュラキュラスマイル発動中。

「お、教えませんよぉ~。大体私の番号聞きたがる人なんてそうそういませんよ!!」

力一杯否定する彼女・・・・・俺の耳にも彼女の番号を聞こうとした話しは幾つか届いている。
(自覚がないと言うか・・・知りたい人間が目の前に居るんだけど・・・・)

「最上さん、携帯見てもいい?」
「えっ?あ、はいどうぞ。」

そう言って何の警戒もなく携帯を渡す。
(はぁ~そんなんだから騙されるんだよ・・・・・・)
渡された携帯のアドレスを見ていく。
(だるまや、モー子さん、・・・・・・・・社さん・・・・・俺のがない。)

「最上さん、俺のは?」
「えっ?敦賀さんのは入れてませんよ。」

さも、当たり前のように返された。

「どうして?社さんのは入ってるのに?」
「そんな大先輩の番号を恐れ多くも私用の携帯になんか入れれません!!」

部屋の気温が下がる。
敦賀さんの周りにブラックなオーラが渦巻く。

「ふ~ん。最上さん、社さんのは登録してるのに俺のは登録してくれないんだ。」
「(ひぃぃぃぃぃ!!さらに怒ってる・・・・・)そ、それじゃぁ後で入れておきます。」
「いいよ、俺が入れといてあげるよ。」

そう言って敦賀さんは私の携帯に入力し始めた。
ピンクの携帯を持つ敦賀さん・・・・・似合わなさ過ぎる。
「プッッ・・・・・クックックッ・・・・」
「なにかな?何かおかしい?」

急に笑い出した私を不振に思ったのか珍しく敦賀さんが戸惑っているように見える。

「だって・・・・クックックッ・・・敦賀さんにその携帯・・・・・合わなさすぎです。」
「・・・・・確かに、俺には合わないけど・・・・・そんな涙目になってまで笑わなくても・・・・・」
「すみません・・・・(クスッ)」

なんとか笑いを押さえ込む。

「はい、入れといたから。その番号にかけてみて?」
「えっ?今ですか?」
「そう。今じゃないと最上さん俺に教えてくれなさそうだから。それとも教える気もなかったのかな?」
「め、滅相もございません。私のようなものの番号を知りたいなんて・・・・・何だか恐れ多い。」
「そうかなぁ?俺はこれでも最上さんと仲良しのつもりだけど・・・・・違うんだ・・・・」

ちょっと呆れ気味びそう言うと彼女はあたふたしながら携帯を操作する。
♪~♪~♪~俺の携帯が鳴り始める。

「こ、これでいいですか?」

携帯で彼女の番号をすばやく登録する。
「次はアドレスだね。空でいいから送ってくれる?」
「は、はぁ・・・・・」

その時ノックと共にドアが開いた。

「蓮、そろそろ時間・・・・・・」

事務所の用事も終わり、次の現場に向かうため休憩していた部屋のドアを開けると・・・・・担当俳優はものすごく面白くない顔をしていた。

「れ、蓮悪かったよ・・・・・タイミングを間違えた。」
「本当ですよ社さん。おかげでアドレス聞けずじまいじゃないですか。」

事務所の駐車場に向かいながら蓮の怒りをなんとか鎮めようとする。
俺が部屋をたずねてすぐ彼女も椹さんに呼ばれ部屋を後にしたのだった。

「俺が今度、聞いとくからさ。」
「社さんはいいですよね。頼まなくても登録されてて。」
「うっっ・・・・」
「しかもあんなにあっさり『敦賀さん、社さんにも教えといてください。』とか言われて・・・・・」
「そ、それは・・・・」

完全に怒ってる・・・・・
(最悪だ!!・・・・・まぁ仕事に支障はないだろうけど・・・・・俺は生きた心地がしないよ~誰か助けて~!!)
そんな時蓮の携帯がなった。


慌てて携帯を出す。
差出人は“no neam”、メールを開くと

最上です。先ほどメアドを遅れなかったので送ります。必要なければ消去してください。お仕事がんばってくださいね。それでは失礼します。

そこには彼女らしいメールが入っていた。

「社さん、もう一仕事がんばりましょうか。」

(蓮の奴め・・・・・さてはキョーコちゃんからだな・・・・全くげんきんなやつめ。)
そこにはお目当ての彼女から携帯番号とメールアドレスをまんまと?ゲットした上機嫌な担当俳優がいた。



end







ワタクシ事ですが最近携帯を換えました・・・・しかもピンクに(苦笑)

嘘つきな関係(15)

2009/03/16 (月)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

「モー子さんとだるまやに来るの久しぶりかも。」
「そうね、あんたいつもバイトばっかりしてたから・・・・・。」

運ばれてきたグラスを持つとグラスを合わせる。

『今日も一日、お疲れ様。』

乾杯してチュウハイを飲む。
結局、ご飯を食べながら誰にも話を聞かれない所で“だるまや”しか思い浮かばなかったのだ。
奥の個室なら話し声も聞こえない。

「二人ともいらっしゃい。琴南さんは久しぶりだねぇ。」

そう言いながらおかみさんがさっき頼んだ大根サラダと焼き鳥の盛り合わせ持ってやって来た。

「そうですね、ご無沙汰してます。」
「おかみさんありがとうございます。」
「まあまあ、キョーコちゃん。今日はお客さんなんだからそんなことしなくてもいいんだよ。」

つい、いつもの癖でお皿を受け取ってしまう。

「それから、これはあの人から。」

差し出されたお皿にはお刺身の盛り合わせがのっていた。

「お、おかみさん!困ります。」
「そうですよ・・・・こんな立派なお造り・・・・ねぇキョーコ?」
「いいのよ、気にしないで。そんな事より・・・・・キョーコちゃん最近変わったこと無かった?」
「変わった事、ですか?」

最近変わったことといえば・・・・・思い当たる事がありすぎて・・・・・でも大将やおかみさんには云えない話。

「実はね、キョーコちゃんの住んでる所が知りたいって、男の子が訪ねて来たのよ。」
「えっ?それっていつですか?」
「確か・・・・・先月の終わりに。キョーコちゃん引っ越したのかい?」

―――――まずい・・・・・敦賀さんの家に越したなんていったら・・・・・・大将にどやされる事確実だわ。

言葉に詰まるキョーコに奏江が変わりに話す。

「実は・・・・・この子、変な男につけ回されて・・・・・・だから引っ越したのよね。」
「そうなのかい?」

心配そうにおかみさんが問いかける。

「は、はい。今、知り合いの人の家に間借りさせてもらってるんです。」

これは本当のこと。
こんないい人に嘘をつくのはしのびない。

「云ってくれれば・・・・・家に来ても良かったのよ。そのほうがあの人も喜ぶし。」
「おかみさん・・・・・ありがとうございます。」
「で、どんな人だったんですか?」

モー子さんが心配げにおかみさんに聞く。

「確か・・・・・背が高くて、細身の・・・・・ちょっと今時のチャラチャラした感じの子だったわよ。」

モー子さんと目が会う。
多分同じ人物を思い浮かべたのだろう。

――――― ショータロー・・・・・・。

「おかみさん・・・・・大将が心配するから・・・・・・その・・・あの・・・・・・。」
「わかってるよ。でも、何かあったらすぐに知らせるんだよ。」

自分を心配してくれる人がいることがキョーコにはうれしかった。

「はい。ありがとうございます。」
「ゆっくりしてってね。」

2人を交互に見ながらそう言っておかみさんはドアを閉めた。

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Imitation Day

2009/03/14 (土)  カテゴリー/Seasons

「蓮・・・起きて、今日もいい天気よ。」

そう言いながらカーテンを開ける。

「う・・・ん・・・・」

身じろぎしながら目を覚ますのはこの部屋の主。
眩しそうに瞳を細め起き上がる。

「キョーコ・・・・おはよう。」
「おはよう、蓮。」
「早く起きて、朝ごはんできてるから。」

そう言いながら、ベットサイトから離れようとする私の腕を細く長い指が絡めとる。
そして、そのままベットに押し倒された・・・・

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嘘つきな関係(14)

2009/03/13 (金)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

いつものように奏江とお昼ご飯を食べていると・・・・・・。
パタパタパタパタという音と共に物凄い勢いでドアが開き、瑠璃子が入ってきた。

――――― ・・・・・・やっぱり聞きに来た。

キョーコは心の中でため息をつく。

「どうしたの?血相変えて?また社長絡み?」

冷ややかに視線を送りながら、おにぎりを口へ運ぶ奏江。
“社長絡み”の言葉にドキッとする。

「違うわよ!!・・・・・・・キョーコ!!水族館で一緒に居た人だれ!?」

前置きもなく本題に入られる。
奏江は食べかけたおにぎりを喉に詰まらせむせている。

「ゴホゴホ・・・・ちょっと瑠璃子、何言ってんの?」
「だって、見たんだもん。キョーコが長身の男の人と一緒に居るところ。」
「ほんとにキョーコだったの?」

眉をしかめて確かめるように聞きなおす。

「間違いないって。キョーコったら、私の顔見るなり逃げたのよ!!」
「男と水族館?あんた行ったの?」

二人に視線を向けられ嫌な汗がでる。

――――― 瑠璃子ちゃんは誤魔化せるとしても・・・・・モー子さんは無理・・・よね・・・・。

キョーコの一番の理解者でもある奏江に、今の現状を言っていないのはどこか後ろめたい。

――――― どうせいつか話すつもりだったし・・・・・いい機会かも知れない・・・・。

意を決死、真実を話そうとした時・・・・・・先に話しだしたのは奏江だった。

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ふと思った事

2009/03/12 (木)  カテゴリー/独り言

アニメは3月いっぱいまでなんですね。(地域によって異なりますが・・・・)
やっと“DARK MOON”編が始まったのに、あと3回でどこまでやるのでしょうか?
蓮とキョーコの『DARK MOONごっこ』はみれるのかなぁ?
そこが私的にはメインなんですが・・・・・。
でも・・・・無理そう。
“夏目”や“ヴァンパイア”のように続が出来る事を期待してます。

嘘つきな関係(13)

2009/03/11 (水)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

誰かの前で泣いたのなんて何年ぶりだろう・・・・・・。
化粧室の鏡を見ながら我ながら酷い顔だと思いつつ化粧を直す。

――――― きっと繋いだ手の温もりが、お父さんを思い起こさせたから・・・・・きっとそう。だから間違ってもこの思いは・・・・・・・。

鞄から取り出した小さな巾着を両手に握り締め呟く。

――――― だいじょうぶ、だいじょうぶ、だいじょうぶ、・・・・・・・・・。

大きく深呼吸をして気持ちを落ちつかせると、待ってるであろう人の所へ急ぐ。

「お待たせしました・・・・・。」
「お帰りキョーコ、どう?少しは落ちついた?」

顔を覗き込まれ、みるみる顔が赤くなるのを誤魔化すように話を逸らす。

「向こうの水槽見に行きましょう。」

きびすを返して歩き出した時、カップルらしき二人がこちらに向かってきた。
薄暗くて顔はまだ見えないが聞き覚えのある甘えた声・・・・・。

――――― この声・・・・・まさか・・・・・

向こうもキョーコに気がついたようだ。

「ちょっと、キョーコじゃない!!こんな所でどうしたの!!」

・・・・・その声の主は会社で噂好きの瑠璃子だった。

――――― や、やばい・・・・・こんな所で見つかる訳にはいかないのよ・・・・・・

とっさに私は振り返り、後ろを歩いていた蓮の手を取り走りだした。

「なっ、どうしたのキョーコ?」

突然手を掴まれ走り始めた私に疑問の声を上げる。

「ちょっと!!待ちなさいよ!!その人誰よ!!キョーコ!!」

瑠璃子の声が館内に響き渡るけど、かまっていられない。

「誰?キョーコの知り合い?」
「会社の同僚で・・・・・・あなたのファンです・・・・・・。」
「・・・・・・なるほど。」
「なにのんきに納得してるんですか!!このままだと見つかっちゃいますよ!!」

館内を瑠璃子に追いかけられ走り回る。

[待ちなさいよ!!キョ~コ~!!」

――――― 待てって言われて待つ人いないわよ。

館内を鬼ごっこのように瑠璃子から逃げるが、瑠璃子もしつこく追いかけてくる。

「キョーコ、こっち。」

そう言って手を引かれ館内の非常扉の裏に隠れる。
見つからないように、蓮がキョーコの体をすっぽりと隠すように抱きしめた。

「!!」

驚いて離れようとするけど、びくともしない。

「暴れたら見つかっちゃうよ。」

耳元でそう囁かれ、追いかけられてドキドキしているのか蓮に抱きしめられてドキドキしているのか、訳が分からなくなる。

「はぁ、はぁ、はぁ、・・・・・・んっもう!!キョーコったら、逃げ足速いんだから!!彼氏いないとか言ってたくせに!!会社で問い詰めてやる!!」

そう言って瑠璃子は悔しさを滲ませながら一人ごちて、キョーコ達が隠れている場所から離れていった。

「はぁ~、なんとか逃げ切れた・・・・・・・。」
「そうだね。」
「私・・・・・こんなに走ったの久しぶりかも。」
「俺も・・・子供の時以来かも。鬼ごっこ。」

そう言って二人で顔を見合わせ笑い出した。

「そろそろ行こうか、もうお昼だし。さすがに探してないだろう?」

ひとしきり笑った後、そう言ってキョーコの手を取り蓮は歩きはじめる。

「・・・・・いえ、彼女はしつこいですよ。」
「そうなの?まぁばれたら、ばれた時だよ。俺はばれてもいいけどね。」
「そんな、他人事みたいに・・・・・。」

楽しそうにそう言って歩き始める蓮に手を引かれ、見つかりたくないキョーコ仕方なく水族館を後にした。

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嘘つきな関係(12)

2009/03/09 (月)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

あの日以来、久しぶりに乗る蓮の車。
海岸沿いを走る車の窓を開けると潮風が心地いい。

「あの・・・・ほんとによかったんですか?」
「なにが?」

運転している蓮に遠慮がちに聞いてみる。

「私の行きたい所に行ってもらっても・・・・・」
「行っただろ、君の行きたい所に連れて行くって。」

そう言う蓮の声は穏やかで楽しそうだ。
今、向かっているのは水族館。
水族館ならちょっと薄暗いし誰かに会っても分かりにくいと思ったから・・・・それともう一つ・・・・。

「水族館なんて久しぶりだよ。」
「敦賀さんでも水族館に行くんですね。」
「ん?俺だって子供の頃は行ってたよ・・・・・それより“蓮”だろ“キョーコ”」

キョーコと敦賀さんに呼ばれると何だか照れくさい。

「れ・・・ん・・・さん?」

たどたどしく呼ぶ私に敦賀さんは笑い出した。

「なっ、どうしてそこで笑うんですか!!」
「だって・・・・キョーコが・・・・くっっ・・・・そんなカチコチで呼ばれても。」
「そんな事言われても・・・・・・」

自分の中では精一杯の勇気を振り絞って呼んだのに・・・・・。

「昨日言っただろ。俺たちは結婚を誓った恋人同士。敬語もなし。」
「と、年上の人に対して敬語は必須です。」

確かに礼儀正しい彼女の事だ。
それが彼女の常識なのだろう。

「ふぅ~仕方ないなぁ・・・・じゃぁ俺の呼び方も“さん”付けでいいよ。でも、そのうち慣れてね。」

そう言って笑う蓮にキョーコは恥ずかしそうに頷いた。
チケットを買いキョーコに渡す。

「いくらですか?」

デートで女性からそんな事言われた事がない。

「デートだから俺に払わせて。」

だが、キョーコは食い下がる。
蓮は何とかキョーコを言いくるめる言葉を捜した。

「いつもご飯を作ってくれてるお礼だから・・・・・。」
「でも・・・・・。」
「キョーコは本当に律儀だね。」
「だって、それは・・・・・。」
「謙虚なのはいいけど、俺の顔を立ててくれると嬉しいな。」
「わ、分かりました。ありがとうございます。」
「それじゃぁ行こうか。」

キョーコの手を取り歩き始める。
その瞬間、抗議の声が聞こえるけど聞こえない振りをする。
横で戸惑うキョーコだったが、現れたトンネル型の水槽に今度は歓喜の声を上げる。

「すごい!!こんな角度からお魚が見えるなんて。海の中に居るみたい。」

そういって目をキラキラ輝かせている。
手を繋いでいることも忘れてはしゃぐキョーコは蓮の贔屓目なしでも可愛いと思う。
トンネルを抜けると、大きな水槽が真ん中にありその周りの水槽には世界各地の魚が展示されている。
その水槽を見ながら、らせん状に大きな水槽の下まで下っていく造りだ。
2人で一つ一つ水槽の中をのぞいて行く。

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嘘つきな関係(11)

2009/03/08 (日)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

重苦しい空気のなか、蓮と二人で並んで食べる夕食は、ショータローがキョーコアパートにやってきて、キョーコがここに住む事になったあの日を入れても数えるほど。
無言で食べ進めていくけど、なんだかご飯が喉を通らない。
キョーコは思い切って、お箸を置き敦賀さんに向き直った。

「あ、あの・・・・敦賀さん?」
「なに?」
「す、すみませんでした。」

勢いよく頭を下げる。

「最上さん、頭を上げて。」

キョーコはゆっくり頭を上げると、そこには嘘つき毒吐きスマイルがまっていた。

――――― ひぃぃぃ!!怒ってる・・・・怒ってるわ!!

「や、社さんからお聞きになったんですよね。」

キョーコの言葉に、蓮は今までで一番うそ臭い笑顔を見せた。

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嘘つきな関係(10)

2009/03/07 (土)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

「つ、つかれたぁ~」

一人ごちながらマンションの鍵を開け部屋に入る。
最近まともに顔を合わせていない同居人(あの人曰く同棲らしいが・・・)を会社で見たせいか、あの後ちっとも仕事がはかどらなかった。
スーパーで買ってきた物を冷蔵庫にしまってから、いつものようにリビングを抜け自室に行こうとした時・・・・・

「お帰り、最上さん。」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!」

居ない筈の人物の声におののく。
声をしたほうに目をやると、ソファーに仰向けになり雑誌を読んでいるこの部屋の主がいた。

「何かなぁ?その驚きようは・・・・・『まさか!!今日は会食があるから帰ってくるのが遅いはずなのに』って思った?」

――――― ギクッ・・・・当たってる。この人・・・・・エスパー?

思っていた事を言い当てられ黙り込む。

「図星・・・か。」

ため息をつきながらソファーから身体を起こす。

「今日の会食はキャンセルになったんだよ。」

そう言ってにっこり笑うその顔はまさに嘘つき紳士スマイル。

――――― いっやぁぁぁぁ!!目が笑ってないぃぃぃぃぃ!!

「それにしても酷いなぁ、社さんとメールや電話するほど仲良しだったなんて知らなかったよ。」

その言葉に、キョーコは背中に冷たい物が走った。

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変わり雛?-AFTER-

2009/03/04 (水)  カテゴリー/Seasons

会場には立派なひな壇が飾られている。
料理もちらし寿司と蛤の吸い物、菱餅に雛あられ。

「この白い飲み物はいったい・・・・?」
「敦賀さん知らないんですか?それは“甘酒”です。」
「“甘酒”ってお酒なの?」
「原料は酒粕なんで少しはアルコールが含まれているらしいんですけど、未成年にも許可さ
れてるお酒なんですよ。でもお酒に弱い人が飲むと酔うことがあるらしくって・・・・・そのてん
敦賀さんは大丈夫ですね。」
「最上さん・・・・・人を酒乱のように言わないでくれるかな?」

確かに家にはカウンターバーがあり、ありとあらゆるお酒が置いてあるが・・・・

「立派なひな壇ですよね、さすがマリアちゃんの雛人形。」

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変わり雛?

2009/03/03 (火)  カテゴリー/Seasons

3月3日・・・・・今日は女の子の節句『ひなまつり』
キョーコは今、宝田邸の厨房にいた。

「これで準備はオッケーね。上に飾るお人形もバッチリだわ!!」

できたばかりの特大ひな祭りケーキをワゴンに乗せ、襷がけをはずして
パーティー会場へ急ぐ。

「蓮さまぁ~ようこそ“ひな祭りパーティー”にお越しくださいました。」
「こちらこそ、お招き頂き光栄でございます。」
「いいえ、蓮さまこそお忙しいのに来て頂いてうれしですわ。」

そう言ってマリアちゃんはうれしそうに笑った。

そもそも俺が“ひな祭りパーティー”なるものに来た理由・・・・・
それはひとえに
『蓮、お前は日本の行事に疎すぎる。“ひな祭り”がどんなものか体験して来い!!』
と言う社長命令・・・・・・
携帯で調べた限りでは『女の子の節句』で『雛人形』を飾り、お祝いするものらしいが・・・・

「皆さん、お待たせしました。」

聞き覚えのある声に振り向けば、そこには桜を散りばめた淡いピンクの着物姿の
彼女がケーキを運んできた。

「やぁ、、最上さんこんばんは。その着物似合ってるね。」

そう言う俺に彼女はどこか落ち着かない様子で・・・・・

「つ、敦賀さん!!い、いらしてたんですか・・・・・こ、こんばんは・・・
あ、あの私ケーキを置いてきます。」

そう言いながらいそいそとケーキを運ぼうとする。
(怪しい・・・・また俺に何か隠しているのか?)

「お姉様~、ケーキできましたの?」

“ビクッ”っと肩を震わせ、マリアちゃんの問いかけに焦りつつ俺をちらりと見ながら

「できたのはできたんだけど・・・・・ま、マリアちゃん向こうに飾ってもいい?」
「どうしてですの?せっかく私が無理を言って作っていただいたのに。」

そう言って俺の死角になっているケーキを覗き込む。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!素敵ですわ!!蓮さまもご覧になって!!」
「マ、マリアちゃん!!・・・・・そ、それはちょっと!!」

マリアちゃんに言われケーキを覗き込むと・・・・・
そこには特大ひな祭りケーキの上に鎮座するお内裏様とお雛様・・・・・・
いや、正確には砂糖菓子で出来た俺とマリアちゃんの人形で・・・・・

「はぁ~~最上さん・・・・君また作ったの?俺の人形。」
「も、申し訳ありません~~~~~~!!」

着物姿で床にひれ伏しペコペコ誤る。

「れ、蓮さま違うの・・・・私が頼みましたの・・・・・その・・・・私と蓮さまの変わり雛人形
ケーキ・・・こうして並べると・・・け、結婚式みたいでしょ。」

『だから、お姉様を怒らないで!!』
マリアちゃんに懇願され、まぁ怒っていたわけじゃないので呆れつつ

「ほんとに君は・・・・・マリアちゃんの誕生日プレゼントといい、こんな完璧に作れるほど
俺のことを考えてくれてるんだ。うれしいなぁ。(キュラキュラキュラキュラ)

キュラキュラスマイルが降り注ぐ
(いっやぁ~~、敦賀さん、怒ってる、怒ってるわ・・・・一度ならず二度までも作っちゃった
から?で、でもそれならもし私の“フルリアル蓮人形1/8タイプ”を見られたら?ほかの呪い
の人形を見らりたら・・・・・もう切腹ものだわ・・・・)

「プッッッ、最上さんもういいよ怒ってないから。」

その声に我に返る・・・・私またトリップしてた?

「切腹されても困るし。他にも人形あるんだ・・・・今度まとめて見せてもらおうかな?」
「な、何故それを?」
「だって最上さん、全部声にでてたよ。」

サァァァァァ~血の気が引く。

「かさねがさねすみませ・・・・・」

“ベチッ”
勢いよく頭を下げようとした私のおでこを敦賀さんの手が止めた。

「土下座はいいから、ほんとに怒ってないよ。せっかくのひな祭りなのに着物が台無しだよ?そんな事より今度俺にも作ってもらおうかな変わり雛・・・・・」

・・・・・・・・もちろんお雛様は君でね。

To be continued・・・

祝ゲーム化!!

2009/03/02 (月)  カテゴリー/独り言

アニメ化に続きついにゲーム化ですね!!
発売予定は
2009年5月28日
PS2だそうで・・・・
なぜ?今更プレステなの?
私的にはDSもしくはPSPがよかった。
だって・・・・持ち運びならいつでもどこでもできるし・・・・。

詳細はまだ判りませんが、5pb.Gamesさんからでるそうで
プレサイトがオープンしてたのでのぞいてみると、
『目指せ高みへ!選ぶのは恋か仕事か友情か!』
と掲げられておりました。
きっとシュミレーションなんでしょうね。

そして初回限定版アリ!!限定内容は未定ですが・・・・
個人的には先生書き下ろしの物があれば嬉しいなぁ。

嘘つきな関係(9)

2009/03/02 (月)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

課に戻ってすぐ、光が声を掛ける。

「ただいま戻りました。」

その声に一人の女子社員が駆け寄って来た。

「光さん、慎一さん、雄生さん、お帰りなさい、お疲れ様でした。どうでしたか?」
「もうバッチリだったよ、キョーコちゃん。」
「そや、キョーコちゃんが残業して作成してくれた企画書のおかげやで。」
「そ、そんな事無いですよ。皆さんが、がんばった結果ですよ。おめでとうございます。」

こんなに褒められ喜ばれると、キョーコも残業したかいがあったという物だ。

「ありがとうキョーコちゃん。」

嬉しそうにニコニコしながら3人と談笑している。
扉の影になっている蓮と社さんには全く気付いていない様子。

――――― 俺にはそんな笑顔、向けてくれたことないのに・・・・しかも親しげに下の名前で呼んでるし・・・・。

はっきり言って面白くない。
胸の奥にどす黒いものがこみ上げてくる。
その時、光さんと呼ばれていた彼が急に思い出したようにキョーコに例の話をし始めた。

「そうそう、キョーコちゃん。俺たちキョーコちゃんのコーヒーで祝杯あげようって言ってたんだ。」
「あっ、すみません・・・・折角帰ってきて早々立ち話なんてしちゃって。すぐコーヒー入れてきますから休憩室で待っててください。」

そう言って給湯室に駆け出そうとする。

「あっ、キョーコちゃんちょっと待って。実はキョーコちゃんのコーヒーをぜひ飲みたいって言ってる人を連れてきたんだけど・・・・・」
「私のコーヒーを飲みたい人?どなたですか?」

キョロキョロするも彼らの後ろに人は見当たらない。
キョーコは小首をかしげる。

「さっきエレベーターで会ってさ、キョーコちゃんもビックリする人だよ。だからあと2杯追加でお願い。」

もったいぶる光に、キョーコは良く分からないまま給湯室へと向かう。

――――― 私のコーヒーを飲みたい人って・・・・まさか・・・・・。でもあの人がこんな所まで来るほど、暇じゃないはずよね・・・・。

紙コップをだしながら考えを巡らす。

「あっ、やだ紙コップ一つ足りない・・・・・。」

独り言を言いながら予備のコップを探すが見当たらない。

「また買っとかなくっちゃ・・・・・でも、どうしよう・・・・・・ま、これでいいかな?」

そうして暖かいコーヒーを入れると、キョーコは急いで休憩室へと向かった。

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嘘つきな関係(8)

2009/03/01 (日)  カテゴリー/嘘つきな関係 全53話完結

翌日から、キョーコは蓮に合わないように朝早く家をでた。
資料を返してくるように頼まれ、それを返して戻ってくる途中・・・・・。

「キョーコちゃん~!!」

向こうから“魔王の手先”社が手えを振りながらやって来る。
ひと気の無い廊下ではあるが、社長直属の秘書・・・・・あまり見られたくない。

「こ、こんにちは、社さん。」
「こんにちは、キョーコちゃん・・・・そんな嫌な顔しないでよ。俺だって心苦しく思ってるんだから。」
「私・・・・・そんなに顔に出たましたか?・・・・・すみません。」
「いや、いいよ。全部アイツが悪いんだから。」

そう言いながらポケットから一枚のカードを取り出した。

「これ、蓮からキョーコちゃんに渡してくれって・・・・・。朝渡そうと思ったら、もう居なかったってしょぼくれてたよ?」
「//////社さん・・・・・聞いたんですか?」
「え?あ、ああ。“しょぼくれてた”はスルーなんだ経緯は大体・・・・大変だったね、昨日は。」
「ホントですよ・・・・あの人なに考えてるんだか・・・・」

社にあたっても仕方ないが、事情を知っている相手は社だけなので文句の一つも言いたくなる。

まぁ、一つ言える事は“キョーコちゃんを気に入ったってことぐらいかな”
「何か言いましたか?」
「ううん、何も・・・・とにかくそれマンションの鍵だから。それと、俺からも頼みがあるんだけど・・・・」
「な、なんですか・・・・頼みって?」

今度は秘書に何を言われるのかと、キョーコは身構える。

「そんなに警戒しないでよ。実はアイツの食事を作ってやってほしいんだ。」
「食事ですか?」

もっと大層な事を言われると思っていただけに、拍子抜けしてしまう。

「そう。アイツ、食に関心が無いと言うか・・・・・ほっといたら何日も食べなかったりするから。キョーコちゃんが作ってくれれば食うと思うんだアイツも。」

確かに昨日の冷蔵庫事情を見れば一目瞭然。

「確かに冷蔵庫には何も入ってませんでしたね・・・・」
「だろ?社長なんだから健康管理とかもっと考えてほしいよ。」

確かに、会社のトップが体を壊したら大変な事になる。

「・・・・・・分かりました。食事の事は引き受けます。その代わり私からもお願いがあるんですど・・・・」
「な、なに?俺の出来る範囲でなら協力するけど・・・・・婚約破棄は無理だからね。」

申し訳なさそうな顔で、そういわれキョーコはおかしくて笑う。

クスクスそれは分かってますよ。あんな大魔王に社さんが勝てるとは思ってませんから。」
「“大魔王”って・・・・キョーコちゃんうまい事言うね。」

そうして2人で笑っていると・・・・・。
急に廊下の気温が下がった気がした。

「就業時間に廊下で2人きりで楽しそうですね、社さん。」

キョーコ後ろで低いテノールの声が響く。
見る見る表情が固まる社・・・・・・。
恐る恐る振り返ると、そこに立っていたのは“大魔王”化した蓮だった。

「用事に行ったまま、なかなか帰ってこないから探しに来たんですよ。」
「れ、蓮・・・・いや、あの、その、・・・・け、携帯鳴らしてくれればいいだろ・・・・・。」
「あ、そうですね。忘れてました。」

明らかに棒読みな言葉に、社はため息を付く。

――――― 嘘だ!!絶対キョーコちゃんに会いに行った俺が帰って来ないから、気になって探しに来たんだろう!!

「もう用事も済んだし戻ろうと思ってた所だよ。」
「それじゃぁ、社長、社さん失礼します。」

ペコリと頭をさげ、言うが早いかキョーコはその場からそそくさと去って行った。


そう、キョーコがした2つ目のお願い、それは『会社では他人のふりをする事』。
会社で蓮の嘘とは言え“婚約者”になったなんて知られたら・・・・・考えただけでも恐ろしい。
だからキョーコは蓮にそう頼んだのだった。

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